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タリスマン第2版
エクスパンションとアドベンチャー


一言で言えば‥‥

本体が発売されたとき、みな「ただのファンタジースゴロク」だと思った‥‥

まだこの辺では、「ちょっとしたファンタジースゴロク」くらいに思っていた‥‥

こんなゲーマーにお薦めしたい

溺れるほどのガジェットの洪水に陶酔することのできるガジェットゲーマーな貴方に!

本体だけでは、すぐに遊び尽くしてしまったというパワフルな冒険者たちに

タリスマンエクスパンション
TALISMAN EXPANSION  / GW
プレイ人数 3−5人
プレイ時間 2時間〜
ルール難度 ファミリーゲーム、ただし英語力要
デザイナー Robert Harris
入手状況 非常に困難

さらに広がるタリスマンの世界
拡張セットのカード

GW社のゲームと言うと、しばしば拡張キットが登場してきます。この「タリスマン第2版」は、その代表例と言って良いほど豊富な拡張キットを生み出しました。

その最初のものが「タリスマンエクスパンション」です。このエクスパンションは、「タリスマン第2版」本体への追加カード、追加キャラクターのセットで、単純に本体を拡張したものです。

「タリスマン第2版」では、ゲームはサイコロを振ってその数だけ移動し、そのマスの指示に従うことで進行します。多くの場合、その指示はアドベンチャーカードの山から数枚を引き、それを解決することになります。最初の画像はエクスパンションのアドベンチャーカードの各種です。

アドベンチャーカードには、処理する優先順位により番号が付いています。カードの上部中央の1〜6の数字がそれで、若い方から解決しなければなりません。1が付いているカードは、このターンに発生した特別なイベントを意味します。これは他のものに先駆けて解決され、しばしばその冒険者だけでなく全員に影響します。このカードは地震です。

2と3は冒険者を攻撃してくるモンスターです。2は物理的な攻撃をしてくるもので、3は魔力や霊力で攻撃してくるものです。これらは敵なのですが、その一方で倒すことで経験が得られ冒険者の能力をレベルアップしてくれます。ですから、手頃な相手であれば、むしろ望ましいとも言えます。もっとも中には厄介きわまりないものもいて、そうしたモンスターが住み着いてしまったマスは、冒険者に敬遠されることになります。

4はストレンジャーたちです。彼らはタリスマン世界の住人であり、冒険者との関わり方は様々です。冒険を共にするほどではなくとも親切な人々もいます。その一方で愛想のないものもいます。ここで取り上げたのは旅人に謎々を仕掛けてくるスフィンクスです。

5は、冒険者たちに役立つものや、冒険者と行動を共にする仲間などです。ここで取り上げたのはチャンピオンという心強い相棒です。場合によっては腕っ節は冒険者本人より強いでしょう。

6は、上述の様々なカードを無事に処理し終えた後に、その場所を落ち着いて探すことで見つかるものになります。このため、解決順序が最後なのです。シークレットドアが見つかったりすることもあります。ここでは金色の像が見つかります。

タリスマン拡張のキャラ

「タリスマンエクスパンション」で拡張されたのは前述のようなアドベンチャーカードだけではありません。もちろん冒険者の顔ぶれも増強されました。その数はなんと14名です。

その半分を画像で紹介しました。いちばん左はアマゾンです。この女戦士は、健脚とスタミナで知られており、この二つはタリスマン世界を冒険するのにもっとも必要な要素に違いありません。
次のバーバリアンは、腕力には自信があります。口より先に手が出るタイプである彼は、他の冒険者を容赦なく攻撃することで悪名を馳せてもいます。
グラジエーターは拳闘を生業としている強者です。彼は防具の扱いに長けているのと、共に冒険する仲間に格闘技を指南して強くすることができるという少し変わった能力を持っています。
その次はなんと商人です。およそ冒険者らしくない職業で、腕っ節も魔力も頼りないものがあります。しかし、商人らしく取引に長けていて、金銭を使うことを知っているモンスターに対しては金でことを片付けてしまうことができます。また、他の冒険者と同じマスにやってくると、口先三寸、上手いこと取引をしてモノを巻き上げてしまいます。一つのものを渡す代わりに、相手の持ち物から好きなモノを一つ持っていってしまうのです。
哲学者もまた意外な冒険者です。思慮深い彼は、いつでもアドベンチャーカードの山の一番上を見ることができ、少し先を読んで行動します。また、ちょっとした魔法の手妻を使えるのですが、呪文を使える絶対数は多くないものの呪文の種類の選択肢が広く、随時適切な呪文を選べる可能性が高いのです。
ネクロマンサーもまた統治の王冠を狙う魔法使いの一人です。彼は魔力はそれほど強くはないのですが、他の冒険者の英気を吸い取ったり、幽霊を手下にしたりと、イヤらしい手妻を弄して来ます。
タリスマンの冒険者にデミヒューマンが含まれているのは本体の時も紹介しましたが、このエクスパンションでも新たにサチュロスが加わっています。笛の音で人々を惑わすいたずらものは他の冒険者にとって悩ましい存在でしょう。

