■オフミ回想録

■福島オフミ(D史上最大の≪祭り≫開幕!)  2012/07/08(日曜)

●昨日とは違う≪本気モード≫
 昨日の雨は残らず、曇天のなか、 11時ちょいすぎに競馬場の門をくぐったごとっぴさんと私は、 今日は手荷物を持ったまま、既に我が居場所となった≪選ばれし者の集う場≫ ラウンジ席へと向かった。 部屋に入ると、3×3のテーブル席を見渡し、最後列の真ん中、 モニターが最も見やすい最良の席にみんなの姿を発見。 すえちゃん、岩ちゃんは勿論のこと、 なんとのんくんも既に席にどかと腰を下ろしていた。 朝の挨拶を交わし、聞いてみると、昨日の宣言通り、 朝一から参戦しているとのこと。 しかも御大二人に負けず、3場全レースに挑戦中とのことだった。 更に、昨日発生したトラブルも、既にディーラーだか保険だか、 必要な手続きを全て済ませての参戦。 オールクリアな状態で100%競馬モード。リベンジを果たすべく気合十分だ。
 一方、何故か我々に背を向ける形で下を向いているすえちゃん。 なんと、テーブルを使わず、後ろの通路に新聞をでかでかと広げ、 更には昨日は無かったノートPCまで持ち込み、 背中から勝負師のオーラを発しながら熟考中。共有スペース独占。他の観客大迷惑(笑)。 明らかに昨日とモードが違うようだ。
 そんな地元勢の≪本気≫に圧倒されるなか、岩ちゃんが「ちょっと見てみー」と、 手元の専門誌を我々の前に差し出した。そこには、誌面上部の余白に赤ペンで、 『打倒しょざわ君 超えろ65000円!!!』 の文字が。どこまでこのオヤジたちは熱いんだ。 これは負けてられないと、気合を入れ直した。

●目を覚ました≪万馬券ハンター≫
 気合満点の皆さんに、早速ここまでの成果を確認。すると、満を持していたかのように、 のんくん「2万馬券獲ったよ」と報告。 函館3Rでの3連単:26,280.-だ。 「今日は違うよ。ちょっとこれ見てよ」、と我々に見せたのはミネラルウォーターのペットボトル、 「何てったって今日はビール飲んでないからねー」。 これぞのんくん、これが≪万馬券ハンター≫の底力だ。 笑顔の裏に隠された勝負師の牙が垣間見えた瞬間。 しかし、今日のハンターの≪狩り≫はこれだけにとどまらなかった・・・。

●教訓活かせず
 本日の始動は福島4Rから。3歳未勝利(ダ1150)だ。昨日もこの条件はトライし、 脚抜きの良い馬場で逃げ有利の展開は学習済み。 ここは近2戦逃げて3着のドリームオーシャンで◎決定。 ○には久々も前走芝2着のキャニオンキラー。 ▲には1年ぶりながらパドックでは一番好みだったドリームジェダイを指名し、レースに挑む。 すると、積極的に◎行くも最内ショウナンワヒネにハナを奪われ、あっさり失速。 好位追走の▲ドリームジェダイが抜け出して快勝。 人気一息(6番人気)だっただけに、ちょっとひよってしまった自身の姿勢に失望。 前途多難な一日になる・・・いやーな船出となった。

●早くも2発目!
 福島はここで昼休みであるが、3場全レース挑戦中のオヤジ連に休む暇などない。 ここで函館5Rがスタート。傷心の私は勿論、見送りというより見守り。 レースはプリュムローズが抜け出し、4-5-2で決着。 すると再び、のんくんが的中!。人気そこそこの組合せで、 「万馬券行ってるかなー」と気楽に話していたのだが、 いざふたを開けたらまたもや2万馬券!。 午前中で2万×2発。完全に覚醒したのんくん、 「本気出せばこんなもんよ」。 ニヤけ顔が一段と腹立たしく感じた(笑)。

