三畳紀
Trias / Gecko Games
ショートコメント
●2億5000万年前、超大陸パンゲアはプレートダイナミクスで次々に分裂していき、生物は新大陸での存亡の危機に瀕した
250million years ago, super-continent Pangaea started to break up into new continents and creatures are in danger of continuation.
published designed players time
2002 Rolf Lehmkuhl 3-5 60-90 minutes
大陸分離の激動期を生き延びる
 メーカーも違いデザイナーも違いますが、「ウルズッペ」、「ウルランド」の流れを汲む古代の生物史ものの第三作品です。
 今回は中生代の最初期、三畳紀を題材としています。前作「ウルランド」で両生類として陸上に上がったわけですが、今度は爬虫類として古代超大陸パンゲアの分離の時代を生き延びることを目指します。
 ゲームは南極を中心とする超大陸をタイルで形成して始まります。
 この超大陸の2箇所に自分の群れを配置しておき、自分の手番が来るたびに1枚のタイルを元の位置からより外縁へと配置し直して大陸分割を少しずつ進めていきます。
 これと同時に4アクションポイントを使って、大陸移動を加速したり、自分の群れを移動したり、繁殖させたりすることができます。
 タイルには3種類の地形があり、山地、荒地、草原となっています。移動させるタイルはカードで指定された地形となります。地形のもう一つの効果として、居住できる最大の群れの数がそれぞれ2、3、4となっています。
 草原は繁殖しやすい訳ですが、大勢が住んでいるとタイルの移動で水没させられる危険も高くなります。
 スタックオーバーや、水没した位置での溺死のチェックは、自分の手番の最後にだけ行われます。ですから、自分の手番のアクションで移動したり、陸地に泳ぎ着いたりすることで助けられるようになっています。
 ゲームの勝敗は勝利得点方式で争われますが、ほとんどの得点はゲーム終了時に入ります。
ファイナル・コメント
 「ウルランド」、「ウルズッペ」の流れを汲むという期待でプレイすると、かなりガッカリする人が多いのではないかと思います。お約束の強烈な特殊能力を持つ遺伝子カードがないためです。
 また、群れのコマがキューブなのも、超大陸と言うにはこじんまりしたタイルの大陸もジオラマ感に欠けていて前2作よりも見劣りします。プレイの画像では前作「ウルズッペ」のイクトコマを流用してきました。この方がずっと雰囲気が出ています。
 ただ、小箱の小品の独立したゲームとして考えれば、ゲーム内容自体は悪くないと思います。大陸移動というテーマは見事に再現されていますし、その中で群れをどう移していくかと言うのは極めて戦略眼を要求されるゲーマー向けのチャレンジになっています。
 その一方で、途中での戦況の見極めが難しいので、初心者には醍醐味が分かりにくいというところはあるかも知れません。
関連ゲーム
ウルランド
ウルズッペ
エヴォ
 具体的には、ゲームは大陸移動のタイルを指定するカードデックの終盤に仕込まれた隕石カードが引かれたところで終わります。
 最終的に分離した個々の大陸ごとに、その大陸でもっとも多くの群れを持つプレイヤーがその大陸のタイル数の得点を得ます。そして2位のプレイヤーが半分の得点を得ます。
 ただし、大きい大陸にはそれなりに多くの群れがいるでしょうから、そこを支配するには多くの群れが必要です。
 ですから、群れの数に対して効率よくポイントが取れることが重要で、ここらへんの見極めが難しいところです。
 特にゲームの序盤から中盤に掛けて、最終的な大陸の分離がどうなっていくのかは判断が難しいところです。毎ターンに動くタイルは1、2枚ずつで、少しずつしか局面は動きません。しかし、戦略的な目でアクションしていかないといつの間にか取り返しが付かなくなります。