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水晶庭園
骨折ブランド(アマチュア創作ゲーム)

一言で言えば‥‥

この世界を支える5つの柱に眠る魔力を湛えた水晶

エキゾチックな設定と美麗なコンポーネントのアブストラクトゲーム

こんなゲーマーにお薦めしたい

象徴性の高いコンポ,抽象性の高いゲームに魅力を感じる方に

ランダムな要素の低い,シリアスな駆け引きと読み合いを楽しみたい方に

プレイ人数 3−5人
プレイ時間 45分〜90分
ルール難度 ファミリーゲーム
デザイナー bone5 (アマチュア創作ゲーム)
入手状況 2000年4月のゲームマーケットで限定販売を実施した

骨折ブランドの思い出
水晶庭園のボックス
「水晶庭園」は,bone5さんが作るいわゆる「骨折ブランド」の最近の作品です。

伝え聞くところによると,この「骨折ブランド」は,関西在住のbone5さんが骨折して病院に入ったときに病院で時間を持て余し(?)て,作ったのがはじまりだそうです。

これら初期の作品がゲーム仲間で好評だったことから,次々に新作が登場し,これらの評判はパソコン通信を通じて横浜に住むわたしのところにも伝わってきました。

「是非ともプレイしたい」とエールを幾度か送ったところ,それに対する関西ゲーマー(bone5さんご本人ではありません)サイドから,「骨折をやりたかったら,関西まで来い!」というレスポンスがあり,これに関東のゲーム仲間で呼応して「おうし,行ったろうじゃねぇか!」と新幹線で遠征して行ったのです。

この遠征では,骨折ブランドの他にも広島のUさんの創作ゲームなどもプレイでき,これに刺激されてこちらもFULL−NELSONブランドで創作ゲームを競うように作ったりしたのです。活発な東西ゲーマー交流,盛んな創作ゲーム競作,夢のような時代でした。

諸創作ゲームブランドの中でも,骨折ブランドは市販の小物などを贅沢に取りこんでゲーム化していることが特徴です。ゲーム内容としては,ドイツのファミリーゲームの流れに近く,アブストラクトゲームで考えさせるものが多いように思います。

この「水晶迷宮」は,そうした「骨折ブランド」の特徴が良く出た作品と言えるでしょう。

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水晶迷宮のシステム
水晶庭園のプレイ
「水晶迷宮」は,世界を支える5つの柱を題材としたゲームです。

画像にあるように透明な柱(プラスチックケース)に,各色の水晶を投入していきます。水晶は各プレイヤーの色の魔力の結晶です。それぞれの柱の支配権は,ゲーム終了時にその柱にもっとも多くの力を持つ水晶を入れていたプレイヤーに渡ります。

また,次点のプレイヤーは,柱そのものは取り逃がしますが,柱を手に入れたプレイヤーの水晶を得ることができます。

言ってしまえばこれだけのことなのですが,柱に水晶を入れるシステムに捻りがあります。柱と柱の間に水晶を置いていき,これが飽和点を越えたときに,もっとも近い柱に吸収されるのです。そのため,思った柱に入れることができなかったり,競争の激しい柱と,無風状態の柱ができたりしてきます。

また,水晶には,大,中,小の3種類があったりして,透明な柱に入っているので,いつでも見えるはずの水晶も,きちんとカウンティングしていないと段段と状況が見えなくなってきてしまいます。

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水晶迷宮へのコメント

「水晶迷宮」は,ランダム要素の少ないシリアスなアブストラクトゲームです。正確なカウンティングができ,プレイヤー間のパワーバランスから先読みをしていける顔ぶれであれば,かなり深刻な煮詰まったプレイにもなりかねません。そこが難点と言えば言えますが,好み次第でしょう。

また,透明な柱を利用しており,ある程度の状況が掴めるため,カウンティングできないプレイヤーでも十分に遊べます。お気楽なプレイヤーがいれば,その人たちのプレイがランダムな要素になりますので,それほど深刻になるとばかりも言えないかも知れません。

なにより特徴的なのは,美麗なコンポーネントと,それが世界を支えている柱と,その支配を決める魔力の結晶であるというエキゾチックな設定です。この幻想的な要素に魅力を感じ,厳かにプレイすることができれば,十分,ゲームを楽しめることと思います。

関連ゲーム / 類似ゲーム

二人用のゲームですが,ドイツのBLATZ社の「ストーンヘンジ」が,ストーンヘンジに巨石を立てていくアブストラクトゲームで,類似を感じさせます。

あと柱に水晶を入れるという要素が,モアイに石を入れるゲーム,BLATZ社の「イースター島」を思わせるところもあります。

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