●大先輩が買い出し
 福島5Rは待ちに待った2歳新馬戦。 関東ローカルで午後一からのテレビ放送がなくなったため、 めっきり新馬戦をパドック見て買うことがなくなっていただけに、密かに楽しみにしていた。 早速パドックをチェック。馬体からは○ロードクレセントに▲タイセイポラリスが抜けた存在。 ただ、福島の小回りに適性があるかはまた難しいところ。 疑う価値ありとみて、多少、前が勝ったミッキールドラに◎を。 重馬場だけにパワー型もプラスと見た。
 そんな馬券売り場のモニターでチェックしていた私に、 誰かが横から体当たり。 なんだ?と思ったら、岩ちゃん、「おい、メシ、買いに行くぞ」。 このおっさん、若いなー(笑)。 「いや、パドック見てますから」、新馬戦で気合満点、メシなんぞ食ってられるか!の心境。 すると後ろにいたのんくんが、「メシ、おごってあげるよ」とのこと。 なんと岩ちゃんとのんくんの二人で買い出しに行こうとしていたのだ。 今考えれば、それをブッチした私は何という失礼なことをしていたのかと、 またもやこの回想を書きながら、恥ずかしい思いをしているのだが、 その時はもう、頭の中は新馬戦一色。「マジですか!」と、 一応、お礼の一言はつけたと思うのだが、心ここにあらずで見送っていた。
 レースがスタート。早くも内々の好位3番手につけた◎に、○▲も好位置をキープ。 いい感じだ。4コーナー、後続が押し寄せ、一団となって直線へ。 突き抜けるイメージしかなかった◎ミッキーペトラはまさかの失速。 ▲タイセイポラリスが抜け出し、2着には○ロードクレセントが。 ここまでは順当な決着。3着には人気薄のナンヨーノキョーが入り、3連単4万馬券。 この馬は買えなかっただけに、ますます嫌な予感が膨らんでいった。

●パドック見参?
 席に戻ると、テーブルの上には≪かつ丼≫が。 のんくん、ごちそうさまです!。 何とも調子が上がらないため、福島6Rをパスして、ありがたくかつ丼をいただくことに。 おごってもらうメシはやっぱりうめーなー。これで流れが変わってくれるといいのだが。
 すると、のんくんと一緒に買い出しに出ていた岩ちゃん、 「さっき福島のパドック見てきましたわ」 「これで中京は当たりまっせ」。 昼休みで馬も何もいないパドックへ突撃。どこまで俺をおちょくる気なんだ(笑)。 しかしこれがとんでもない伏線となってしまうのだった・・・。
 お腹も満たされ、気合入れ直しと気分転換に、函館7Rを買ってみることに。 ここにはちょっとお気にのマデイラがいたため、迷わず◎。後は時計と展開と新聞の印を見ながら、 適当に買い目をチョイス。更に福島7Rもパドックと時計・展開から◎エステージャで勝負。 いよいよアクセル全開といったところか。

●あー、届かず
 まずは函館7Rがスタート。期待の◎マデイラはスタート直後から後方に。厳しい展開だ。 レースは逃げたメジロツボネがあっさり逃げ切り。好位サウスビクトルが2着。 人気のタツストロングは3着に終わった。 するとここで岩ちゃんが的中。 人気勢の組合せではあるが、1番人気が3着だけに、 「万馬券行きますかねー」と少し期待。 いつの時代になっても、≪万馬券≫というのは一つの区切り。 越えるか越えないかで気持ちがやっぱり違う。 注目のなか、配当がモニターに表示される。3連単4-7-16:9,700.-。 惜しい!。「ちょい届かなかったかー」「惜しかったですねー」 と、笑いというか喜びというかを抑えるのに必死であった。

