スペースステーション
Space Station / クロノスクラウン
ショートコメント
●スペースステーションの拡張計画を進めながら支配権を模索して様々な駆け引きが踊る
Every player is trying to get the control of the space station during expansion of the project.
published designed players time
2003 柳井 政和 3-5 60-90 min.
ゲームマーケット2003の小品

 ゲームマーケット2003の会場で販売されていたこのゲーム、ルールがその場で公開されていました。実はわたしは会場でルールを読ませていただいたのですが、もう一つ面白みが分からずその場では買いませんでした。
 最近になって改めて入手してみて、先ずソロプレイしたのですが、ことここに至ってもまだ面白みがピンと来ませんでした。つい先日、対戦プレイをしてみたところ、意外なほど面白いことを発見して今回のレビューに至っています。
 ゲームの構造としては、宇宙ステーションの拡張をする中で、その時点での収益を獲得するカラーカードをプロットしていきます。と同時にゲーム終了時点では、これまでにプロットしたカードの全体を使ってカラーごとに入札を行うシステムになっています。
 このときに様々な細かい制約ルールがあって、あまり極端な作戦が取れなくなっています。このため、思い切った作戦の違いが取れず、ちまちましたゲームになりそうな印象がルールを読んだ段階ではあるのです。
 ところが実際に対戦プレイをしてみると、その少しの差で最後のビッディングで相手を刺すための工夫や駆け引きがあることがわかりました。
 ゲーム中盤までは制約条件もあって、思惑はともかくとして一見、協調してバランス良く拡張が進んで見えるだけに最後のビッディングオープンの醍醐味はなかなかのものです。
 開けた途端に「やったー!」、「やられたー!」ということになります。
ファイナル・コメント
 先日は5人でプレイしましたが、非常にエキサイティングなクライマックスを迎えました。4色しかないカラーの中で5人で争うというシチュエーションが良かったのかも知れません。
 その意味では、4人のとき、3人のときはどうなるのか、プレイしてみて確かめて見たいと思います。
 ちなみに、建設ルールのところがルールブックでは多少わかりにくいのですが、ホームページによる説明は良くできています。
 プレイしてみて評価が大いに上がった一作です。
関連ゲーム
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 ゲームシステム的には、各色のステーションタイルを既存のステーションに繋げてプレイし、同時に今回の収入を得るためにカラーカードをプレイします。
 このターンの収入は、今回プレイしたカードと、前回プレイしたカードの2枚の色からだけ入ります。このときに同じ色を連続してプレイすると、その色を2回収入できるのではなく、1回しか収入できません。このため、毎回違う色に移っていくことが多くなります。
 また、プレイ中の収入はその色のステーションが発展していると大きいのですが、ゲーム終了時は逆で未成長のものの方が大きな終了ボーナスを生むようになっています。
 そこで重要になってくるのが表向きにプロットしたカラーカードの下に付ける付加プロットカードです。これは裏向きにして「+1」としてプレイします。終了時にそのままにして置くと、表の色のカードをダブルにする効果で使えます。プロットできる枚数は限られているので、そのままにして置くのが有利です。
 ところが、先に述べたようにプレイ中に有利な色と終了時に有利な色は違います。
 また、終了時には各色ごとに、もっとも多くのカードをプロットしたプレイヤーにだけその色のボーナスが与えられます。このため、プレイ中は色々な色をプレイしておいても、最後には特定の色にまとめる方が得策になってきます。このときに表側のカードを取り除くと、「+1」で伏せてあったカードが表を向き、その隠してあった色のカードとして登場してくるのです。
 このゲームの最大のミソは此処にあって、この部分の醍醐味を体験しないと面白さが見えてきません。
 是非とも一度、最後までプレイしてもらいたい部分なのです。