「おてがみ下さい」かあ、なんだか懐かしい響きだなあ、でもこのお手紙は郵便受けには入らないんだよね。コンピュータの中の蜘蛛の巣にひっかかるんだ、迷子になったハエみたいに。でもそれを食べるのはスパイダー・マンじゃない、アクセスした人たちだ、ぼくが会ったこともない人たち、もしかすると一生会うこともない人たち、そう思うとWebは賑やかなようでいてけっこう寂しい所だな。 会ったことのない人たちに手紙を書くとなると、どうしても独り言めいてくる。独り言ってのはあまり好きじゃない、独り善がりになり勝ちだし、相手がいないと話が脱線しないからつまらない。でも詩ってのはね、これは独りで書くっきゃないもんだね。ひとりで書いて、ひとりで批評して、ひとりで判断して、ひとりで推敲して、ひとりで悩んで、ときにはひとりで没にする。独り言をいかにして独り言じゃなくするかってところに、詩の奥義があるんじゃないかな。 Web上のつきあいが、詩を書く上で有効に働くかってこと、ぼくにはまだよく分からん。見方によっては昔ながらの同人誌と変わらないように思えるし、また予想もつかない新鮮な可能性が隠れているようにも思えるし、特に「蘭の会」のように女中心の場合は、女そのものがまだ未開の荒野みたいなところがあるしね。男みたいに意識化しよう言語化しようと焦らないで、からだぐるみ、暮らしぐるみで詩も書いてくれると面白いだろうなあ。 詩はね、不実な恋人ですよ。詩を愛するのはいいけれど、詩にも愛されてると思うとがっかりするよ。逆に言うと、裏切られてしまうほど詩に溺れないと、詩というこのわけのわからんもののもつ、悪の側面が見えてこない。でもこう思うのは僕が男だからかもしれない。女にとっての詩と、男にとっての詩に違いはあるのか、というのもなかなか答えの出ない問題だよねえ。 では皆さん、おからだ大切に、肥り過ぎないように、痩せ過ぎないように。 2002年11月10日 谷川俊太郎 |
2001年
⇒10月号 ヤリタミサコさん
⇒11月号 さいとういんこさん
⇒12月号 いとうさん(poenique-詩の寄り添う場所-)
2002年
⇒新春号 上田假奈代さん(kanayo-net.com)
⇒二月号 寺西幹仁さん(詩学社)
⇒三月号 大村浩一さん(GOBLIN、黄金夜、浩一と詩書き隊)
⇒四月号 東直子さん(直久)
⇒五月号 和合良一さん(ぽえむのへそ にて和合さんの情報が獲得できます)
⇒六月号 木村ユウさん(詩・モード Zamboa、コラード@コム)
⇒七月号 RADIO DAYS(里宗巧麻さん&Takumyさん)
⇒八月号 関富士子さん("rain tree”)
⇒九月号 魚村晋太郎さん(パロールセンター)
⇒十月号 桑原滝弥(通称 名古屋のタッキー)さんより
◆イベント情報
5月号におてがみを下さった和合亮一さんが
ご出演するイベントがあります
みなさま、ぜひぜひ、足をお運びくださいませね
おっと、耳も目もお忘れのないように
みんなでおでかけしましょう♪いざウルトラ!
リーディングとトーク 「詩はウルトラ」(リーディングライブ) |
開催日 | 2002年12月14日(土) |
時間 | 15:30(160分間) |
会場 | ル・カフェ・レトロ(地下鉄東西線早稲田駅下車 早稲田学生会館前) 東京都新宿区西早稲田2−1−18 地下鉄東西線早稲田駅下車 |
料金 | 1200円(ドリンクつき)円 |
問い合わせ | ル・カフェ・レトロ(03−3207−1078) |
+ウルトラの詳細情報
ウルトラリーディングPM3:30〜PM4:30
1 田口犬男さん 2 伊武トーマさん
3 和合亮一さん 4 長澤忍さん
5 石田瑞穂さん
休憩 PM4:30〜PM4:40
ウルトラトーク PM4:40〜PM6:10
sideA(45分)「詩と読者」進行 和合亮一さん
遠藤朋之さん、松元泰介さん、及川俊哉さん、伊武トーマさん
sideB(45分)「詩と詩人」進行 遠藤朋之さん
松元泰介さん、及川俊哉さん、長澤忍さん、田口犬男さん、石田瑞穂さん
ウルトラとは?
二十代から三十代の世代の書き手達が集まり、
世代の興奮、競争ならぬ狂騒を
詩の世界に積極的に持ち込もうとする
豪放で繊細、華麗にして傍若無人な、詩人・評論家グループ。
◆蘭の会会員の出版物についてのお知らせ
佐々宝砂
『仮想地下海の物語』 1800円(税別)
詩の出版社ミッドナイト・プレスから発売されました
『Midnight Press 17号』
佐々宝砂,ウェブ未発表新作詩「蜘蛛を食う」掲載。
上記についてのお問い合わせはこちらへ
http://www.midnightpress.co.jp/
◆1周年記念号のお知らせ
+詩集なゆた第二集
一年前に三十数名でスタートした蘭の会
一年経過して、現在会員は70名になりました
なゆたな想いをなゆたにたくして
なゆた第二集の発刊です
+さかさまなコイ!
リベンジ掲示板だけでは生ぬるい
仕返しされてしまおう
そんなわけで、さかさまなコイ!
いとう氏(poenique)木村ユウ氏(詩・モードZamboa)
山田せばすちゃん氏(わがみよにふる ながめせしまに)
ちょり氏(paorett/くぐもり)赤木虫太・通称むい氏(詩人ギルド)
This氏(詩に至る病)会計担当氏(ark)葉月之寛氏(Verse-Verge)
(順不同)
まなコイ!に参加していただいたことのある方々をお迎えして
わたしたちがまな板の上に乗ります
なんだか、どきどきはらはら。
どうなっちゃうのかしら?
+おでかけ蘭々いどばた批評座談会Zamboa編
ええ、このかしましい蘭な人たちがZamboaお出かけしていって
いいたいほうだい、おしゃべりしつくしてきました
ここに、新たな悲劇が始まるのか?(笑)
+新連載 沼谷香澄の「Thinking about Poetry
Reading」
リレーコラムから飛び出して初の連載コラム
一年にわたる連載を通して
ポエトリーリーディングについて考えていきたいと思います
こういうのが読みたかったんだ、という声を反映して一般公開
+Web女流詩人コラム
ユーリ 「速度」
◆12月号のお知らせ
+詩集「クリスマス」
もう十二月なのですね、師も走るのですね。
でも、詩はいつもここにある。
+Web女流詩人コラム
小夜「水分」
+まな板の上にコイ♪
一ヶ月おやすみをいただいたまなコイ♪
お待たせいたしました
更新と同時に投稿受付再開です
皆様、どうぞ奮ってご参加ください
12月号掲載詩投稿受付期間
11月15日〜11月20日
投稿フォームへ
◆当会をご利用にあたって
蘭の会ではご来場の皆様にも
詩作を通して相互に交流していただきたいと思います
相互批判ではなく相互理解を
詩人として詩を愛することを忘れず
詩を読み書く喜びを享受しあえる場であるように
蘭の会るーるぶっくで
投稿規定や利用規定などを必ずご確認ください
(ページ及びグラフィック製作 芳賀 梨花子)