●ついにきた!
 続いての中京7R。今度はすえちゃんに勝利の女神が微笑む。 スタートで後手を踏んだ人気のソードブレイカーが、4角大外から豪快に追い込みを掛けるも、 一足早く抜け出した5枠2頭、ドリームプログラムとショウナンバッカスが1着2着。 これをついに的中!。 3連単21,330.-、2万馬券だ。 ついに覚醒したみちのくの御大。それでもまだまだこの配当では納得いかない。 ここは歓喜というより安堵という表現のほうが的確なのかもしれない。

●まさかの抜け?
 続けざまに福島7Rがまもなく発走。函館・中京は席に座ってモニター観戦であるが、 福島のレースは、ラウンジ席に隣接するスタンドに出て生観戦がスタイルで、 ここも皆立ちあがってスタンドに向かう。 しかし、すえちゃんだけは座ったままで新聞とにらめっこ。 「(スタンドに)行かないんですか?」というとすえちゃん、 「ここは内枠と外枠、(1枠)と ピンク(8枠)だよ」と一言。 「じゃあ見ときますよ」とスタンドに向かった。
 レースは1枠1番カディーシャが逃げる展開。 これを10.アマランドと8枠15番バトルキトリが追いかける。 てっきり逃げると思っていた◎エステージャは好位追走。 4コーナー、カディーシャとバトルキトリが先頭番手。これに外からエステージャが上がってくる。 「これは来るか?」と思ったのもつかの間、直線、全く伸びきれない。 カディーシャとバトルキトリが逃げ込みを図るなか、 馬群を割って追い込んできたのが1枠2番インスペード。 最後にバトルキトリが交わして先頭でゴール。 何とピンク−白−白の組合せ。 「うわっ、きたよ。まじ!?」と思わず叫んだ。
 直線VTRで着順を確認後、部屋に戻るや、すえちゃんに「どうでしたか?」と声を掛ける。 するとすえちゃんから、 これまたまさかの発言が、、、「ない!」「買い目にない!」。 2-15-16のマルチがあって1-2-16のマルチがあって1-15-16のマルチがあって、 何故か1-2-15のマルチがない。白とピンクで決まったやん。何でないんやーー。 モニターに映された配当は3連単14万馬券。 天国から地獄へ。頭を抱えるすえちゃんであった。

●飛び出した衝撃の大万馬券!
 コンスタントに的中の声が聞こえ始め、徐々に高額配当への匂いが漂い始めたなか、ついにその時は訪れる。 迎えたのは中京8R。 古馬500万下のダート6ハロン戦だ。勿論、挑戦するのはオヤジ3名。 ごとっぴさんと私は特別戦に向けての予想をしながら、心半ばでレースを見ていた。
 序盤はハイペース。直線で先行勢が失速するなか、好位の外から豪快に差し脚を伸ばしたのが、 人気薄のトーホウジャパン。 するとすえちゃんがモニターに向かって 「いけー!」と絶叫。 あのすえちゃんがここまで興奮している。ただごとではないことが起きていると私も身を乗り出す。 「15、来い!」。 すると更に外から白い帽子が飛んできた。1.フォルテリコルドだ。 「1は来るなー」、今度は悲痛な叫びが部屋の中にこだまする。 トーホウジャパン、フォルテリコルドの順でゴール。 3着争いは最後の最後になんか黄色が突っ込んできたような。 「あー、1が抜けたーー」、 10-15の2頭軸マルチで勝負していた、すえちゃんの嘆きが響いた。
 そんななか、「何が来た?」と岩ちゃんがポツリ。 15と1と、最後はなんだ?。 リプレイを見ると、どうやら1番人気の10.ジャマイカジョーだ。 すると、「獲ってるよ」とまたもやポツリとつぶやき、 我々の眼前に1枚の馬券が差し出された。 近寄ってみんなで見る。 そこには、1-10の2頭軸マルチ馬券が。15もある。 「えーー!」、全員驚きのリアクション。 新聞を見ると、15も1も無印。 前走14番人気12着のトーホウジャパンと前走15番人気7着のフォルテリコルドのワン・ツー。 なんでこんなのが買えるんだ?。 「これはつくぞーー」、歓声を上げる我々。 一方、その横で悔しがるすえちゃん。両御大に残酷なまでに突きつけられた明と暗の現実。 モニター画面に配当が映し出された。 3連単 15-1-10:345,400.-。34万馬券大炸裂だーー!。 これが岩ちゃんの底力、これぞ関西が誇る御大の破壊力。 これほどの配当を見せつけられては、もう何も言えますまい。 素直にみんな、驚きと尊敬の念で祝福した。
 すると岩ちゃんから思わぬ一言が。 「やっぱ福島のパドックを見ると、中京当たるわー」。 馬のいない昼休みの福島のパドックを見に行って中京を当てた笑撃。 こ・の・オ・ヤ・ジ・ゆ・る・さ・ん・(爆)。
 これは記念に写メをと、早速撮ろうとするも、どうも上手くいかないようで、 すると、すえちゃんが代わりに撮ってあげた。 「あとで画像を送りますから」。 恐らく誰よりも悔しい思いをしているであろうすえちゃんが、 率先して動いてくれるこの優しさと懐の深さ。 「すえちゃんにもいい思いをしてもらいたいな」と心のなかで思った。
 そんな我々の歓声に、ラウンジ席の他の客は完全に飲みこまれていた。 ここまででもコンスタントに的中を見せつけてきてのこの超高額配当。 周囲が心なしか小声で話すようになったと思うのは、気のせいではないと思う。



