蘭の会

+3月号+

◆今月のおてがみ 大村浩一さんより

屈折した女好きからの『蘭の会』への陳情書

  『蘭の会』に原稿を書くとT−THEATERの仲間に言ったら、松岡 宮さんから「大村さんに一体どんな役を期待しているのだろー」とか言われてしまった。(悶)
 女を相手にこのオレが気の効いた話など、できっこないのは分かりきっている。今回の為に特に材料を集められたワケではないし、先日も女とケンカ分かれしたばかり(原因はオレだから仕方無い)では、その手の女性論や恋愛論の本を手に取る気もしない。野本京子さんが引用したので朗読会の参考に読め、と言われたミラン・クンデラの「不滅」も、後ろ1/3のナンパ男の話をばんばか読みトバしてしまった。「壮大な屈折したラブコメ(人死に付き)」と言えなくもないこの小説をそんな風に読んだら殆どイミが無いのだが、ヤなモノはヤだからしょうがない。
 女は大好きである。誰かと一緒に居たいといつも思ってる。けれど上手く付き合えない。しかもだんだん長続きしなくなってきた。コンプレックスはつのる一方で、近ごろじゃ女性と対話する度にサンディエゴを核攻撃された米軍(『パナマ侵攻』佐藤大輔)のよなドス黒い敗北感が自分には漂ってしまう。(悶)
 ゲーリングの母親がユダヤ商人と不倫していたのが、ゲーリングをナチズムに傾倒させた原因だったという説があるが、そんな話に同意してしまうような状態の今の俺がなまじ女性に理解のあるフリなんぞ見せようとしたって、却って自分の中に潜んでいる劣等感やら恨みから性差別意識を露呈して、顰蹙買うのがオチだ。
 以前もそんな事を考えて、それならいっそとばかりニフティの旧・詩のフォーラムの電子会議室に「オレは性差別論者だ」と書いたら(この騒動、渦巻さん覚えておられるか)ご婦人方からメッタヤタラに噛みつかれたのを覚えている。
 歴史的に見れば女性が解放されたと言えるようになってきたのはごく最近で、それでも雇用はいつまでたっても機会均等じゃないし、新橋や五反田のビジネス街はちょっと外れればフーゾク店の捨てカンバンだらけ。長年培われた男の支配からは、そうそう簡単に社会は自由にはなれやしない。だから恥知らずな自称フェニミストよりはマシな事言う性差別論者ぐらいに自分を思っているのが良い、そうオレは思って今回も言っているのだが、どーせ理解してはもらえまい。(笑)

 ここのページはざっと回らせて頂いただけだが、ビジュアル的にも華やかで、ある意味で古風なほど「女らしさ」を強調しているなぁという印象を受けた。
 でも考えてみるとインターネット全盛のこの時代に、こういうコンセプトを前面に打ち出した詩のページがこれまで無かったというのもオドロキではある。ネットもまだまだ男上位の世界、ということか? 考えてみりゃネットだってエロサイトだらけだもんなあー。(<当然ですがセクハラです(^^;)
 ホントはここのHPも細かくあちこち見て批評するべきなんだろうが。俺はそんな風に「女」のページを精読しようなどとすると、自分自身が何だかストーカーみたいな気がしてきて、キモチワルクなって読むのを止めてしまうのだ。(汗)
 だから「今月の秀作」とかイイ詩人の秀作がエントランスにどどぉーんと大きく据えてあったりすると、ここが創作の為の場所だと分かって、男の俺にももっと落ち着いて読んでいられるのでは、と思った。「女の園」という感覚もまんざら悪くはないが。(この表現にはここを女のコのパジャマパーティみたいにイメージしているおぞましさがあるな(汗))そこから始めるのでは全体がヘンな方向に歪んでしまう気がする。いやこういうヘンなコダワリは自分が歪んでいるからなのか。うーんよく分からなくなってきた。(笑)
 でも掲示されている詩を見ていると、ラジカルさがまだまだ足りない気がする。女である事から自由になって、ようやく「人間である事からは逃げ場が無い」という共通認識に立てるような気が、男の俺にはしているのだが。

 かつては「ラメール」というれっきとした女性詩誌もあった。今は無くなってしまったが、それが切り開いたのと新しい詩の可能性をここに期待するのは過ぎた事だろうか。考えてみれば女性雑誌は花盛りなのに、今の詩誌はみな男性編集者の本ばかり、こりゃあ時代に逆行した話だナとオレには思えるのだ。
 ひとつ提案したい企画として、もっと女性の手による詩の批評、それも男女の詩を問わず、著名な詩人の新しい詩に対する密度の高い批評を女性の手でやってみて欲しいと思う。考えてみるとどの詩誌でも男性の批評家が数も多くて支配的で、ある女性詩人から話を聞くと、なんだか男性批評家連の評価にふりまわされているような印象すら受けた。これはなんだかヘンだ、価値観のバランスとしてもおかしい。何とかしなきゃいけない事だと思う。

 では詩人として女はどうかとなると、これはもう日本の詩歌の伝統とも言うべきか、女性のほうが明らかに優れている気がするぞ、オレには。
 これは冗談ではなく、ネットでの傾向なんか見ていると、男性の投稿者の7割は使いものにならない(^^; のに対して、女性の投稿者の7割は最初からどこか見どころのあるものを書いてくるという印象が俺にはある。(但し1割は箸にも棒にもかからないバカという傾向もある(^^;)やはり精神的な経験の密度の差から、女性のほうが圧倒的に早く成熟するためなのだろうか。ネットという才能ある女性の発掘発展の手掛かりを放っておく手は無い、どしどし発展させていって欲しい。

 女性から生まれ、女性を越えていく新しい詩歌の生成の場として、『蘭の会』の前途に期待しつつ、ペンを置こう。

2002/03/05 大村浩一

◆大村浩一さん情報 「王子に会いたきゃここへ行け!」 

+おふらいんでは、ここだ!

