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盟約の地
Promised Land / FULL-NELSON ブランド


一言で言えば‥‥

B級SFゲーム分科会オリジナルのファンタジーウォーゲーム
神は人人に盟約の地を与えたもうた,人々の信仰の衰えしとき混沌は再び‥‥

Our original Fantasy Wargame.
The God gave us the promised land. But it had been owned by Chaos beforehand.
As people's belief is falling down, Chaos is getting stronger again.


こんなゲーマーにお薦めしたい

1−2時間でプレイできるスピーディーでドラマティックなウォーゲームを求める方に
オリジナルな設定のファンタジー世界を作り上げる努力を評価するゲーマーに

プレイ人数 2人
プレイ時間 1−2時間
ルール難度 初級ウォーゲーム
デザイナー FULL−NELSON ブランド
デベロップ/設定協力 B級SFゲーム分科会
入手状況 アマチュア創作ゲーム

世にでたB級SFゲーム分科会の成果(?)
盟約の地の表紙
2000年の夏コミで,この「盟約の地」を出展しました。A4版でルール6ページ,設定資料4ページ,カラーマップ4ページ,カウンター/カード(ラベル用紙)2ページ,表紙,奥付けという内容でした。

出展するということでルールブックもきちんと書く努力をしたのですが,これは予想以上に大変でした。なぜ多くのシミュレーションゲームのルールが不完全なのか,書く側になってみて身に染みてわかりました。すべてを想定したルールを書ききるのは難しいですし,極めてレアなケースまでカバーしているとまとまりが悪くなってしまうのです。

この作品を皮切りに同じ世界を共有する別のゲームを作りたいという思惑があったので,設定資料も作ってみました。マンパワーを掛けられないので,イラストまでこちらで作成し,お恥ずかしい限りです。

当初販売部数としては12部ということで,予想を大きく下回りました。SFボードゲームが衰退しているためか,コミケが場違いだったためか,そしてなにより作品の力不足のためか。いずれにせよ,製作サイドとしては少々ガッカリする数字となってしまいました。

しかしながら,これに懲りずに折角,打ち上げた構想なので,次回作もやろうということで考えています。また,残部については,お問合せをいただければ対応したいと考えていますので,今後ともよろしくお願いします。

「盟約の地」の企画
盟約の地のテストヴァージョン
B級SFゲーム分科会として,いつの日かオリジナルのSF/Fゲームを作りたいという思いがありました。
この「盟約の地」は,そうした試みの第一歩となります。

冒頭の「こんなゲーマーにお薦めしたい」に書いたことが,この「盟約の地」の狙いです。プレイアブルでスピーディーなアクションのあるウォーゲームを作りたいというのが一つの狙いです。これは「ゲーム」として楽しくプレイできるものを作りたいという狙いです。

もう一つの狙いが独自の世界設定をゲームを通じて作り上げたいという狙いです。「魔法帝国の興亡」のページに書きましたが,個人的には他の作品のキャラクターやガジェットを安易に借り出してくるようなSF/Fゲームには,肯んじ得ないものがあります。この「盟約の地」では,独自の世界を作り上げることを目指して見ました。

B級SFゲーム分科会としては,この第2の狙いを実現するために,総力(といってもたいした総力ではありませんが‥‥)を挙げて取り組んで見ました。

「盟約の地」の設定

かつて神は,安住の地をもたぬ弱き生き物である人間に,信仰と引き替えに「盟約の地」を与えたもうた。

このとき,神はその地に住んでいた混沌の生き物たちを四囲へと排除して,「盟約の地」を設けた。人人は数世代に渡って安住の地を得ることとなった。

しかし,月日は流れ,やがて人人は神から与えられたものの意義を忘れていき,信仰を疎かにしはじめた。このため,盟約の力は弱まっていった。かつて,この地に住んでいた混沌の生き物たちは,決して豊かな大地を諦めたわけではなかった。彼らは神の盟約の力が弱まるとともに,再び大地へと侵入し始めた。