●倍増計画大ピンチ!
 周囲を完全に飲みこみつつ、いよいよ戦いも佳境、特別戦に入っていく。 午前中に2万馬券を2本当て、我々に昼飯をごちそうしてくれたのんくん。 実はその後、6〜9Rを一気にまとめ買い。 密かにこれまでの勝ち分を全てぶち込み、高みの見物で更なる倍増計画を企てていたのだが、 ここまではことごとく裏目に出て壊滅。 左うちわで余裕の観戦も、いよいよ残弾が尽きはじめ、少なからず焦りを感じ始めていた。

●昨日の再現か!?
 34万馬券の余韻が部屋中を包み込むなかでの中京9R。 古馬500万下の芝マイル戦だ。多頭数の一戦。波乱の匂いが漂う。 いやがうえにも土曜の歓喜が蘇る。全てがシンクロするこのレースをやらないわけがない。 早速、予想。狙ってみたのはゴールドベル。 未勝利勝ちの昇級初戦。 見たことも無い馬ではあるが、今の勢いと平坦のマイル戦なら戦えると判断。◎だ。 ○▲にはマイネルゴラッソにホッコーガンバの降級勢。 更に一発ありそうな3歳・ショウナンラムジに★を叩き込んだ。
 そしてゲートが開く。スタート直後から先行争いが激化。ペースが速くなる。 中団よりやや後方の外めに位置したゴールドベルを、ここで初めてみたのだが、 黒光りする馬体でなかなかいい馬。期待が高まる。 淀みないペースで3コーナーから4コーナーへ。 昨日から外が伸びる馬場であることを確認済みのなか、 外め、持ったままでゴールドベルが徐々に前との差を詰める。 あまりのその手応えの良さに、この時点で『絶対勝つ』と確信。 「11、来るよ、来るよ」と早くも声が漏れる。
 そして迎えた直線、案の定、外から一気に◎ゴールドベルが突き抜ける勢い。 一緒に▲ホッコーガンバが追い上げる。 更に後方待機、★ショウナンラムジがこれを捕えて2番手に。 「来たーー!、よし!、そのまま!、そのままだ!」、 昨日の再現そのままに大絶叫!。思わず身を乗り出して叫ぶ。 ゴールドベルもショウナンラムジも人気一息。これは来た、これは付く、確信。 「あとちょっと、あとちょっと・・・」。
 残り1ハロン、すると突然、黒い帽子が馬群を割って突っ込んできた。 「なんだアイツ!。あ、来るな、来るな、お前は来るな」、絶叫が悲鳴に切り替わる。 「来るな、来るな、来るな、来るな、あーーぁぁ〜〜〜〜」。 ゴール寸前、黒い帽子のクローチェが、ホッコーガンバを交わして3着に滑り込んだ。 思わず力が抜けて椅子に崩れ落ちる。 その拍子に後頭部が後ろにいた誰かにぶち当たったようだが、 振り返る気力すら起きず、そのまま椅子に沈んだ。 ここは荒れるとみて、◎○▲★のBOXと◎○、◎▲ダブル2頭軸のいつもの3連複と、 ◎1着固定の○▲★の3連単勝負に出ていた私、◎★△では3連複も拾えず。 あー、しばし放心状態に。3連複150倍、3連単は実に12万馬券。 「終わりました....私の戦いは終わりました....」、 逃した魚、でかすぎだった。

