封印の魔
Huuin-no Ma / B級SFゲーム分科会
ショートコメント
●「盟約の地」と同じ設定に基づくB級SFゲーム分科会オリジナルファンタジーゲーム
●封印されていた魔が盟約戦争に当たって目覚めようとしている人々はその目覚めを阻止することができるのか?
Our original fantasy board game which has the same background as "Meiyaku-no chi".
Mythologicaly seald monster is about to wake during Meiyaku-war. Can people stop its wake up ?
published designed players time
2003 いしだ たかし 2 1 hour
盟約戦争の世界

 大河小説的なオリジナル設定を持つゲーム群を作ろうという企画を打ち出したのが2000年の夏の「盟約の地」でした。
 その時点で同じ世界を共有するゲームの構想が幾つかあり、その内の3つが「盟約戦争」を異なるスケールで扱ったものでした。
 2003年の春のゲームマーケットで、ようやく2番目の「封印の魔」を世に出せました。ここでは設定資料から世界観を紹介しておこうと思います。

 「かつて神は人々に信仰と引き替えに盟約の地を与えたもうた。混沌の支配する地を秩序により統べ,混沌の生き物たちを四囲へと退け人々の安住の地を設けたもうた。」
 「盟約の地」は,かつて混沌の支配する地でした。したがって,混沌の魔物たちは先住民族です。彼らが盟約の地へと再び進入を試みてくるのは,彼らの視点から見ると捲土重来の戦いなのです。
 一方、人々の側から見ると、弱い生き物である人間に対して、その安住を願う思いに応えて神が与えてくれた土地が「盟約の地」です。ですから「盟約の地」は神聖にして侵すべからざる土地なのです。
 神が人々に盟約の地を与えたのは古えの出来ごとであり,人々は,神から与えられた恩恵に感謝することを忘れ始めていました。これが盟約戦争前夜の状況です。
 信仰の弱まりによって神々の盟約は力を弱め、かくて混沌の魔物はこれにつけ入って順に盟約の地に侵入を開始しました。これが盟約戦争の勃発です。
ファイナル・コメント

 手軽で毎回、個性の大きく異なるモンスターが出てきて人々が右往左往するゲームを作ろうという意図でしたが、成功した部分もあり、今ひとつの部分もありという出来栄えとなりました。
 手軽に遊べるという意味では戦術級ゲームとしてはまずまずだと思います。特殊能力なども多いのですがそれでも難しくは感じないと思います。
 その一方で人類側が絶句するような強烈なモンスターというのはあまり出てきません。割とプレイバランスを崩さない大人しい枠に収まってしまったかも知れません。
 このため真剣にクリーチャー側が勝ちに来ると人類側は正に右往左往するばかりだったシーボイガン市を食った怪物の強力モンスターあたりと比較すると、おどろおどろしい魔物にしては少々食い足りない感じがするかも知れません。
 ここらへんゲームとしてのプレイバランスと、SFゲームでの魅力的な魔物(モンスター)との両立の難しさを感じます。
関連ゲーム
盟約の地
●シーボイガン市を食った怪物
●オーガ
 盟約戦争では、海から「海のもの」が、北の山脈から「北の巨人」が、そして封印の墓所から「封印の魔」が盟約の地へと侵攻してきました。
 封印の魔は三者の中でも、混沌を代表する存在であり、人間にとってもっとも危険で、もっとも異質で、もっとも敵意ある存在です。
 封印の魔は,混沌の力そのものの化身でその真の姿は定かではありません。封印の魔は種々の魔力をよく使うと言われますが、その実態は正しくは伝わっていません。
 吟遊詩人のサーガなどには星の数ほど奇妙な能力が謳われています。その内のいずれが真実かは定かではありません。
 盟約戦争の勃発にあって,封印の魔も盟約の力が弱まったところで封印を破り目覚めようとしました。
 人々は果たしてそれを阻止できるのでしょうか。
 封印の墓所は三層から成っており、「封印の魔」は最下層の奥に閉じ込められています。各層は封印になっており、層を一つ抜けるごとに封印が弱まっていきます。その結果として魔は魔力を一つずつ取り戻していきます。
 三層目は地上への出口となっており、ここを突破させてしまうと封印の魔は完全に力を取り戻し、もはや人々には手の付けようのない凶悪な存在となって「盟約の地」に解き放たれてしまいます。
 「封印の魔」は、未知の能力を持つ魔一体に対して、数を頼む人々が抵抗する戦術級ゲームです。
 ヘクスではなくスクエアを使用し、ルールは戦術級としてはシンプルに抑えました。ゲームのイメージとしては、「オーガ」や「シーボイガン市を食った怪物」に近いといえます。
 封印の魔の特殊能力は種々用意されたカードからランダムに引いて決められ、封印の魔側は知っていますが、人々の側は実際に戦場でその能力が発揮されるまで正体がわかりません。
 人々の側は、歩兵、槍兵、弓兵がいて、各層ごとに与えられた戦力で封印の魔を少しでも阻止しようと試みることになります。能力によっては特殊な攻撃ができたり、デフェンスが強かったり、敏捷だったりして、かなり毛色が違った魔物が現れることになります。
 プレイは簡単で、1時間程度で十分にプレイできます。ですから、攻守ところを変えたり新機軸の魔物に入れ替えたりして