コンベア
コンベア / Fujikawa Game Club
ショートコメント
●西暦2366年、エイリアンの惑星振動砲で地表と地中をひっくり返されるようにして壊滅した地球
●そこで生き延びた一握りの人々はエイリアンの回収業者が地中から採掘するコンベアの物資を掠め取って生き延びていた
A.D. 2366, the earth is totally destroyed by planet vibrator tambling surface
and underground.
Survivors are stealing goods from Alien's conveyor which salvages goods
from underground.
published |
designed |
players |
time |
2003 |
富士川町町役場ゲーム部 |
3-6 |
20+ minutes |
ゲームマーケット2003で入手した小品
ここ数年、春には浅草のゲームマーケットに行くと言うのが定例になっています。
当初は押入れで死蔵されている中古ゲームを世にリサイクルし、ゲーマー同士の交流を図るという趣旨だったかと思うのですが、年々規模が拡大しています。
最近では創作ゲームを発表する場としての意義も強くなり、コミケのボードゲーム版といった趣もあります。
この「コンベア」は2003年のゲームマーケットで入手したもので、ビデオのケースサイズの中に夜店の玩具のようなフィギュアのコマと、色画用紙のカードが詰め込まれた小品です。
しかし、設定はしっかりとSFしており、列記としたSFゲームです。
西暦2366年に人類はエイリアンの惑星振動砲で、地表と地中が入れ替わるダメージを受けて壊滅しました。
生き残った一握りの人類は、地上に着陸して地中のサルベージを始めたエイリアンのコンテナからサルベージされた物品を掠め取ることで生き延びていました。
このゲームは、こうしたコンベアベルト上の生活と生存を賭けた戦いを描いています。
設定だけ聞いていると、草上仁さんの「チキンラン(短編集「プラスチックのしゃれこうべ」所載)」を彷彿とさせます。
ファイナル・コメント
背表紙からカードの情報が部分的にわかっているというのが良い味を出しています。
黄色はコンベアから落ちないために重要でローリスクです。
赤色はグッズを手に入れ最終的な勝利ポイントに繋がるわけですがハイリスクです。
自分がリスクを犯して点を取りに行くのか、それとも生き残ることを優先してローリスクのカードだけ追っていくのかは作戦の分かれ目です。
また、コンベアとして眠っているウィドウがコンベアが前進すると入れ替わるというのも効いています。
シンプルでプレイタイムも短いですが、やってみると気の利いた小品であることがわかります。どんどん進まないと後退してしまうと言うあたりはラベンスの子供向けゲーム「アップザリバー」を思い出します。
カードの背から部分的な情報が得られて、それが返って悩ましいと言うのは「スキャン」を思わせます。
関連ゲーム
●アップザリバー
●スキャン
ゲームシステムはシンプルです。
カードには2色があり、黄色のカードは12枚、赤のカードは6枚です。
さらに、中身が異なっていて、黄色のカードはコンベア上を前進することができるGOが8枚、手番が終わってしまうSTOPが4枚です。
赤色のカードは6枚で、コンベア上のグッズが手に入るGETが3枚と、STOPが3枚です。
これらのカードは両方とも一緒にシャッフルして山札になっています。山札では背表紙の色だけが見えています。
自分の手番が来たら、これを好きなだけめくることができます。STOPが出てしまうとバーストしてそれまでめくった分の効果も失ってしまいます。
バーストする前にやめると、そこまでに確保したGOの分だけ前進し、GETの分だけグッズを手に入れられます。
コンベア自体も山札から配られたカードで構成されていて、いちばん前のマスまで来たキャラがさらに前進するとその分だけコンベア全体が移動して、いちばん後ろのマスから奈落の底に落ちていきます。
最終的にゲームは20個のグッズビーズが全て取得された時点か、一人を除く全員が奈落に落ちたところで終了になります。生き残ったプレイヤーは3個のビーズを獲得し、最終的なビーズの多いものが勝者です。このほかにもちょっとしたルールがあってこれが良い効果を持っているのですが、全部書いてしまうと自作できてしまうのでここまでにしておきましょう。また、バリアントルールもあります。