チップチップ・フラー
Chip-Chip Hurra / KLEE
ショートコメント
●トイバーの子供向けゲーム、ロボットが題材の一見デジタルに見えて、思い切りアナログな不思議なゲーム
Teuber's children game, it first looks digital robot game, but in reality
very analog dexterity game.
published |
designed |
players |
time |
2001 |
Klaus Teuber |
2-4 |
30-45 minutes |
トイバーの子供向けゲーム
クラウス・トイバーと言えば、ランドルフ、クニッツアと並ぶドイツゲーム界の大御所です。
近年はなんと言っても「カタン」のデザイナーと言うべきでしょう。この他にも「貴族の務め」や「ドリュンタードリューバー」でもドイツゲーム大賞を受賞しており、押しも押されもせぬ大御所です。
「チップチップフーラ」は、そのトイバーが出した子供向けゲームです。ただ、「カタン」のような戦略的なゲームを期待していた人が多かったのか、あまり評価されずに見掛けなくなってしまいました。
しかし、子供向けゲームとしては、ゴージャスなギミックと、ちょっぴり作戦とスキルのいる楽しい内容になっています。
特にロボットという題材や、対決して勝負するところなど、男の子なら好きになりそうな内容です。
ファイナル・コメント
ロボットというギミック、ダイスを転がしていくというシステムからすると、デジタルな印象を受けますが、試して見ると意外なほどにアナログなゲームです。いわゆるデックス系(器用さ系)のゲームです。
ダイスはキッチリとマスごとに一面ずつ思った方向に転がるわけではなく、開けて見ると意外な目に化けていたりします。となると、大きい目が出たロボットは、なるべくならその位置のままで勝負に参加させたい。そのためには、自分の手番にチップをそのロボットの隣へ放り込もうとするわけです。しかし、そこはカタパルトですから練習しないと思ったようには狙えません。
かくて、一見デジタル風のこのゲームは、実は意外なほどにアナログなゲームだったりするのです。
とは言え、ロボットの強弱を見込んで、チップを狙う場所を決めたり、ロボット同士でブロックして行けない場所を作ったりするなど、ちょっとした作戦の余地もあります。子供向けゲームとしては、適度に考えさせ、適度に手先を使わせ、でも運の要素もあるという、とても良いゲームデザインだと思います。
まだ実際に子供と遊んでいないのですが、なかなかバランスの取れた作りではないかと思います。トイバーの諸作品の中でも、個人的には「カタンの開拓者」と「宇宙船カタン」と並ぶヒットなのではないかと思っています。ただし、対象層もゲームテイストも全然ちがいますが。
トイバーの意外な才能の広さを見た思いがします。
ゲームの目的は、自分の色のロボットにチップを装備して完成させることです。ロボットの背中には4箇所のスロットがあって、ここに1枚ずつチップを入れていくのです。
ボードは左の画像のように四角いマスで区切られていて、良く見るとわかるのですが敷居のところが高くなっていて引っ掛かるようになっています。
そして、各ロボットは空洞になっていて、内部にサイコロが入っています。ロボットが動くと、敷居に引っ掛かって内部でサイコロの目が変っていくようになっているのです。
ゲームは自分の手番が来ると、科学者先生のカタパルトで盤外からチップを投げ込むことで始まります。上手くボード上にチップが投げ込めると、手番プレイヤーから順に自分のロボットを1体ずつ動かしてチップの隣接マスまで寄せていきます。チップの四方のマスが全て埋まるか、それ以上のロボットが隣接できない状態になると、チップに隣接したロボットを一斉に開けます。ダイスの目と背中のチップの合計が一番大きいロボットの勝利で、そのロボットがチップを獲得して背中に装備することになります。