T−THEATER第3回公演『いったきり温泉』(詩の朗読と音楽)

5月4日(土)13:30・18:30開演 5月5日(日)13:30・17:00開演
(開場は開演の30分前・上演時間約90分)
入場料:前売1500円 当日1700円
連絡先070-5451-2992 NBB00125@nifty.ne.jp(大村)
会場:planB(地下鉄丸の内線中野富士見町駅徒歩7分)03-3384-2051
監督:奥主榮 制作:大村浩一 音楽:やまだようこ 美術:内田英樹
ダンス:川越彩子
出演:松岡宮、白糸雅樹、大村浩一、紀ノ川つかさ、岡さやか、
   本谷建治、じょうじ、ぷらちな銀魚 ほか
作品:野本京子、岡野嘉樹ほか 照明協力:高橋悠之輔

「黄金夜」
王子さまは司会をされています。
(ボントワレ http://www.bontoware.com/


+おんらいんなら、いつでも王子!

GOBLIN
http://www.win.ne.jp/~sid10718/

大村浩一公認ファンクラブ「浩一と詩が書き隊」
http://homepage1.nifty.com/kai-G/koichi/index.htm

さがな。
http://www.exist.net/sagana/

T−THEATER
http://isweb33.infoseek.co.jp/novel/ttheater/

@nifty 現代詩フォーラムhttp://www.nifty.ne.jp/forum/fcverse/
@nifty 詩のフォーラムhttp://www.nifty.ne.jp/forum/fpoem/
王子さまはスタッフをされています。

上記大村浩一さん情報は担当 蘭の会特別情報開示室長 渦巻二三五

◆ふみばこ


2001年

⇒10月号 ヤリタミサコさん

⇒11月号 さいとういんこさん
⇒12月号 いとうさん(poenique-詩の寄り添う場所-)

2002年

⇒新春号 上田假奈代さん(kanayo-net.com)
⇒二月号 寺西幹仁さん(詩学社)

ふみばこよりお知らせ

二月号の寺西さん
詩学社のHPが開設されました
今月より推奨リンクとしてご紹介しておりますので、
ぜひ、詩学社のHPもご覧になってください。

⇒推奨サイトリンク集へ

◆3月号のContents

+詩集「指輪」

+Web女流詩人コラム 宵薫 「空白」

+批評の部、まな板の上にコイ! 

今月の総評担当はヤリタミサコ、幽霊会員撲滅作戦です(笑)

 愛 九龍さん
 あの日 楽太郎さん
 白散 湖衣さん
 木陰 とおりあめさん
 返事 ちょりさん
 傷痕/日蝕 安部行人さん
 月の下、孤独な部屋 木村ユウさん

お詫び:安部さんの綴りを間違えて記載しておりました
     ご本人よりご指摘をいただきまして
     即刻訂正いたしました
     大変申し訳なく思っております、ごめんなさい
     これに懲りずに蘭の会をよろしくお願いいたします

+新コンテンツ発信は延期になりました。
 
より良いものをお届けするために鋭意準備中

◆4月号のお知らせ

+詩集 「春の闇」 
 
 趣向を変えてテーマではなくタイトル指定です
 どうぞ、お楽しみになさってくださいませね

+Web女流詩人コラム  キキ 「睡魔」

+批評の部 まな板の上にコイ♪4月号では
 総評に上田假奈代さんをゲストコメンティターとしてお招きしております
 精力的に活動なさっている上田さんに読んでいただく機会を逃すな!
 という感じで、多くの作品のご投稿をお待ちしております
 

◆批評の部よりお知らせ

まなコイ♪の投稿受付に関しての変更のお知らせ

 皆様に好評をいただいております蘭の会批評の部まな板の上にコイ♪において、毎月たくさんの作品を投稿して頂き誠にありがたく思っております。
 現時点の当会の投稿受付に於ける規程では多くの作品が時間外ということで選外になることが多く、また、投稿していただこうにも、翌日には締め切っているような状況では、多くの作品を読む機会を失っているのではないかと常々残念に思っておりました。
 そこで、来月より蘭の会は投稿期間を設け、その間に投稿していただいた作品の中から選抜れた詩を更新時に5作品から8作品を批評を添えて公開し批評座談会においての討論の対象としせていただきたいと存じます。

投稿期間 毎月15日午前0時より20日午後24時までとする



⇒投稿フォームへ (投稿規定をご確認ください)


◆当会をご利用にあたって

蘭の会ではご来場の皆様にも
詩作を通して相互に交流していただきたいと思います
相互批判ではなく相互理解を
詩人として詩を愛することを忘れず
詩を読み書く喜びを享受しあえる場であるように

蘭の会るーるぶっく
投稿規定や利用規定などを必ずご確認ください




(ページ及びグラフィック製作 芳賀 梨花子)