●待望の初的中!
 そうは言ってもレースは続く。続いては福島9R。 ここは徹底してパワー型にこだわってランブイエに◎。 頭一つ抜けた存在のブリッジクライムを○に勝負だ。
 レースは3コーナーから徐々に仕掛けた◎ランブイエが、4コーナーを廻って先頭へ。 これは完全にもらったモード。当然、絶叫。 しかしその絶叫の残響がまだ残るなか、更に外から後方待機のブリッジグライム、 更にはトーセンインディがあっさり交わしていく。 結局この2頭でゴールイン。3着には内で粘ったマイネジャンヌが入った。
 ここでついにごとっぴさん待望の初的中!。 ブリッジクライム1頭軸での3連複5頭流し。 3連複で17.1倍だ。メンバーがメンバーだけに、多少控えめながら、 それでも本人の喜びようは、隠しようのない笑顔が語っていた。
 3連単で高配当連発のこの濃いメンバーのなかで、 枠連を主体とする予想で普段、戦っているごとっぴさんにとって、 ここは決して戦いやすい場所ではなかっただろう。 それでも、初対面のみんなに積極的に話しかけ、この場を楽しんでいたし、 普段はそうそう買わない3連複や3連単に積極的にチャレンジしてもいた。 高額配当を獲ることが目的ではない。勝つことが目的だ。 そして、他人に惑わされることなく、己のスタイルをどれだけ信じられるか。 その答えが毎レース出されるシビアな舞台だからこそ、己が試される。 敢えて3連複・3連単で勝負したのは、ごとっぴさんらしい意地とプライド。 壁が高ければ高いほど燃える性分。 このオフミは良くも悪しくも、この上ない刺激になったと思う。

●もう勢いは止められない!
 もはやラウンジ席の主役となった我々の集団、その勢いはまだまだ続く。 函館10R、ここは人気を二分したミッションモードを競り落としたユウキソルジャーが先頭でゴールイン。 2着にマッキーバッハ、3着にクリノメダリストが入り、3連単109倍。 これをのんくん、岩ちゃんダブル的中!。 決して買い目がバカ多いわけではない。岩ちゃんでマルチ主体の30点そこそこ、 のんくんに至っては、1着◎(1)-2着○▲(2)-3着○▲△(5)の 10点フォーメーション。 そんな目で万馬券を獲り、100倍そこそこでは物足りなさすら感じてしまう、 まさに無双状態に突入していた。
 続く中京10Rでも、岩ちゃんが 3連単をたった2点で的中。 馬券を見せつけ、「金額見てみー」。おおっ!、500円買い。 3連単29.8倍で払戻は14900円也。 何をやっても良い方向に転がるまさに確変モードの岩ちゃんであった。