かくて,人々と混沌の生き物たちの間で,「盟約戦争」が始まったのであった。


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「盟約の地」のシステム
盟約の地のテストプレイ
盟約の地では,プレイアブルでスピーディーなゲームを目指して,特に奇をてらったシステムは採用していません。GDWの「ハウスディヴァイデッド」や,WEの「ロンメルインノースアフリカ」,ゲームジャーナルの「信長最大の危機」など,幾多の傑作ゲームで成功を収めている,いわゆるボックストゥボックスシステムを採用しています。

ゲームの全体の展開としては,混沌の生き物が四囲から順に侵入し,人々は追い詰められていきます。しかし,窮地にあって神にすがる人々に,神は再び新たな盟約を与えます。この盟約の力によって人々は劣勢を盛り返していきます。

基本的には普通のボックストゥボックスですが,少し工夫してあるのは混沌の生き物の側はターン開始時に行軍と補充のパターンをプロットしてしまうところです。このプロットを見て敵の意図を判断しながら人々が先にプレイヤーターンを実施します。これによって人々は,非力ながらも知恵で混沌の生き物との戦いをくぐり抜けていくのを再現しています。

また,人々のコマは裏表になっていて,最初は必ず「村人」の面で登場してきます。けれども,一度,混沌の生き物との戦いに勝つと,そのコマは「強者」の面となり攻撃力が上がります。これによっても人々が,やがて戦うことを覚え,己の力に自信を付けて行く姿が描かれています。

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「盟約の地」の問題点

「盟約の地」については,なにせ当分科会がデベロップ/背景設定をしているので,書き辛いものがあります。とまれ,納得の行くものにしたかったので,テストヴァージョンでは喧喧諤諤でした。

最初のテストヴァージョンから現時点で最新の第5版までの間に,まずユニットの能力バランスが見直され,マップの広さが変更されました。ここらへんはゲーム的な問題から変更されたものです。

その後,ゲーム後半で神が人々に新たに与える盟約の力について変更が加えられました。最初にデザイナーサイドから提示されたものは,まず防御力を上げる盟約,続いて攻撃力を上げる盟約が与えられるというものでした。

しかし,これでは人々が混沌の生き物に近づいていくだけで妙味がありません。この背景世界の設定として,人々の強さというのは,混沌の生き物の強さとは異質のものであって欲しいと考えました。そのため,攻撃力を上げる盟約は取り除かれ,補充力を上げる盟約に置き換えました。

これでゲームのメインの骨格ができあがりました。その後,マップ内でデッドゾーンになっている場所を活用するために地形のつながり具合を変更し,勝利バランスをいじるためにイベントの発生するターン数を前後したり,勝利条件を変更して現在にいたっています。

テストプレイをしていただいた方の中には,「設定の割りに(ゲームとして)軽すぎるのでは?」というような意見もいただきます。また,「(ゲーム内の)機動の選択肢が少ないのでは?」というようなコメントもいただいています。

前者については,こちらも不満なのですが,プレイアブルなゲームを作るという狙いもあることから止むなしと考えています。後者については,個々のターンで見ると,ユニット数が少ないこともあり,そういうこともしばしばあります。しかし,テストプレイで見ると,プレイの度に局面が異なっているので,決して誰がプレイしても同じにしかならないということはないと思っています。

とは言え,ここらへん製作サイドとしては「出来の悪い子ほど可愛い」というところもあるので,総合評価については他の方に譲りたいと思います。

関連ゲーム / 類似ゲーム

FULL−NELSONブランドのゲームは,この分科会でもいくつか紹介しました。マジカルアスリートは汎用ファンタジーキャラクターによる徒競争という抱腹のゲームです。ロボファイトは,カードでロボットの移動をプログラミングして戦うという,これまたプレイすると爆笑編のゲームです。

また、2002年3月のゲームマーケットで、SFゲームアウターリム動乱も登場しました。
さらに、2003年3月のゲームマーケットで、続編封印の魔も登場しました。

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