アウターリム動乱
Outer-Rim Incident / BQSF-game section
一言で言えば‥‥
帝国の辺境に位置するアウターリム星域で反乱が起こった
民衆の不満が沸点へと達し、英雄たちが立ち上がっていった
In outer-rim star-area, the revolt finally break out.
Frastration of people finally reaches to the boiling point and heroes stand
against the empire.
プレイ人数 |
2人 |
プレイ時間 |
1〜2時間 |
ルール難度 |
初級ウォーゲーム |
デザイナー |
いしだ たかし |
入手状況 |
published in 2002 |
アウターリム動乱の目指したもの

「盟約の地」から一年半、久々にBQSFゲーム分科会のオリジナルゲームが登場しました。
この「アウターリム動乱」は、去年の暮れにこの分科会の掲示板で「銀河革命(SPI/AH Freedom in the Galaxy)」は面白いけれども手軽にプレイできないので、手軽にプレイできる銀河革命のようなゲームがあっても良いのではないか?」という話題が出たことに端を発します。
「欲しいゲームがないときには作ってしまおう」ということで盛り上がったのですが、3月のゲームマーケットという出展の機会が丁度タイミング良く見つかったため一気に実現の弾みが付きました。
できあがったものを改めて振り返って見ると、大きな枠組としては、「ヒーローを中心としたカードプレイで各惑星の治安を反乱よりにしてゲリラの勢力を増やして行き帝国と決戦をする」というものになっています。こうして一文で要約してみると、話しの起点にある「銀河革命」の流れを汲んだものになっています。
とは言え、プレイした印象はかなり違うかも知れません。特に「銀河革命」の豊富なガジェットや、キャラクター性が失われているので、そうしたものを期待されていた方には物足りないかも知れません。
以下、内容を少し紹介してみたいと思います。
アウターリム動乱のゲームシステム

アウターリム動乱では、カードプレイが非常に重要な位置を占めています。カードをプレイすることで反乱側は各惑星の治安を帝国よりからゲリラよりへとシフトさせていきます。これによってゲリラユニットが発生し始めます。
これに対して帝国側は辺境ということもあって勢力が手薄です。初期配置では都市に警察がいる程度ですので、地方で発生してくるゲリラに対処し切れません。このためカードをプレイして増援を動員していきます。
このカードに仕掛けてある工夫が、カードをプレイする上での必要条件と、カードをプレイしたことによる効果です。と言っても複雑なことはなく、カードをプレイするとその効果欄に●印が付いていればこの●をどんどん累積していきます。
カードは必要条件の欄に書かれた数の●印が既に累積されていなければプレイできないようになっています。
このため、初期から使えるカードと、事態が進んでこないと使えないカードとがあり、結果としてゲーム内での事象の流れがなんとなくストーリーライン付けてあるのです。
上の画像は一例です。青のカードは帝国の、緑のカードは反乱側のものです。
いちばん左の「地方警察組織」は帝国側の初期の警察増強カードです。条件がないので最初から自由に使えます。特に帝国の初期配置は都市にしか警察がいないので、すぐにでも使いたいカードの一つです。けれども、地方で警察を増強すると事態が進行することになります。
二番目の「平穏な日々よさらば」は、反乱側の一種の幕間のカードです。事態は静かに沸騰しつつあるかなと思わせるカードで、決定的な事態の進行を生みませんが、帝国としては安心していられる純帝国派の惑星がなくなってしまうイヤなカードです。
三番目のカードは「英雄は星になった」です。このゲームでは、ヒーローはマーカーに近く、直接は戦闘に関与しません。けれどもこうしてカードの効果がヒーローのいる場所に生じるのでヒーローがどこにいるかは重要です。「銀河革命」のようにキャラクターごとの個性や、多様なミッションはありませんし、惑星ごとに異なる現住生物が棲んでいたりもしないので、物足りなく思われる方がいるかも知れませんが。とは言え、この「英雄は星になった」は、帝国の圧倒的な力のシンボルである戦艦を一撃で落とせる強力カードで、この帰趨は勝敗を左右するやも知れません。
最後のカードは帝国の最終段階カード「惑星破壊許可」です。スターウォーズのデススター以来の伝統(?)とも言うべき、星ごとふっ飛ばしてしまう凶悪技です。これができるからこそ戦艦は強力無比であり、その戦艦を落とせる「英雄は星になった」の意義も大きくなっています。

やり残したこと‥?

自分の作ったゲームなので、難点という代わりに「やり残したこと」としてみました。
シンプルな「銀河革命」という狙いは、それなりには実現できたのではないかと思っています。けれども、12時間〜20時間コースの「銀河革命」の大銀河ゲームに対して、「アウターリム動乱」は1〜2時間というごく手軽なゲームです。そういう意味では、この二つの間に、難度/プレイタイム的にはもう一つゲームが入る隙間があるような気がしています。半日くらいでプレイできて、適度なガジェットが盛り込まれているゲームです。
また、折角、ヒーローコマがいるのに、そこに何のパラメーターも個性もないので、キャラクター性を持たせてみたかったという誘惑もありました。さらに、反乱側のヒーローしかいないのですが、帝国側にもキャラを入れてみたかったという気もします。
しかし、今回はデベロップ期間も短かったこともあり見送ることにしました。
そこらへんがやり残したことでしょうか。
関連ゲーム / 類似ゲーム
恐れ多くはありますが、話しの起点にある「フリーダムインザギャラクシー」を挙げて置きます。
BQSFゲーム分科会のオリジナルゲームとしては、「盟約の地」もあります。こちらはファンタジーになります。
