BSMパンドラ号の航海
The voyage of BSM Pandora / SPI / Ares #6
ショートコメント
●パンドラ号の遭難の続編、パンドラ号がどのように航海して異星生物を集めていたかが今回のテーマ
●パラグラフ式という新システムの草分け的存在、システマティックなデザインは草分けとしては洗練されている
Sequal game of "Wreck of the B.S.M. Pandora". This time it focuses how it can collect aliens.
Pioneer game adopting new paragraph system, it was systematically designed and very refined instead it was a pioneer.
published designed players time
1981 J.Butterfield, E.J.Woods 1 1-4 hours
生物探査船パンドラ号の航海

 「BSMパンドラ号の航海」は、SPIの伝説的SF/Fゲーム雑誌Aresの付録ゲームの一つです。
 「BSMパンドラ号の遭難」の姉妹作となっていますが、船内戦闘ゲームだった遭難とは一転してパラグラフ方式という新システムを採用した探検ゲームになっていました。
 その後のゲームブックの隆盛や、幾多の後続のパラグラフゲームの登場もあって、今となってはパラグラフ方式というのはゲームシステムの一つとして認知されていますが、当時はRPGもそうでしたが、このパラグラフシステムも全く新しい試みでした。
 SPIのこの試みは、「ステンレススチールラットの帰還」、「ダモクレスミッション」を経て、VGのWW2戦闘級パラグラフゲームシリーズ「アンブッシュ」へと至ります。
 「BSMパンドラ号の航海」は、このシステムの原点に位置する記念碑的な作品で、後年のもっと完成された作品を見てしまっている人には物足りなく思われるかも知れません。けれども、最初にこのゲームでパラグラフによって未知のイベントが眼前に展開してくるという衝撃を味わった人には忘れえぬ作品でしょう。
ファイナル・コメント

 冒頭にも書きましたが、パラグラフゲームの走りであり、後年のもっと完成された後継者と比較してしまうとハーフマップの小品ということもあり小粒なのは否めません。
 けれども、これが出発点であり、初めてこれをプレイしたときにワクワクしながら探検表を振ったプレイヤーが当時いたことは間違いありません。そして、このゲームが成功したからこそ後継者たちも生まれたのだと思います。
 そういう意味でSFゲームに限らずゲーム史において、一つのマイルストーン的な作品ではないかと思います。
 パラグラフ数は232しかありませんし、イベントのストーリー性も深くはありません。けれども、新しいゲームシステムの持つ可能性は十分に感じられました。姉妹作である「パンドラ号の遭難」よりずっと面白いでしょう。
関連ゲーム

BSMパンドラ号の遭難
●ステンレススチールラットの帰還
ダモクレスミッション
●テイルズオブアラビアンナイト
スタートレックアドベンチャー
●バーバリアンプリンス
●スタースマッグラー
●アンブッシュ
ゲームシステムの概要
 「BSMパンドラ号の航海」のシステムは、後のゲームブックなどがストーリー性を重視した深い分岐と重要な選択肢を中心にしているのと比較すると少し雰囲気が違っています。
 ゲームには多くのパラメーターが与えられていて、その組み合わせによって特殊なイベントがときにトリガーされ、それによって探検がなされていくようになっています。
 ですから探検の範囲が広く、その中にトリガーがわからないように散りばめられていて、それぞれのイベントのストーリーはそれほど深くはありません。
 具体的なシステムとしては、ミッションに出ることを決めると開始イベントを読み、航海期間とメンバーと装備を決定します。そして星図を見て最初に訪問する恒星系を決めるのです。
 実際の地表に降りると、マップ上に幾種類も描かれたエリアマップのいずれかの指定された降下ヘクスへと到着します。そこを基点に徒歩や探検車で地表上を探検していくのです。
 ヘクスごとに移動したり、さらに詳細に探検するために必要な時間が決まっており、これによって時間を消費しながら探検ルートを決めて行きます。探検を行うと探検表を振り、そこに示されたパラグラフをチェックします。
 このパラグラフにはトリガーとなる要素が書かれており、たとえば「崖か地割れを通過していたならパラグラフ###へ、重力が強く気候が熱帯ならパラグラフ###へ」という具合にパラメーターや探検ルートの状態の組み合わせによって特殊なイベントが発生してくるかどうかが指示されています。
 起こってくるイベントの多くは、生物探査船という表題から分かるとおり異星生物との接触であったり、異星文化の発見であったりします。ときには襲われることもありますし、交流が可能なこともあるようです。
 探検をしていくと時間経過によって物資を消耗しますので、適当なタイミングを見計らってシャトルに戻り、さらにパンドラ号へと戻らなければなりません。
 一つの星系を探検し終えたなら、期間が許せばさらに別な星系へと向かうこともできます。任務期間の終了時までに無事に帰還することができたなら、探検中に遭遇したり捕獲した成果によって勝利得点が与えられます。
 一人用のパラグラフゲームですから、勝敗を争うというよりは、どんな未知のイベントと新たに出会えたかを楽しむゲームです。
#6 生物探査船パンドラ号の航海
 「BSMパンドラ号の航海」のシステムは、後のゲームブックなどがストーリー性を重視した深い分岐と重要な選択肢を中心にしているのと比較すると少し雰囲気が違っています。
 ゲームには多くのパラメーターが与えられていて、その組み合わせによって特殊なイベントがときにトリガーされ、それによって探検がなされていくようになっています。
 ですから探検の範囲が広く、その中にトリガーがわからないように散りばめられていて、それぞれのイベントのストーリーはそれほど深くはありません。
 具体的なシステムとしては、ミッションに出ることを決めると開始イベントを読み、航海期間とメンバーと装備を決定します。そして星図を見て最初に訪問する恒星系を決めるのです。
 右の画像の左下に移っているのが星図ですが、ハーフマップの小品のそのまた一角に数列描かれているだけです。けれども、ここを航海するのに探検隊は何ヶ月も掛かるのです。
 目的の恒星系に辿り着くと惑星概要調査表を振ってそこにある惑星の状態を軌道上からチェックすることになります。これによって惑星の重力、大気、水圏、火山活動などが分かってきます。
 惑星上に降下するのであればパンドラ号からシャトルを下ろすことになります。惑星の条件によって降下班を編成し、装備を決定します。
 重力が大きいほど輸送できる装備は少なくなり、隊員の消耗も激しくなります。大気状態によっては気密作業服が必要だったり、さらに強靭なアーマードスーツが必要だったりします。
 これらのパラメーターは上の画像に記録され、必要に応じて参照します。