●絶叫対決、再び
 福島10Rは彦星賞。古馬1000万下のダ千七戦だ。ここはズバリ3強ムード。 降級で前走3着のヒラボクマジックに、素質高い3歳勢、イジゲンにキングブレイクが抜けた存在だ。 どの馬を軸に選ぶのかがポイントか。ここは意見が二分した。 私はパドックを見てとにかく抜群だったキングブレイクに自信の◎。のんくんもこれに同意だ。 一方、同じ3歳のイジゲンに◎を叩き込んだのが、すえちゃんだ。 これは、、、この感じは、、、。 そう、忘れもしない12年前。初めての福島オフミのなか、迎えた日曜メインレース。 直線で粘り込む我が◎への粘れ絶叫に対して、外から飛んできた◎へのすえちゃんのあの絶叫。 後世に語り継がれるあの絶叫対決。 必ずやリベンジをと誓った当時の悔しさが蘇る。12年の時を越え、今ここに思いを果たす。
 このレースはWIN5対象Rの2レース目。 実はWIN5にも並々ならぬ力を入れていたのが すえちゃん。 ノートPCにWIN5購入専用アプリも組み込み、購入していたのだ。 各レース2頭を選んでの32点買い(だと思う)。 1レース目だったさきほどの函館10Rを無事突破し、このレースを迎えていた。
 すえちゃんとのんくん、岩ちゃんが並んでスタンド最上段に立ち、 その下の段に私とごとっぴさんが入り、発走を待つ。 ゲート入りが完了し、スタート。伏兵勢が先行争いを展開するなか、◎キングブレイクは内々の好位追走。 イジゲンは後方外を追走。更にその後ろにヒラボクマジックが末脚を溜める。 動きがあったのは3コーナーすぎから。外から一気にイジゲンが捲りをかける。 4角で少し膨れ気味に直線を向く。
 かなりの脚を使ったイジゲンに対して、内で脚を溜めていたキングブレイク。 イジゲンが一気に抜け出そうとするところに、キングブレイクは少し前が壁で内からの追い出しが一瞬遅れる。 それでも必死にイジゲンを追う。「いけー、差せー」と絶叫開始。 すると呼応するように後方から「いけー」の絶叫。 すえちゃんだ!。 待ってたよこの時を。絶対対決〜第二章〜の開幕。 粘り込むイジゲンに内から猛追するキングブレイク。人気馬同士の叩き合い。 配当がどうこうは関係ない。1着でも2着でも当たるとか、そういう問題ではない。 これは男と男の意地の戦い。絶対に負けられない戦いなのだ。 12年越しの思いを込めて、絶叫するが、、、届かず、キングブレイクは2着。 勝ったのはすえちゃんのイジゲンだった。 3着にも人気ヒラボクマジックが突っ込み、配当は3連単16倍。
 結局、このレースを仕留めたのは、すえちゃんと私の二人。 しかしそこには、配当を越えた充実感があった。 必ずまた来るよ。そして今度こそ勝ってやる。気持ちを新たに誓うのだった。

●心ひとつに
 するとここで携帯にメールが。みてみるとチャーさんではないか。 そこには『トップカミング、タッチミーノット』の文字が。 何、参加してんねん(笑)。 実は少し前、岩ちゃんがあの34万馬券を仕留めた少し後、その興奮を抑えることが出来ず、 何かとんでもないことが起こったことを匂わせるようなメールを、 黒ちゃんとSkyさんに送っていたのだが、 どうせ日曜は○チスロか何かで遊んでいるだろうチャーさんには送っていなかった。 そのチャーさんからまさかのメール。しかも七夕賞予想。 みんなにそのことを伝えた。何の根拠もないが、 「チャーさんらしいな」という狙いっぷりに思えた。
 更に続けて今度は黒ちゃんから。 こちらはあの思わせぶりメールに対して。 『うむ??まさか10万馬券??見せつけられたってことは あなたじゃないな(笑)』。 この男はどこまでも鋭い。言葉の端々から情報を読み取るこの能力、 もっと競馬に活かせないものか(爆)。
 更に続けて今度はSkyさんから。 『誰がやらかしたのか気になります(笑)』。 こちらは素直な反応。そうそう、これが正しい反応だ。 更に、昨日の予告通り、メイン予想を写メで張り付けてきた。 そこには、プロキオンSがセレスハントからの流し、 七夕賞がダイワファルコン−アニメイトバイオへのワイド厚め勝負、が書かれていた。 そっか、黒ちゃんにもメールで予想を送ってもらえば良かったと、今更気付いた自分が情けない。
 現地の5名に自宅の3名。気持ちだけはここ福島に集結していた。

