タイムパイレーツ
Time Pirates / PIATONIK/Rio Grande Games
ショートコメント
●タイムマシンのある未来、過去の骨董品を求めて時代を渡り歩いて掘出物を探すタイムパイレーツたち
●アラン・ムーンのファミリーゲームテイストの佳作、他のパイレーツやパトロールの動向を良く見て考えろ
In the future with time-machine, time-pirates are seeking antiques among
the past-era.
Excellent family type game by Alan Moon, think carefully watching other
pirates and time-patrol.
published |
designed |
players |
time |
2000 |
Alan Moon, Aaron Weissblum |
3-6 |
1-2 hours |
パトロールの目を潜り掘出物をサルベージ
「タイムパイレーツ」は、過去の時代から掘出物をサルベージしてくる時間海賊のゲームです。
タイムパトロールの目を盗んで過去の時代から時代へと渡り歩き、そこで手に入れられる手掛かりからその時代の掘出物を入手していきます。
ゲームはタイムパトロールの活動が一区切りするごとに、手持ちの掘出物のポイントを計算してスコアリングします。そして、最後の3回目のゲーム終了時点では、通常の得点に加えて全ての種類の掘出物を持っていることによるボーナス、ある種類の掘出物をいちばん多く押さえていることによるボーナスが加えられて最終得点が高いプレイヤーが勝利します。
実際のゲームシステムは、各時代にランダムに置かれたタイルを時代を移動しながら取っていくことで進められます。
ファイナル・コメント
このゲームをプレイすると、アラン・ムーンのゲームで非常に良く似たテイストのゲームがいくつか思い出されます。
「エアラインズ」は航空会社の株券を公開していき、その空路の発展で価値が上がっていきました。
「サンタフェ」は都市カードを公開しながら線路を引いていき、その都市に何社の鉄道が繋がるかで価値が上がっていきました。
いずれもゲームの途中で自分が狙っているものを公開しながらその価値を高めていき、途中の節目で決算しながら累計を争っていきました。
このゲームもその仲間に入れて良いでしょう。
インパクトという点では初めて出会った「エアラインズ」の印象が個人的には強いのですが、この「タイムパイレーツ」もかなり良い線を行っていると思います。モチーフのテイストもゲームに織り込まれています。ゲーム大賞を獲得した「エルフェンランド」よりむしろベターだと思うのですがいかがでしょうか?
このタイルは、掘出物の種類(色)ごとに分かれていて、それぞれの種類の掘出物を入手するために使います。また、白のタイルはジョーカーで好きな色の代わりを果たすことができます。同時に掘出物の方にも白い掘出物があり、これは割高ですが最後のボーナスを決定する際に、やはりジョーカーとして好きな色として扱うことができます。
各時代に置かれたタイルをプレイヤーが取っていくとマスが空いてしまいます。プレイヤーは自分の手番の開始時にいる時代に空きマスがあると予備のタイルの入った袋から補充してくることができます。このときに予備タイルの中に混ざっているタイムパトロールタイルが引かれると、そのタイルの指示する進路に従ってタイムパトロールが時代を巡回してきます。巡回されてしまうと、タイムパイレーツは手持ちのタイルを手放して違う時代に逃げなければなりません。
タイルの中には単に掘出物を手に入れるために使うだけでなく、好きな時代に逐電するために使えたり、他のプレイヤーが持っているタイルと交換することができるものがあります。これによって、状況に応じてちょっとした手妻が使えるようになっています。
このゲームでは手番が来るとできることはどのプレイヤーも同じで、サイコロで移動力が大きく変わったりはしません。ですから、状況を見極めて効率よくタイルを集めて上手くボーナスが取れるように掘出物を手に入れていく必要があります。
タイムパトロールの巡回はランダム要素で、できれば会いたくない訳ですが、その巡回コースは決まっていて全くランダムな訳ではありません。
そのため、袋から補充されるタイルというランダムな要素は含んでいるものの、プレイヤーの状況判断力や作戦がかなり物を言うゲームだと言えます。そして、小利を積み重ねてじわじわリードを広げていくタイプのプレイヤーが優位に立つでしょう。最後はジョーカーをどの種類の掘出物に使うかという最終ボーナスの決定に掛かってきます。