スチームトンネル
Steam Tunnel / Cheapass Games
ショートコメント
●ポケットサイズの低価格ゲームシリーズ、ヒップポケットの一作
●木星の衛星イオの鉱物資源を採掘するトンネルの利権争い
One of the Pocket-sized low-price game series, Hip-Pockets.
Business struggle around the mining tunnels inside Io, small moon of Jupiter.
published designed players time
2003 James Ernest 2-5 1 hour
チーパスの原点コンセプト
 チーパスゲームズと言えば、ゴージャスコンポーネントのドイツゲームに対するアンチテーゼとして登場しました。ゲームってアイデアが勝負でコンポは二の次なんだからコンポに高いお金を払わされるのはおかしいと思わない?‥というコンセプトで低価格のアイデアゲームを出すメーカーとして出発しました。
 とは言え格闘カードゲーム「Brawl」のようにチーパスもカラーコンポのゲームを出すようになり、当初のコンセプトから少しズレてきていました。
 ところが此処へきて原点に帰ったシリーズ、ヒップポケットシリーズが登場してきました。ポケットに入るカードデックと折り畳み1枚のルールシートだけ、コマやチップは家にある他のゲームから流用してくれという徹底した低価格コンポです。
 一気に6作が出たヒップポケットシリーズですが、そのデザインはやはりチーパスのメインデザイナーであるアーネストです。
ファイナル・コメント

 全6作をプレイしたわけではありませんが、いままで見た範囲では「スチームトンネル」は、ヒップポケットの中でもベストのできばえではないかと思います。
 カードをめくることで局面がどんどん変化し、最後まで勝敗がわからないところが面白いです。それでいてランダムなだけではなく、カードをどういう順序で開いていくか、どこの回廊を買い付けていくかには作戦の余地が十分あるような気がします。

 ルールにはカードを開かずに埋めるルールがあり、その場合、そのカード上はトンネルはすべて直進扱いになります。このルールあるため、開いたトンネル任せにしないことができるので戦略的判断の余地が大きくなっています。
 ただし、埋めたカードは回廊数として得点計算に加わらず、また埋めたカードの直線みなし回廊を買い付けることもできません。
関連ゲーム
●2038
●ベルター
●アウトポスト
スチームトンネル
 「スチームトンネル」は、2185年の木星の衛星イオでのチタン採掘を題材としたゲームです。
 とは言っても一連のヒップポケットシリーズはどれも似たようなゲームシステムになっていて、どちらかというとゲームシステム先行です。題材のモチーフは後付という気もします。
 左の画像はプレイ途中のものですが、これを見るとなんとなくわかってしまうのではないかと思います。数字の書かれた鉱脈カードだけがオープンの状態から、神経衰弱のようにトンネルカードをめくって行きます。と同時にめくられたトンネルカードの回廊に対して自分のマーカーを置いて買い付けていきます。
 得点計算はゲーム終了時に、それぞれの連続したトンネルごとに行われます。得点は、そのトンネルを構成しているトンネルの回廊数×接続されている鉱脈の数字となり、そのトンネルの回廊をもっとも多く買い付けているプレイヤーに与えられます。
 実際にこのゲームをプレイすると、カードを開けることによって、トンネルの接続状態がどんどん変わり、思わぬところが繋がってトンネルの支配権が移ったりします。このため、プレイによる展開の流動性が大きく、それを睨んでどうカードをめくりどう買い付けて行くか戦略眼が問われます。