
イースター島
Die Oster Insel / Blatz
一言で言えば‥‥
イースター島のモアイ像が作られた過程を解き明かす???
重い石像を早く作るジレンマに満ちた不思議なスゴロク
こんなゲーマーにお薦めしたい
エキゾチックな雰囲気のあるファミリーゲームを好む方に
駆け引きに満ちたスゴロクを楽しみたい方に
プレイ人数 |
4人 |
プレイ時間 |
45−90分 |
ルール難度 |
ファミリーゲーム |
デザイナー |
アレックス ランドルフ |
入手状況 |
ドイツの最近のゲーム,訳付きで国内でも入手可 |
イースター島の設定
太平洋に浮かぶイースター島。そこに林立する謎のモアイ像。その意味するところはなんなのか。幾多の神秘的な仮説が立てられ今日に至るもいまだ結論は出ていない。
実は,このモアイ像は,その昔,村別対抗戦で「できるだけ重いモアイ象をできるだけ早く作る」べく争って作られたものなのだった。
ということで,奇妙なモチーフで,奇抜なファミリーゲームを作る
アレックス ランドルフ の一品です。
イースター島のシステム
「イースター島」は,基本的にはスゴロクです。ただし,単純にダイスを振って前へ進むというようなものではありません。このゲームのコマは,貯金箱のように中にものを投げ込んでいけるモアイ像です。そして,コマを動かすために使われるトークンとして本物の石を使います。
プレイヤーはカードで規定された数の石を毎回使用できるのですが,この時に使い方は2つあります。1つは,自分のモアイをゴールへ向けて進める使い方です。もう一つは自分のモアイを重くする(重いモアイほど立派なモアイ)ために自分のモアイ像に投げ込むという使い方です。
ここでミソなのは,自分のモアイを進めるときには,その石は他の誰かのモアイに投げ込まねばなりません。逆に自分のモアイに投げ込むときには,代償として他のモアイ1体を1マス進めなければなりません。
かくてゲームはジレンマに満ちたものとなり,自分のモアイを進めるときには比較的軽そうなモアイや,進みが遅くてゴールしそうにないモアイ(遅いモアイは重さを競う前に脱落してしまう)に石を入れることになります。逆に自分のモアイを重くするときには,進めてもライヴァルになりそうもない軽そうなモアイを進めようとします。
最終的には,上位2体のモアイで中の石を開けてみて,玉入れ競争のカウントよろしく石数を数えます。その結果,多いほうの勝ちです。ゲーム中は,石の数を確かめることはできませんが,他人のモアイを動かすときに持ってみることができ,重さの見当はつきます。しかし,石は自然石ですので,重さが不揃いなため,感触通りとは限らないのが面白いところです。
かくてジレンマに満ちた石像作りレースは,疑心暗鬼となんとかの皮算用で進んでいくのです。

イースター島の問題点

イースター島の最大の魅力は,貯金箱のような大きめのモアイ像です。左の写真がそれで,これがゴロゴロと進んでいくのはなかなか壮観です。
同時に,このゲームの問題点はこのコンポーネントにあります。コマが大きいため,箱も大きくなっており,かなりかさばります。空間事情の悪い日本ではこのゲームのボックスを見ると購入を躊躇う人は少なくないと思います。
もう一つ,自然石を使っているのも問題です。最初に箱を開けるとまずしなければならないことは,この自然石を洗うことです。かなり砂埃にまみれていますので,ザルに入れてしばらく水洗しておいてから天日でじっくりと乾燥してやった方がいいでしょう。
箱を開けたらすぐに遊びたいのが心情ですが,カードやボードまで埃まみれにするのはどうかと思いますので‥‥。
関連ゲーム / 類似ゲーム
アレックス ランドルフ は,奇妙なモチーフを取り上げてシンプルで不思議な味わいのファミリーゲームを作るデザイナーです。
SF,ファンタジー的なモチーフのものとしては,このゲームのほかにFX
Schmidtの「魔界のコックさん」があります。
奇妙なスゴロクという点では,SFゲームとは言えないかも知れませんが,BLATZの「イモムシイモムシ」があります。
また,彼のゲームで日本でもっとも有名そうなものは,ラベンスバーガーの「ハゲタカとネズミ」でしょう。ロングセラーであり,またシンプルで面白いカードゲームです。

