2000年6月という日々

2000年6月にプレイしたゲームの私的メモです。SFゲームに限っていません。

盟約の地
先月末からデベロップに入っているFULL-NELSONブランド最新作。少し淡白な印象もあるがプレイアブルでドラマティックな展開という狙いはそれなりに達成されているか? ただし後半の人類の巻き返しが強すぎ,これだと後半に縺れた場合に魔物側はプレイ意欲を維持するのが難しいか? 人々の助けとなる盟約について見直しの必要あり。
アザンティハイライトニング
●アザンティハイライトニング:カグカサッガン2
SFRPG「トラベラー」のサプリメントでもある宇宙巡洋艦内戦闘ゲーム。ミニチュアゲーム的なルールで,記述がクリアでない。もっと問題なのは,最初のシナリオ「カグカサッガン2のドライブデッキ」は,11階層を使って120ターンプレイするビッグゲームなこと。プレイしたときにどうなるかを考えていない観念先走りデザインというのは酷評しすぎだろうか?

盟約の地
前項「アザンティ‥‥」が不発のため,急遽の登場となった新作対戦プレイ。魔物側で対戦するもデベロッパーがミスプレイをしてバランスを損じてしまい敗北。ゲーム展開は流動的で,新プレイヤーによる新作戦も登場し,思ったより選択肢の多様性もありそう。

盟約の地
攻守ところを変えて続けてプレイ。人類側で遅滞戦術を取り続けて勝利。勝利条件の微調整が必要か? とまれ1.5〜2時間でプレイできることが検証され,ルール学習が容易で戦術的な悩みに没頭できることが協力してくれたテストプレイヤーのプレイの様子やコメントから窺えた。
スカイランナー
●スカイランナー
高さ約60センチの紙製摩天楼をぶったてる仰天コンポーネントのファミリーゲーム。ゲームシステムは,いわゆる「ハゲタカとネズミ」で,シチュエーションは往年の傑作アーケードゲーム「クレイジークライマー」そのもの。仰天コンポでなければ商品として成立しなかったのでは? とは言え,定評のあるゲームシステムを下敷きにしており,斬新さはなくともプレイには耐える。

●ホイールオブヒストリー
ファミリーゲーム界の大御所になりつつあるクニッツアのアラカルトパッケージ「古きローマの新しい遊び」の中の一作。往年の傑作「フリンケピンケ」と近いジレンマ構造を違うゲームシステム,異なるテイスト(テクニック?)をもたらす形で実現。今回は3人でプレイしたが,まずまず。伝聞では人数が多くても面白いとのこと,ただしテイストは異なってくるらしい。

日本列島沈没
バンダイのIFシリーズの初期作品。今となってはバンダイがシミュレーションゲームに手を染めていたことを知る人も少なくなってきているかも知れない。が,この作品は沈んでいく日本列島から脱出する変則スゴロクとして,かつて小松左京の「日本沈没」に衝撃を受けたものにとっては楽しめる作品に仕上がっている。ヤフーオークションで入手して久々のプレイとなったが,その印象は変わらない。沈没脱出テーマの佳作。

盟約の地
別のプレイヤーとの対戦。今回は人類側を持つが非常に慎重な魔物の作戦に油断,大決戦場でテクニカルな頓死を喫して苦しくしてしまう。勝利条件の変更もあり,引分けに。とまれ,6回目のプレイにして,思わぬテクニカルな要素が現出するなど,製作サイドの思惑を越えた魅力(?)も。勝利条件的には引分けの確率を下げないとドローゲームの批判を受ける懸念ありか?
ファイアーティーム
●ファイアーティーム
シュアーな手腕で定評のあるサウザードがウェストエンドで発表した現代戦戦術級ゲーム。最初のシナリオを1ターンのみプレイしただけだが,戦術級ゲームでしばしば問題となる「戦場の霧の不全性」と「戦況によるイベント頻度の格差」の問題を上手に解決した傑作との印象を再確認する。このゲームが世評にのぼらないのは残念というより不可思議。

火星の大元帥カーター
ウォーゲーム界のビッグネーム,ハーマンの若き日の問題作。バロウズの火星シリーズを余すところなくなく再現。RPG黎明期のデザインだが,意外にもヒロイックな冒険物語を徹底してボードゲームで再現している。決闘マップ,都市マップ,火星マップの三段階のゲームシステム。愛とロマンス,嫉妬と裏切りと後悔の独創的ルール。他に類を見ない作りでありながら,題材とベストマッチ,プレイアビリティも良い。後年のハーマンのウォーゲームが,題材再現性,プレイバリューで優れるものの,プレイアビリティの面で険しいことを考えると,これが彼の最高傑作では? 本人が聞いたら怒るかも。

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