スターウォーズ・エピック・デュエル
Star Wars Epic Duel / Milton Bradley
ショートコメント
●スターウォーズのメインキャラクターになって敵のメインキャラクターと対決だ!
●初心者でもプレイできるシンプルなゲームシステムで、個性溢れるスターウォーズキャラの夢の対決が実現できる
You can now become a Star Wars hero to fight against enemies.
This game is a very playable game even for beginners and can create dream match with variety of Star Wars characters.
published designed players time
2002 R. Daviau, Craig Van Ness 2-6 1-2 hours
スターウォーズ世界の夢の対決

 「スターウォーズ・エピック・デュエル」は、スターウォーズ世界の夢の対決を実現してくれる個人戦闘ゲームです。
 登場するキャラクターは、エピソード、4,5,6の世代から、ルーク・スカイウォーカー&レイア姫、ハン・ソロ&チューバッカ、ダースベイダー、パルパティーン皇帝、ボバ・フェット、エピソード1,2の世代から、アナキン・スカイウォーカー&パドメ、メイス・ウィンドゥ、ダースモール、ドゥーク伯爵、ジャンゴ・フェット、そして共通して登場するマスター・ヨーダ、オビワン・ケノビです。
 これらのキャラクターを使ってゲオノシスアリーナ、カミノプラットフォーム、カーボンフリージングチャンバー、エンペラーズスローンルームの4つの戦場で戦うことができます。
 ルールはシンプルで、ごく初心者向きです。
 登場するキャラクター全員のフィギュアが付いているところが「売り」でしょう。
ファイナル・コメント
 このゲームを評価するにあたっては、エピソード1のときに出た「クイーンズギャンビット」とどうしても比較してしまいます。「クイーンズギャンビット」は大仕掛けの本格派のゲームで、中級ゲーマーにも十分な手応えのある一作でした。
 それと比較すると「エピック・デュエル」は初心者をターゲットにした手軽に遊べるゲームという狙い目になっています。このため中級以上のゲーマーにとっては、いささか物足りない内容と言えるでしょう。もっとも映画とのタイアップゲームとしては、むしろ「クイーンズギャンビット」の方が難しすぎたと言うべきでしょう。
 映画とのタイアップで普段はゲームをしない人にプレイしてもらおうということで考えれば、「エピックデュエル」の難度は適当だと思います。ただし惜しい点が二つあります。一番目は、格闘戦系のキャラ(ライトセイバー系の使い手)同士だと、移動の妙味があまりなく殴り合いになってしまいます。射撃戦系と格闘戦系が混在していると面白く展開するのですが。
 上記の点と関連して、もっと準備されたシナリオがあって良いような気がします。地形のボードにしても移動の制約のパターンの違いだけではなく、シナリオごとに目的が違うようなものがあっても良いような気がします。折角、宇宙船があったり、チャンバーがあるのですからなにか特別な使い道があっても良い気がします。
 また、好きな組合せでバトルロイヤルができるよ‥というのはそれで良いのですが、具体的に楽しめる設定の事例がもっと示されている方が、特にターゲットが初心者であるなら親切だと思います。
 その意味ではベースがシンプルなので、特別ルールや自作シナリオを作って遊べば、このゲームの魅力はさらに増すことでしょう。ただ、それは初心者ターゲットのゲームとしてはユーザーサイドに委ねるのは少し不親切だということです。筋は悪くないゲームであるだけに、もうちょっと頑張ってデベロップして欲しかったなという気がします。

 ちなみにこのデザイナーコンビは、「リスク2210」や、「クイーンズギャンビット」もデザインしており、現在のハスブローの主力デザイナーです。 
関連ゲーム
●スターウォーズ・ジェダイ・アンリーシュド
スターウォーズ・クイーンズギャンビット
フリーダム インザ ギャラクシー
エスケープ・フロム・デススター
ホス強襲
●スター・ウォリアー
●バトル・フォー・エンドア
 ゲームでは、各プレイヤーはメインキャラクターを選びます。メインキャラクターには共に行動するサブキャラクターが規定されていて、二人ないし三人のチームとして行動することになります。プレイヤーはそのキャラクターのカードデックを受け取り、そこから4枚のカードを引いて準備完了です。
 プレイヤーの手番が来ると、先ずダイスを振って移動します。ダイスには、普通のダイスのような「3,4,5」の数字と、このゲームならではの「ALL2,ALL3,ALL4」という目があります。普通の目の場合には自分の担当するキャラの一体をその数だけ移動します。ALLなら全員をその数だけ移動できます。ゲームボードはスクエア式になっていて、タテヨコに移動していきます。味方キャラのマスは通過できます。
 移動を終了すると、2回のアクションができます。アクションは、カードを引く、カードを使う、回復をするの3つがあり、好きなものを好きなように組み合わせられます。
 攻撃や防御はカードを使うことで行うことができます。カードには攻撃や防御を行うキャラクターのイラストが付いていて、チームの中のいずれのキャラクターが使用できるかが決まっています。このカードに攻撃値、防御値が書いてあります。
 攻撃を受けたキャラクターはその時点で防御にカードを使うことができ、攻撃側の攻撃値から防御側の防御値を引いた結果がダメージとなります。
 この攻撃値や防御値の設定はキャラクターごとに個性付けされています。メインキャラクターはサブキャラクターより強く、サブキャラクターはやはり斬られ役というところでしょうか。
 さらにキャラクターごとのスペシャルカードがあり、これがキャラクターを強烈に個性付けています。
 たとえばアナキンは、非常に攻撃的で、ライトセイバーしか使えませんから隣接しての白兵戦しかできないのですが、敵の隣に一気に忍び寄る能力を持っています。
 逆に飛び道具系の典型なのがジャンゴ・フェットで、ロケットパックを背負っていて攻撃しては跳んで逃げるヒットアンドアウェイを得意にしています。
 ドゥーク伯爵は部下を指図して使うのが上手ですし、ヨーダはデフェンスが硬く返し技に長けています。ウィンドゥ・メイスは、攻撃値防御値が手札枚数になるスペシャルカードを持っているので手札を貯めて力を貯えてから戦います。
 ダースモールは手練れでアクションにカウントされない攻撃カードを持っているため、ここぞという場面では一気に畳み込んできます。この辺はクァイゴンを倒した場面を彷彿とさせます。オビワンも優れた使い手で、一度使用したカードをディスカードパイルから引いてきて再利用できます。
 シンプルなゲームシステムに、個性を描く特殊カードを盛り付けるというのは近年のゲームデザインの流れを汲んでいて、良くできています。