■オフミ回想録

■中山馬主席観戦(A積み上がる≪クズの山≫) 2013/12/21(土曜)

●いよいよ受付へ
 ゲートから入って建物正面に位置付けられていながら、 普段はその存在すら気付かなかった『馬主来賓受付』の入口から 建物内へ足を踏み入れる我々。 品の良い受付嬢を相手に受付を行う。身分証明書を提示して、受付を行うのんくん。 私も必要かな?と財布をもそもそ取り出そうとすると、「お一人の方で良いですよ」と、 ニッコリほほ笑むお姉さん。 受付を済ませたところで、お姉さんから思わぬ情報が。 「お昼休みにオーナー様対象で 『ウィナーズサークルへご案内するツアー』 がございますので、宜しければご参加下さい」とのこと。 こんな機会、逃す手はないだろうと、のんくんともども、既に参加意欲満々であった。

●雰囲気に飲まれる
 馬主席は4Fだということで、受付の右奥にあるエレベーターへ。 3機あるなかで一番奥が到着。ドアが開くと、 何とそこにはエレベーターガールのお姉さんが。 至れり尽くせりのJRA。乗り込んだ直後、のんくんが無言で私に、エレガを指さす。 のんくんもこのVIP待遇に興奮しているようだ。
 4Fに到着。指定席同様、右手に紫外線に反応するスタンプを押され、いざフロア内部へ。 広々としたフロアに自動券売機がズラリ。まだ人はまばら。静寂とすら言える。 既にテンション上がるのんくんに対して、その雰囲気に少し飲まれる私。 「さあいよいよやるよー」と気合入るのんくんに対して、 「ちょっとこの雰囲気に飲まれてます」と正直に告白する私。 「何言ってんだ」と笑い飛ばすのんくん。 この時点でこの日の命運は決まっていたのかもしれない・・・。

●思っていたのと違う
 いよいよ座席へ向かう。馬主席というイメージからはよくテレビで見るような、 個室とか、豪華な印象があったが、どうもそういった雰囲気ではない。 A指定席と同じようなスタンドの光景。座席番号『11のい』を探すと、 まさにA指定席と同じようなスタンド席。 指定席に入った方はご存知と思うが、2列でズラリと並んだ席の一つであった。 どうやら我々がTVで見るような個室などは更に上、5F席。 エレベーターの案内板にあった『馬主席・来賓席』なのだろう。 4Fスタンド席を横に上下に分け、下がA指定席、上が馬主席という形。 これは少しばかり拍子抜けだった。 ただ、その上下を明確に区切るように行き来が出来ないように仕切りがあることで、 『選ばれし者』のレベルが違うことを感じることが出来た。

●激励
 実はこの日の朝、ある方からメールをもらっていた。 関西の御大・岩ちゃんだ。 「馬主席での大名競馬、有馬の資金ゲットを祈ります」とのありがたい激励。 同じようにのんくんにもメールが。このあたりの気配りが嬉しいところ。 気を引き締め、いよいよ戦いが始まるのであった。

●まさかの事態
 さあいよいよ1Rから、と行きたいところであるが、 何と東名高速の事故渋滞により、馬運車の到着が遅れているため、 中山のスタートが1時間遅れになる模様。 まさに出鼻を挫かれた形だ。 これは1時間このまま待ちかなと思った瞬間、 何とのんくんは阪神1Rの馬券を既に握りしめていたのだ。 おかしいな。確か前日のメールで「会ってすぐの的中報告はしないように」と、 念を押されていたはずなのに。まさかの抜け駆け。 まあいい。のんくんの好調ぶりが本日も持続しているのか、 ここで占うことにしよう。

●安ワイド
 のんくんの開幕戦となる阪神1R。レースは人気2頭での決着。 のんくんの狙いもその2頭の3連単。しかし惜しくも3着が抜け。 4着に押さえていた人気薄が入っていただけに、悔しいニアピンでのデビュー。 すると、「安いワイドが当たった」。 下手な抜けよりたちの悪い安いワイドでの片目開き。 4点押さえて160円。 どうやら今日の戦略は3連単とワイドのダブル狙い。 3連単でこぼれてもワイドで少なからず拾う戦法。 この後もこの戦略がじわじわと効果を発揮してくることとなる。

●安ワイド再び
 阪神2Rから私も始動。 ここは展開と時計から◎ボールドジャパンで勝負。 するとボールドジャパンが見事に抜け出して快勝。 しかし2着に人気薄コスモフラッグの粘り込みを食らって外れ。 3連複で4万、3連単で23万。獲れない馬券ではなかっただけに少し悔やまれるところ。 一方、そんなこのレースでも、のんくんは1.ファイネストからのワイドが再び引っ掛かる。 しかも配当が14.9倍と思った以上についたことで喜ぶのんくん。 果たしてそれでいいのか、のんくん!、と思いつつも、一応、連勝をここに見届けた。

