メイジナイトダンジョン
Mage Knight Dungeon / Wiz Kids

一言で言えば‥‥

メイジナイトのフィギュアシステムを使ったダンジョン探索ゲーム
安価で種類豊富なフィギュアを得てダンジョン探索の王道復古なる!?


Dungeon Searching Game which uses Mage-Knight Figures.
Golden Age of Dungeon Searching comes back again with variety of friendly-price figures.

プレイ人数 2〜4人
プレイ時間 2時間〜
ルール難度 ファミリーゲーム複雑かつガジェット多し
デザイナー Jordan Weisman
入手状況 published in 2002
メイジナイトダンジョンのフィギュア
メイジナイトのフィギュア

「メイジナイトダンジョン」は、コレクタブルミニチュアウォーゲームとして2001年からブレークしている「メイジナイト」の最新拡張キットです。ただし、これまでの「メイジナイト(以下,MK)」は、メジャーで測ってアナログに移動するテーブルトップ・ミニチュアウォーゲームでした。これに対して、「MKダンジョン」はスクエアで規定されたダンジョンタイル内を探検することが主題となっています。
これはゲームとしては、かなり決定的な違いです。アナログシステムのミニチュアウォーゲームは、内容的に万人向けとは言いがたく、特にファミリーゲーマーには入りにくい世界でした。それに対して、比較的ルールがキッチリしていて疑義の少ないスクエア式のダンジョンゲームとなると、一気に間口が広がったのではないかと思います。

ということで早速「MKダンジョン」のシステムを紹介しても良いのですが、本分科会では「メイジナイト」自体が未紹介なので、まずそのブレークスルーの原動力であるフィギュアの説明から始めましょう。
右の画像の左下は、ヒーローのホークロードです。右下はダンジョン内のお目当ての宝箱です。後ろの2体は徘徊するミノタウロスと、危険度トップクラスのフレームミニオンです。
メイジナイトのフィギュアの特徴はいくつもあるのですが、ゲームシステム的に特筆すべきはフィギュアの能力をすべて台座のダイヤルに刻み込んでしまったところです。左下のホークロードを見ると、台座の正面にL字型の窓が開いているのがわかるでしょうか? 台座は嵌め込み式になっていて、ベース内部を回転させることができます。これによってダメージによる能力の低下や、レベルアップによる能力の上昇を表せるようになっているのです。
また台座にアイコンがいろいろ描いてありますが、それぞれ移動力、攻撃力(攻撃の成功率に関わる)、ダメージ(攻撃が成功したときに入るダメージに関わる)、防御力、射程を表しています。これによりフィギュア自体によって、そのフィギュアの能力はすべて説明されています。ですから、別の冊子などをパラパラめくったりする必要はないのです。
数値だけで表せない特殊能力については、色分けで示されていて、窓から覗いている部分に種々の色がついていると、かなりの能力の持ち主であると類推されます。
詳しい説明は省きますが、宝箱も右側の突起物がハンドルになっていて、カチャカチャと窓から見えているパラメーターが変わるようになっています。


メイジナイトダンジョンのプレイ
システムと印象

メイジナイトダンジョンでは、ヒーローを持ってダンジョンに進入します。ダンジョン内には宝箱とワンダリングモンスターを現すトークンが散らばっています。
プレイヤーは互いに自分のヒーローを動かすと同時に、モンスターを他のヒーローに向けて嗾け合うことができます。こうしてダンジョン内でヒーローたちは互いの探索の速度と成果を争うのです。
フィギュアの移動力は、そのまま移動できるスクエア数になります。戦闘系のパラメーターは、メイジナイト本編とほぼ同様に扱われます。このため、基本的に他のメイジナイトのフィギュアもダンジョン探索に参加させることができます。ということは実は逆もできて、MKダンジョンのフィギュアもメイジナイトの戦場に送り出せます。
この点は「MKダンジョン」の魅力を高めるとともに、メイジナイトシリーズのフィギュアの販売促進にも役立つことでしょう。多様なモンスターが、すべて3Dのフィギュアで揃うのは堪りません。その魅惑に負けて買い集めれば、他のメイジナイトシリーズの売上も伸びることでしょう。
メイジナイトダンジョンのボックス
ゲームシステム的にはダンジョン探索ゲームとしてはオーソドックスな作りです。比較的手堅くて、斬新さという点では物足りません。しかし、それを補って余りあるのが多様なフィギュアが揃っていることでしょう。ヒーローだけでもかなりの種類がいるようで、戦士系、盗賊系、魔法使い系、非人類系などタイプもいろいろなものが揃っています。アドヴァンスドルールではヒーローチームを組めるので個性の異なるヒーローを組み合わせて遊ぶこともできます。そうすると正に「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のような正統派のダンジョン探索RPGを髣髴とさせるプレイとなります。

実のところ、相互競技プレイでは、ダンジョンの作成ルールやモンスターの嗾けあいのところで、少しゲームテクニカルなプレイが出ます。そういう意味では、ダンジョンマスターを設けてRPG的にプレイしてやっても良いのかも知れないと思います。

また前項で書かなかったMKフィギュアの特徴として、塗装済みであることが挙げられます。これについては賛否両論あるようですが、塗装する時間のない人には朗報でしょう。塗装の出来栄えについては、初期シリーズでは不評でしたが、シリーズが新しくなるごとに良くなってきています。また、軟質プラスチック製なので収納や搬送にあまり気を使わなくて良いのも大きな利点です。このため、これまでフィギュアに手を出せないでいた人には再考の機会となることでしょう。
そして、これがまた大きいのですが、一体あたりの価格が安いということがあります。不幸にしてタイミング悪く円安が進行中なのですが、それを考え合わせても従来のフィギュアの価格常識を覆すインパクトがあります。ただし、トレーディングカード同様、ランダムソーティングされて売っていますので、お目当てのものが手に入るとは限りません。

関連ゲーム


ダンジョン探索ゲームとしては、RPGの原点でもあるTSRの「ダンジョンズ&ドラゴンズ」が筆頭に上がるでしょう。ボードゲームとしては、GW社の「ダンジョンクエスト」が上がります。GW社の看板ゲーム「タリスマン」にもずばり「タリスマンダンジョン」という拡張キットがありました。SPIのゲームでは、SPIのファンタジー世界の一角に位置する「チタデルオブブラッド」と、その姉妹編とも言うべき
「デスメイズ」が浮かびます。ファミリーゲーム系では、ラベンスバーガーの「ラビリンス」などもあります。

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