●最後に飛び出した超絶高配当
 さあ残すは3場メインと最終R。大詰めだ。 ここまでかなりのパワーを使った私は、3場全てに手を出すのは無理と判断。 函館は見送り。阪神はさくっと予想して◎ワールドワイドで勝負。 そして、福島・七夕賞に照準を絞り、パドックを見るため、馬券売り場のモニターへ向かった。
 七夕賞のパドック。有力勢はどれも悪くない。ハンデ戦ではあるが、 55kgにとどまったエクスペディションに◎。昨夏もローカルで活躍した馬。 浜中も乗りに来ており、ここは勝ちに来ていると素直に判断した。 ○にはダイワファルコン、▲にはトーセンラーとかなり堅めの予想に。 ここまでいいところなしの状況が精神的に耐えられなくなっていたかもしれない。
 席に戻ると既に函館が終了。エーシンモアオバーの逃げ切りで3連単36万馬券の大波乱。 残念ながら誰も的中せず、すえちゃんのWIN5もここで終了した。 続いて中京メインのプロキオンS。人気は上がり馬テイクアベットや追い込み・ファリダット であったが、まさかまさかの伏兵トシキャンディの逃げ切り。これまた3連単30万馬券の大波乱。 適度に荒れるならまだしも、ここまで荒れるのか、静寂が部屋全体を包んだ。
 いよいよメインイベント、七夕賞の発走だ。 帰りの新幹線の関係で、ごとっぴさんと私、更にはのんくんも、これが最後のレースとなる。 すぐに帰れる準備を整え、いざスタンドへ。ファンファーレが鳴り、スタンドに歓声が上がる。 観客のボルテージも上がる一方だ。 そして、ゲートが開いてスタート。まずは前走逃げ切りを決めたミキノバンジョーが先手を奪う。 有力勢のエクスペディション、ダイワファルコン、トーセンラーはいずれも後方待機だ。 3コーナーあたりから徐々にピッチが上がっていき、 そして4コーナー、外からダイワファルコンとエクスペディションが捲りをかけ、 いよいよ直線へ。 逃げ込みを図るミキノバンジョーがもう一伸びする。 スタンドの歓声が頂点に。 そこへ何やら赤い帽子が外から迫る。 更に外からもう1頭の赤い帽子が猛然と追い込んでくる。 これはトーセンラーだ。じゃあその前の赤い帽子は?。 我々の想定のなかに無かった1頭の馬。その馬の名前を確認するには、 福島の直線はあまりにも短すぎた。 赤い帽子のワン・ツー体制でゴール。逃げ粘ったミキノバンジョーが3番手でゴール。 「勝ったのはなんだ?」、新聞を確認する。アスカクリチャンだ!。 「えー?、アスカクリチャン?」、 まさかまさかのアスカクリチャン。 誰もがノーマークの超伏兵の激走。やられた。 ため息とともに席に戻る我々。 最後の最後に飛び出した3連単59万の超絶高配当。参りました。

●また来ます
 残すは最終Rとなるのだが、ここで我々新幹線組はこの場を去ることに。 岩ちゃん、すえちゃんとはお別れ。 楽しかった2日間を振り返り、お互いにがっちりと握手を交わした。 「またやりましょう。また来ます」と。 最終Rへの未練はない。十分すぎるほど楽しんだよ。のんくん、ごとっぴさん、私は、 それぞれの荷物を背負い、この場を後にするのだった。

C≪ ≫Eへ続く