●安ワイドみたび(三度)?
 ここでようやく中山がスタート1Rは2歳未勝利戦。馬主席からターフビジョンも一望できるが、 席にも小さなモニターが完備され、チャンネルを押すと中山・阪神のパドックやレース、オッズ情報を 見ることが出来る。この1Rはモニターでパドックを確認。 馬っぷりの良い◎マダムアグライアで勝負。 レースは積極的に◎がハナを主張。しかしペースが速かったか差し馬の餌食に。 一番人気のマリーズケイがあっさりと勝利。 すると再びのんくんが安ワイドを引っ掛ける。ガッチガチの4.1倍。 調子が良いのか悪いのか、もはや麻痺しかける3連勝であった。

●積み上がる≪クズの山≫
 中山2Rは人気薄ジャックポットの激走にドボン。 どうも流れがよくない。 ここでいったん間を開けることに。するとのんくん、「何を弱気を」と一喝。 のんくんは中山・阪神全レースにトライするつもりだ。 1レース20点前後に押さえての24レース。今日の軍資金は5万。 そして目指すは大勝ちでの『カニ』だ。 「10万以上の大勝ちでカニを食う」、 黒ちゃんが提唱したこの目標が、 特に気に入っているのんくんは、本気モードだ。 その証拠に、事前に東京近郊のカニ料理店をネットでリサーチし、 印刷して持ってきていたのだ。この計画性と行動力には脱帽だ。
 そんなのんくんは阪神4Rも購入済み。ざっと馬柱を見渡し、 「こんなの、11でしょう。相手も5と14かな」と気楽に応じてみる。 さすがに言うだけではなんだ。ということで3連単と馬連を少しだけ私も購入。 結局、レースは4.オペレーションの差し切り。全くいいところなしの我が馬券に対して、 ここものんくんは3着に入った6.フェイトカラーからの 5.8倍安ワイド的中。 午前中だけで早くもこれで4レース目の的中。 感心とも唖然とも違う、どこか呆れるようなこの何とも言えない状況に、 「ワイド舐めちゃいかんよ」「塵も積もればというじゃないか」というのんくんに、 「クズ山を積み上げても・・」と負け惜しみを放ってみたりした。

●本当の意味での『片目開き』
 3Rをパスして挑む中山4Rは待望の2歳新馬戦。久々の新馬戦だ。 するとのんくんから「パドックを見に行こう」ということで、 4Fバルコニーへと向かう。 上から見下ろす≪下界≫。土曜なのに既にパドックは人で埋まっている。 密集する民衆を高みの見物するこの優越感。たまらない。 ダ千二の短距離決戦。12頭と手頃な頭数で内枠にスピードありそうな馬が揃った印象。 このあたりから狙うのが常套と見たが、敢えて外枠の重厚感あるソアリングホークから狙ってみることに。 のんくんは順当に一番人気のシャラクから狙う。
 レースはそのシャラクがマイペースで逃げる展開。そのままあっさりの逃げ切りを決める。 2着、3着と人気勢が収まり順当な結果。 ここでのんくんがついに 3連単的中66.2倍をゲット!。 ワイドのトリガミが長く続いたが、ようやく高配当的中。 「着実にステップアップしてるでしょ」と自慢げに語るのんくん。 腹立たしくも言い返せない。 本当の意味での『片目』がここで開いた。

●いよいよツアー開始
 ここでお昼休憩の時間。しかし我々にはあのミッションがある。 そう、『ウィナーズサークル観戦ツアー』だ。 12:20の集合時刻に合わせて受付に降りていくも、少し時間が早かったか、まだ誰もいない。 そこで、中山5Rのパドックを少し見に行くことに。 人だかりの隙間を縫ってパドックを見る。2歳新馬の芝マイル戦。 普通であれば燃える展開であるが、ツアーに気が向いているため、ここは見送り予定。 それでもパドックを見ながらのんくん、「どれが良く見える?」に、 かなり適当に「16番がいいかな」と。 ハーツクライ産駒のミルノワールは、青鹿毛でころんとして、如何にも私の好み。 一言で言えば、カワイイ。 ほんの数分間見たところで集合時間。再び受付に戻った。 集合場所には我々のほかに2組の姿が。いずれも若いカップルだ。 中年オヤジ2人組の異質感ハンパ無し。 しばらくして、このツアーをガイドするお兄さんが登場。 参加者の名前を確認した後、今回のツアー概要について説明。 はじめにウイナーズサークル手前の特別観覧席で5Rを観戦。 そのまま5Rの優勝馬によるウイナーズサークルの様子を見た後、 今度はそのウィナーズサークルへと入ると言う。 更に今回は特別な計らいで、検量室前にも行けると言う。 これは貴重だ。 早速、ガイドのお兄さんに連れられ、受付を出たのであった。

@≪ ≫Bへ続く