蘭の会

+蘭の会設立一周年記念特別号+

◆今月のおてがみ 谷川俊太郎さんより

  「おてがみ下さい」かあ、なんだか懐かしい響きだなあ、でもこのお手紙は郵便受けには入らないんだよね。コンピュータの中の蜘蛛の巣にひっかかるんだ、迷子になったハエみたいに。でもそれを食べるのはスパイダー・マンじゃない、アクセスした人たちだ、ぼくが会ったこともない人たち、もしかすると一生会うこともない人たち、そう思うとWebは賑やかなようでいてけっこう寂しい所だな。
 会ったことのない人たちに手紙を書くとなると、どうしても独り言めいてくる。独り言ってのはあまり好きじゃない、独り善がりになり勝ちだし、相手がいないと話が脱線しないからつまらない。でも詩ってのはね、これは独りで書くっきゃないもんだね。ひとりで書いて、ひとりで批評して、ひとりで判断して、ひとりで推敲して、ひとりで悩んで、ときにはひとりで没にする。独り言をいかにして独り言じゃなくするかってところに、詩の奥義があるんじゃないかな。
 Web上のつきあいが、詩を書く上で有効に働くかってこと、ぼくにはまだよく分からん。見方によっては昔ながらの同人誌と変わらないように思えるし、また予想もつかない新鮮な可能性が隠れているようにも思えるし、特に「蘭の会」のように女中心の場合は、女そのものがまだ未開の荒野みたいなところがあるしね。男みたいに意識化しよう言語化しようと焦らないで、からだぐるみ、暮らしぐるみで詩も書いてくれると面白いだろうなあ。
 詩はね、不実な恋人ですよ。詩を愛するのはいいけれど、詩にも愛されてると思うとがっかりするよ。逆に言うと、裏切られてしまうほど詩に溺れないと、詩というこのわけのわからんもののもつ、悪の側面が見えてこない。でもこう思うのは僕が男だからかもしれない。女にとっての詩と、男にとっての詩に違いはあるのか、というのもなかなか答えの出ない問題だよねえ。
 では皆さん、おからだ大切に、肥り過ぎないように、痩せ過ぎないように。


                          2002年11月10日
                             谷川俊太郎

◆ふみばこ


2001年

⇒10月号 ヤリタミサコさん

⇒11月号 さいとういんこさん
⇒12月号 いとうさん(poenique-詩の寄り添う場所-)

2002年

⇒新春号 上田假奈代さん(kanayo-net.com)
⇒二月号 寺西幹仁さん(詩学社)
⇒三月号 大村浩一さんGOBLIN黄金夜浩一と詩書き隊
⇒四月号 東直子さん直久
五月号 和合良一さん(ぽえむのへそ にて和合さんの情報が獲得できます
⇒六月号 木村ユウさん詩・モード Zamboaコラード@コム
七月号 RADIO DAYS(里宗巧麻さん&Takumyさん)
八月号 関富士子さん("rain tree”)
九月号 魚村晋太郎さんパロールセンター)
⇒十月号 桑原滝弥(通称 名古屋のタッキー)さんより



◆イベント情報

5月号におてがみを下さった和合亮一さんが
ご出演するイベントがあります
みなさま、ぜひぜひ、足をお運びくださいませね
おっと、耳も目もお忘れのないように
みんなでおでかけしましょう♪いざウルトラ!

リーディングとトーク 「詩はウルトラ」(リーディングライブ)
開催日 2002年12月14日(土)
時間 15:30(160分間)
会場 ル・カフェ・レトロ(地下鉄東西線早稲田駅下車 早稲田学生会館前)
東京都新宿区西早稲田2−1−18
地下鉄東西線早稲田駅下車 
料金 1200円(ドリンクつき)円
問い合わせ ル・カフェ・レトロ(03−3207−1078)

+ウルトラの詳細情報

ウルトラリーディングPM3:30〜PM4:30
1 田口犬男さん 2 伊武トーマさん
3 和合亮一さん 4 長澤忍さん
5 石田瑞穂さん
休憩 PM4:30〜PM4:40
ウルトラトーク PM4:40〜PM6:10
sideA(45分)「詩と読者」進行 和合亮一さん
遠藤朋之さん、松元泰介さん、及川俊哉さん、伊武トーマさん
sideB(45分)「詩と詩人」進行 遠藤朋之さん
松元泰介さん、及川俊哉さん、長澤忍さん、田口犬男さん、石田瑞穂さん
ウルトラとは?
二十代から三十代の世代の書き手達が集まり、
世代の興奮、競争ならぬ狂騒を
詩の世界に積極的に持ち込もうとする
豪放で繊細、華麗にして傍若無人な、詩人・評論家グループ。



◆蘭の会会員の出版物についてのお知らせ

佐々宝砂

『仮想地下海の物語』 1800円(税別) 
詩の出版社ミッドナイト・プレスから発売されました

『Midnight Press 17号』 
佐々宝砂,ウェブ未発表新作詩「蜘蛛を食う」掲載。

上記についてのお問い合わせはこちらへ 
http://www.midnightpress.co.jp/

◆1周年記念号のお知らせ 


+詩集なゆた第二集

一年前に三十数名でスタートした蘭の会
一年経過して、現在会員は70名になりました
なゆたな想いをなゆたにたくして
なゆた第二集の発刊です

+さかさまなコイ!

リベンジ掲示板だけでは生ぬるい
仕返しされてしまおう
そんなわけで、さかさまなコイ!

いとう氏(poenique)木村ユウ氏(詩・モードZamboa)
山田せばすちゃん氏(わがみよにふる ながめせしまに)
ちょり氏(paorett/くぐもり)赤木虫太・通称むい氏(詩人ギルド)
This氏(詩に至る病)会計担当氏(ark)葉月之寛氏(Verse-Verge)
(順不同)
まなコイ!に参加していただいたことのある方々をお迎えして
わたしたちがまな板の上に乗ります
なんだか、どきどきはらはら。
どうなっちゃうのかしら?

+おでかけ蘭々いどばた批評座談会Zamboa編

ええ、このかしましい蘭な人たちがZamboaお出かけしていって
いいたいほうだい、おしゃべりしつくしてきました
ここに、新たな悲劇が始まるのか?(笑)

+新連載 沼谷香澄の「Thinking about Poetry Reading」

リレーコラムから飛び出して初の連載コラム
一年にわたる連載を通して
ポエトリーリーディングについて考えていきたいと思います
こういうのが読みたかったんだ、という声を反映して一般公開

+Web女流詩人コラム

ユーリ 「速度」



◆12月号のお知らせ

+詩集「クリスマス」

もう十二月なのですね、師も走るのですね。
でも、詩はいつもここにある。
 
+Web女流詩人コラム

小夜「水分」 

+まな板の上にコイ♪

一ヶ月おやすみをいただいたまなコイ♪
お待たせいたしました
更新と同時に投稿受付再開です
皆様、どうぞ奮ってご参加ください

12月号掲載詩投稿受付期間
11月15日〜11月20日

投稿フォームへ
 

◆当会をご利用にあたって

蘭の会ではご来場の皆様にも
詩作を通して相互に交流していただきたいと思います
相互批判ではなく相互理解を
詩人として詩を愛することを忘れず
詩を読み書く喜びを享受しあえる場であるように

蘭の会るーるぶっく
投稿規定や利用規定などを必ずご確認ください


(ページ及びグラフィック製作 芳賀 梨花子)