ギャラクシー・ザダークエイジ
Galaxy the dark age / GMT
ショートコメント
●「タイタンアリーナ(コロッサルアリーナ)」に数字カードの戦闘と特殊能力を加えて銀河大戦を描いたシリーズ最終進化形
The final achievement of "Titan Arena" like cardgame system including combat and special ability of figure cards.
published designed players time
2000 Don Greenwood (Reiner Knizia) 3-6 90+ minutes
シリーズの最終進化形
 「グランドナショナルダービー」を初めとするクニッツアの一連の同じカードゲームシステムのシリーズは、AHの「タイタンアリーナ」を経て、GMTの「ギャラクシー」へと辿り着きました。
 8種類のスートに対してビッディングをしながらラウンドごとに1スートが脱落していくという基本システムはいずれも共通です。
 「タイタンアリーナ」ではスートごとに神話のモンスターを当て嵌めて、その特殊能力を設定しました。そのスートに最大のビッドをしているプレイヤーはその能力を使うことができるようになり、ゲームに新たなフレーバーが加わりました。
 GMTの「ギャラクシー」は、これをドン・グリーンウッドがさらに発展させ、プレイしていく数字カードにも特殊能力を付けてしまいました。各スートはエイリアンワールドを表しており、ビッディングチップは基地を、プレイする数字カードは宇宙艦船を表しています。
 宇宙艦船は数字の弱いものは特殊能力があり、強いものは戦闘能力があり同じラウンドの列の宇宙艦船同士で戦闘ができるようになりました。さらにその列に宇宙艦船がないワールドに対しては、無防備の基地に対して攻撃できるのです。
 また特殊能力でも、「3」の輸送船はそのスートの基地チップ1枚の価値を1段階上げることができ、逆に「4」の襲撃艇は下げることができます。
 さらに1ラウンド終了すると最下位が脱落するいつものルールの他に、最上位のエイリアンの支配者はそのスートの基地一つを1段階変更することができます。
関連ゲーム
タイタンアリーナ
●コロッサルアリーナ
コスミックエンカウンター
●マグブラスト
●フラグシップ
 戦闘ルールで一度プレイした数字カードが撃破されて飛んだりするのでラウンドの終了タイミングは見えにくくなり、概して遅くなります。このため、所定の5ラウンドまで辿り着く前にカードが切れて終了することの方が多そうです。結果として生き残るエイリアンが多くなることも雰囲気を変えています。

ファイナル・コメント
 ベースシステムがクニッツアなので、クレジットにはクニッツアがデザイン、グリーンウッドがデベロップメントと書いてあります。
 しかし、実体としてはジレンマのゲームだった「タイタンアリーナ」と比較してドンパチのゲームである「ギャラクシー」はグリーンウッドのゲームと言った方が良いと思います。
 ルールは増えており、また他のゲームでもそうなのですがグリーンウッドのルールブックは非常にわかりにくく、買ってもルールを読む段階で挫折してしまう人が多いでしょう。わたし自身もその一人でしたが、ゲームギャラリーさんの要約を参考にやっとプレイしました。
 プレイしてみると、ベースシステムはそのままなので、新しいコンセプトさえ理解できれば難しいゲームではありません。お持ちの方は、なんとか難解ルールブックを乗り越えてプレイしてみて欲しいものです。
 8種類のエイリアンと各種の宇宙艦船が派手にドンパチしあう楽しい銀河戦争マルチを2時間くらいで遊ぶことができます。マップのあるタイプの銀河戦争ゲームよりプレイアブルで、プレイヤー間の相互作用が賑やかなので、十分お薦めだと思います。
 もし復刻されることがあるとしたら、ルールをわかりやすく整理して欲しいものです。
雰囲気は全然別のゲーム
 「タイタンアリーナ」と比べると、基本システムは同じでもゲームの雰囲気は大きく変わりました。
 最大の理由は、賭けたチップである基地の価値が後からどんどん流動的に変わることです。これができるようになったため、賭けてしまうと身動きが取れなくなってしまうため深刻な悩みがあった「タイタンアリーナ」に比べ、「ギャラクシー」では取り合えずどんどん賭けて特殊能力を手に入れ、それを運用してガンガンやりあった方が良さそうな気がします。このため積極的なプレイ、攻撃的なプレイに誘導されます。
 「タイタンアリーナ」ではシークレットビッドを開けるのは諸刃の剣で悩みがありましたが、「ギャラクシー」ではガンガン開けて能力を使って他のエイリアンを攻撃した方が良さそうに思えますし、実際、楽しいです。