BQSF_GAME
タリスマン第2版
タイムスケープとドラゴン


一言で言えば‥‥

本体が発売されたとき、みな「ただのファンタジースゴロク」だと思った‥‥
ここへ来て、「これは稀代のファンタジースゴロク」だと結論することになった

When original set was published, gamers considered it just one of fantasy games.
However, when these set were published, gamers had to concluded this is quite a fantasy game.

タリスマン・タイムスケープ
TALISMAN TIMESCAPE  / GW
プレイ人数 3−5人
プレイ時間 2時間〜
ルール難度 ファミリーゲーム、ただし英語力要
デザイナー Frank Bourque
入手状況 困難

ゲームズワークショップ他作品乗り入れ

「タリスマン」第2版の6番目に当たるのが、この「タリスマン・タイムスケープ」です。
実は既にファンタジーゲームの域を越えてしまいました。「タリスマン」の世界を越えてパラレルワールドがワープゲートを通じて繋がりあって混線してしまっているのです。
そのため設定はSF色が強くなり、出てくるキャラクターもSF的な面々ばかりとなりました。しかも、どこかで見かけたような顔ぶれがいるのが困ったものです。
画像の左側の手前は、Warhammer40,000の主役であるスペースマリーンです。右側の手前は、Chainsaw Warriorの主人公チェインソーウォリアーです。つまり、GW社の他のゲームの主人公たちが、パラレルワールドから乗り入れてきたのです。
奥の方に見えるキャラクターは、左からサイボーグ、サイエンティスト、そしてスペースパイレーツです。いやはや凄い顔ぶれで、ファンタジーという枠を完全に越えてしまいました。
顔ぶれもさることながら、ボードも相当なものです。なにせ混線したパラレルワールドを舞台にしているので、ボード上は乱雑に矢印が交錯するマスからなっていて、どの矢印を進むかは自分でコントロールできずダイス任せとなっています。このためタイムスケープのボードから本体ボードに移るタイミングさえコントロールできません。
全般にタイムスケープのキャラクターも、そこで起こるイベントも強力なので、上手くファンタジー世界に上陸できれば有力な存在ではあります。
率直に言って悪ノリに近い代物なのですが、毒をもって毒を制す点が一つあります。それはアドベンチャーのマルチエンディングで評判の悪かったヴォイドの行き先が、このタイムスケープにできたのです。これによりヴォイドに呑まれたキャラクターは、タイムスケープのボードに辿り付き、再び多元宇宙の迷宮を故郷を求めて流浪する機会が与えられることになりました。

タリスマン・ドラゴン
TALISMAN DRAGON / GW
プレイ人数 3−5人
プレイ時間 2時間〜
ルール難度 ファミリーゲーム、ただし英語力要
デザイナー Evan Friedman, Paul Morrow
入手状況 非常に困難

ドラゴン、ドラゴン、ドラゴン‥

「タリスマン・ドラゴン」は、「タリスマン第2版」の最後のアイテムとして登場しました。販売期間はごく短く、すぐに第3版が登場してしまったため、いちばんのレアアイテムになってしまいました。
率直に言って、前作「タイムスケープ」で既に行き着くところまで行ってしまっただけに、「もうなにもやり残したことはないのでは?」と思われました。そして、意外とも言えるオーソドックスなサブタイトル「ドラゴン」に正直に言うと戸惑った記憶があります。内容を見ても新しいボードはなく、新キャラはわずかに4名と、どちらかと言えば貧弱な印象を免れませんでした。
そんな訳で失望したのですが、意外なことにプレイに使用してみると悪くなく、我が家ではデフォルト使用キットの一つになってしまいました。その理由は、どちらかと言えば第2版は、プレイバランスが後続の3版よりキツ目で収束性が悪かったのを、この「ドラゴン」が改善してくれるからです。
「ドラゴン」ではその名の通り、ドラゴンと、ドラゴンに縁のあるキャラクター、ドラゴン関係のアイテムやイベントが追加されました。ドラゴンはファンタジーの中でも強力な存在なので、かえってバランスを悪くしそうに思えます。ところが、ドラゴンに縁のあるキャラクターはなんらかの形でドラゴンから恩恵を被ることができるので、ドラゴンが増えるのは歓迎なのです。また、ドラゴン関連のアイテムが増え、ドラゴン退治の道具も手に入りやすくなりました。このため、強力なドラゴンを比較的容易に倒せるようになり、結果としてキャラの成長が容易になったのです。
ゲームバランスという意味では良い方向に進んだと思うのですが、少々、ファンタジー的には違和感もあります。強力で容易に近づけぬ存在であって欲しいドラゴンがめっきりインフレしてしまい相対的に弱くもなってしまったので、その存在の神秘性が奪われた感じは否めないからです。

タリスマン世界はまだまだ広い

「タリスマン第2版」は、「タリスマン エクスパンションとアドヴェンチャー」から「タリスマン ダンジョンとシティ」を経て、ついにこの
「タリスマン タイムスケープとドラゴン」に完結しました。公式のボックスセットとしては、これで全てです。
しかし、実は他にもまだまだいろいろなものがあり、GW社のサポート誌である「ホワイトドワーフ」に掲載されてボックスキット未収録のものがいくつかあります。また、サードパーティーや、同人アイテムにも事欠きません。

こうした多用な幅広い拡張アイテムが登場したことは、「タリスマン」のシンプルで、それ故に柔軟なゲーム構造と、「なんでもあり」のコンセプトの魅力の成せるわざでしょう。一応、一連の紹介記事は今回で終了の予定ですが、もしまた機会があったら公式ボックスキット以外のものも紹介したいものです。

それでは皆さん、統治の王冠を求める旅路でまたお逢いしましょう。

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