蘭の会

+12月15日号+


◆今月のおてがみ いとうさん(poenique 詩の寄り添う場所 主宰)

蘭の会に寄せて

実感として、詩を書いていると性差にはあまりこだわらなくなります。
「女性だから、男性だから」という考え方からどんどん遠ざかり、
それよりももっと、個人差の意識が際立っていくのを感じます。

女性自身が女性という自己の存在を意識して、
女性であることから何かを始めようとするのは、
一見、“女性性”に囚われていると錯覚してしまうのですが、
じつは、束縛や抑圧とは程遠い、
遥かな高みを目指すためのステップでしかありません。
その証拠に、ここ蘭の会には、
女性であることを前提にした多様性が開花しており、
そのどれもが艶やかで、見る人を惹きつけて止まないのです。


意識することから、解放が始まります。

女性が集うことにより、女性性から解放されることを願いつつ。
そして蘭の会が、その役割をいつまでも担っていくことを祈りつつ。


                                 2001.12月 いとう

追伸。
ちなみにこれを読んでいる男性諸氏、男性性を意識したことはありますか?
解放されていないのは、抑圧されているのは、じつは我々のほうかもしれません。

◆ふみばこ

⇒10月号 ヤリタミサコさんからのおてがみ
⇒11月号 さいとういんこさんからのおてがみ


(ページ及びグラフィック製作 芳賀 梨花子)