
エスケープ フロム ザ デススター
Escape from the Death Star / Westend Games
一言で言えば‥‥
帝国の悪の要塞デススターから脱出せよ!
ルーク,ハン,レイア,チュービー,だれも逃げ遅れたりするな!
こんなゲーマーにお薦めしたい
スターウォーズを愛する方に
多人数ソロプレイゲームの状況を楽しめる方に
プレイ人数 |
1−4人 協力型ゲーム |
プレイ時間 |
45分〜120分 |
ルール難度 |
初級ウォーゲーム,ただし独創的 |
デザイナー |
ステファン ハンド |
入手状況 |
海外中古ショップでもレア |
エスケープフロムザデススターの状況
スターウォーズ第1作の半ば,帝国の巨大要塞デススターに宇宙船ごと捕らえられてしまった主人公たちの脱出を描くゲームです。
ルーク,ハン,レイア,チューバッカの4人(?)は,捕らえられた収容ブロックから脱出してハンの宇宙船ファルコン号のあるメインフォワードベイまで脱出しなければなりません。
しかも,その途上でファルコン号をデススターへと捕縛したトラクタービームを解除して行かねば,折角たどりついてもファルコン号は発進できません。
一方,ジェダイ騎士の残されたものオビワンは,主人公らと別行動を取り,敵の総帥ダースベイダーと雌雄を決しようとしています。
主人公たちは果たして首尾よく脱出して史実(映画)の通りに,デススターへの捲土重来を帰すことができるでしょうか?
それとも,育ち始めたばかりの新たな希望(ニューホープ)は,あえなくここで摘み取られてしまうのでしょうか?
たった4人の脱出行ですが,これは銀河の未来を賭けたドラマであることをスターウォーズファンなら熟知しています。

エスケープフロムザデススターのシステム
このゲームでは,プレイヤーたちは脱出する主人公たちの一人一人を演じます。プレイの目的は,全員そろって(プレイヤーが管理しないオビワンを除く)デススターから脱出することです。
もし一人でも途中で敵の銃火に倒れたり,あるいは敵の総帥ダースベイダーに捕縛されてしまったりしたら,全員が敗北します。つまり,これは競技ゲームではなく,協力ゲームなのです。
そのため,このゲームではプレイはもっぱらカードを引き,そこで発生するイベントに対処し,制約された移動の範囲でなんとか脱出路を切り開くことで進められます。
左はカードの例です。いちばん上のものは,代表的なもので船内の守備隊の詰所に遭遇してしまったことを表しています。この時にプレイヤーは,知覚能力の判定を実施します。これに成功すれば,うっかり詰所にまともに踏みこんだりせずに済みます。けれども,失敗すると追っ手を掛けられ,敵の総帥ダースベイダーの注意も惹いてしまいます。
カードは,プレイヤーのキャラクターのいる場所によって種類が異なっています。これらは背表紙で色分けされています。中段のものは,セキュリティ関係の場所で引く赤色のカードです。
いちばん下のカードは,このゲームでのキーポイントとなるトラクタービームの制御室のカードです。この場所へ侵入することでファルコン号を捕らえているトラクタービームを解除することができます。
カードの右下には,その場所から移動する際に取ることのできる移動方向と距離が指定されています。この指示に従ってデススターの中を右往左往しながら主人公たちはファルコン号へ向けて進んでいきます。
デススターからの脱出確率は?
わたし自身さほどプレイしたわけではありませんが,ルールブックの記載や世評などを見ると,デススターからの脱出はそれほど難しくないようです。
オビワンの助けや,フォースの加護,C3POとR2D2の情報を要領よく使いこなすことができれば,かなりの確率で脱出できるそうです。
このため,ゲームでは上級ルールとして,難易度を上げるためのいくつかのルール変更が用意されています。これらを使うことにより,プレイヤーはより難易度の高い,まさに伸るか反るかの脱出行を体験することができるようになっています。
もっとも,まだまだ初心者のわたし個人の経験としては,基本ルールのままでも頓珍漢なことをやっていると討ち死にしてしまうのでいまのところは自分にとっては不要かなと思っていますが‥‥。
エスケープフロムザデススターの難点
このゲームは,ルールもシンプルで,プレイ時間も手頃で,適度にドラマチックで良いゲームです。
ただし,カードで処理される敵を相手にするというのが味気ないと思う人には,どうにも我慢がならないのは止むを得ません。
一応は多人数でプレイしますが,本質的には一人遊びの一人の仕事を4人で分担しているだけです。ですから,知的な駆け引きをするライヴァルを求めてゲームをする人はプレイ対象から外してしまった方が良いでしょう。
いま一つの問題点として,出てくる敵がストームトルーパーという雑魚敵ばかりで,敵の総帥ダースベイダーとなると今度は強すぎてオビワンの助けを呼ぶしかないということがあります。敵のバリエーションなどに欠けるため,プレイの賑やかさにやや欠ける印象があるのです。
ですから,スターウォーズの映画のシーンが脳裏に浮かび感情移入できるような人は問題ないのですが,ともすれば平板な印象を受けかねません。そういう意味では,プレイヤーを選ぶゲームであるかと思います。
関連ゲーム / 類似ゲーム
ウェストエンド社のスターウォーズゲームは,他に「スターウォリアー」,「ホス強襲」, 「エンドアの戦い」が出ています。また,同社は,「スターウォーズRPG」も出しています。
また,版権の都合でスターウォーズそのもののゲームにはならなかったようですが,SPI/AHの「フリーダムインザギャラクシー」は帝国の圧制に対して立ちあがる銀河革命を個人の活躍から銀河規模の部隊戦闘まで描いた傑作SFゲームです。