タリスマン・アドヴェンチャー
TALISMAN ADVENTURE / GW
プレイ人数 3−5人
プレイ時間 2時間〜
ルール難度 ファミリーゲーム、ただし英語力要
デザイナー エドワード・キャンベル、チャールス・ジョンソン、
アラン・メレット、アリ・モリソン
入手状況 非常に困難

タリスマンの冒険は尽きない
タリスマンアドベンチャーのエンディング
タリスマン第2版の拡張キット第2弾は、「タリスマンアドベンチャー」です。

この拡張キットでも新たなアドベンチャーカード、スペルカード、キャラクターが追加されました。

しかし、この「タリスマンアドベンチャー」で強烈だったのは、なによりマルチエンディングでした。

これまでタリスマンのボードの中央には、いつも伝説の「統治の王冠」があり、この力を使って他の冒険者と最後の決戦をすることになっていました。

ところが、この「タリスマンアドベンチャー」では、ボード中央に6枚のエンディングカードの1枚をランダムに置きます。

右の画像がそのエンディングです。左上のものが伝説の「統治の王冠」で、これが引かれればいつもと同じ結末が待っています。
その次はパンドラの箱です。この箱は到着した冒険者に次々と不思議な小道具を与えてくれます。冒険者はこの小道具を使って他の冒険者と雌雄を決することになります。
その次のものはハーキュリーズのベルトです。いわば「シンドバットの冒険」のマジックベルトです。これも冒険者に新たな力を与えてくれます。これによって冒険者は決戦を迎えます。
こうした冒険者にとって有用な魔法のアイテムがあれば良いのですが、辿り着いてみると伝説のアイテムなど既になく魔物が巣くっていることもあります。左下はドラゴンキング、その隣はデーモンロードです。ドラゴンキングの対応はドラゴンのご機嫌次第です。魔王がいたならば、これを倒すことによって真の冒険者であることを証明できます。
最後のものは虚無です。これが開かれると、その冒険者は深淵に呑まれてしまいゲームから脱落してしまいます。そして、残りのエンディングカードの1枚が引き直され、残りの冒険者はこれを目指してゲームを続けます。
タリスマンアドベンチャーのキャラ
タリスマン第2版では、既に本体で14人、エクスパンションで14人の冒険者が登場しています。

この「アドベンチャー」ではさすがに少しネタに困ってきたのかなという感じもあります。

左の二人は、ウォーハンマーでもお馴染みのケイオスウォリアーとオークです。ケイオスウォリアーは混沌からの支援を受けており、オークはゴブリンやホフゴブリン、ウルフなどを同盟者として利用できます。
右側の二人は、侍と忍者です。オリエンタルテイストは欧米ではファンタジーの範疇のようですが、日本人には彼らがドワーフやトロールと一緒に扱われるのは少し違和感があります。特に侍の能力が、弓矢と空手というのは、間違いとは断言できませんが、いささかピンボケではないかという気がします。忍者については、連れを持つことができない代わりに、アドベンチャーカードの解決を避けて隠れることができるというものになっていて、これは結構、納得できます。忍者の方が侍より正しい姿で理解されているのでしょうか?

タリスマン第2版の拡張の仕方

タリスマン第2版は、かくして次々に拡張されて行きました。ただ、そのキットの内容やデザインクレジットを見ると、その拡張は最初からの企画ではなく、行き当たりばったりに近い感じを受けます。デザイナーもばらばらですし、イラストも統一されていません。

とは言え、そんなバラバラな拡張企画を受け入れてゲームが成立したのは、本体のデザインがシンプルで良くできていたからでしょう。シンプルなものは、後からの追加でも矛盾などを生じにくく、柔軟でいじりやすいということでしょう。

拡張キットごとの出来映えを問われるならば、個人的な意見としては「タリスマンエクスパンション」は本体と連続したオーソドックスな出来映えと言って良いのではないかと思います。
これに対して「タリスマンアドベンチャー」は、ちょっとやりすぎではないかという気がします。特に、苦労してボード中央に辿り着いたときに「虚無」に落ちてしまったときには、茫然自失してしまった思い出があります。追加キャラも少し苦しんでいる様子が窺えるように思います。

「タリスマン第2版」の拡張キットは、さらに続々と登場しました。次は、
タリスマン第2版・ダンジョンとシティです。
その次はタリスマン第2版タイムスケープとドラゴンになります。

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