DNA
DNA / Looney Labo
ショートコメント
●コマを置くことで周囲のコマが突然変異をしていく戦略的三目並べ
Placing your piece make adjacent pieces mutate, this is a very strategic tic-tac-toe.
published designed players time
1999 Daniel Russett 4 20+ minutes
いろいろな要素が絡み合って戦略的になっている三目並べ
 「DNA」は、「アイスハウス」のセットでプレイする新しいゲームとして提案されているものの一つです。
 タイトルの通り、遺伝子のイメージでピラミッドをボード上に配置していきます。各自は自分の色のセットを持っており、最初はこれは持ち駒にあたる遺伝子プールと呼ばれる位置に置かれます。
 ここからボード上に任意のコマを一つ置きます。このときに置いたコマのサイズによって周囲のコマを突然変異させます。小なら1ポイント分、中/大なら2/3ポイント分です。突然変異のポイントは、同じ色で大きさを変えると1ポイント、同じ大きさで色を変えると大きさに応じたポイントとなります。突然変異後に置いたコマを端部とする新しい3個のピラミッドの直列を判定して得点を得ます。このときに同色や三色、同じ大きさや大きさ順に並んでいると追加ボーナスが得られます。
 ここでミソなのが、突然変異で置き換えるときには全プレイヤーの遺伝子プールの範囲で行うということと、得点は他のプレイヤーの遺伝子プールから得点に応じた大きさのコマをもらって自分のアーカイブと呼ばれる位置に保管することで記録することです。
 手持ちの遺伝子プールは突然変異で入れ替わったり、得点として奪われたりしてどんどん変化していきます。このため、使えるコマの種類が中盤以降は制限され、その制限も変化していきますから戦略的なのです。一旦、盤上に配置された自分のコマを突然変異させて手に戻すこともできます。
 さらに、唯一の確定要素であるアーカイブに入ったコマでさえ、得点時にペナルティを余分に払えば他プレイヤーから引き出すことができます。
 これをマルチプレイでやっているのですから、他のプレイヤーの特定の種類の手ゴマを枯らしたり、勝っているプレイヤーの足を引張ったりできるわけです。
 このため盤上、手持ちのコマともどんどん変化していき、様々な思惑や作戦が交錯することになります。
 三目並べという遊びのイメージを大きく脱却した戦略ゲームです。
関連ゲーム
チェーンリアクション
水晶庭園
アイスタワー、マーシャンチェス
ファイナル・コメント
 率直に言って、「アイスハウス」や、「マーシャンチェス」と比べると、手番もあり、発想も奇抜ではあるものの異星人的というほどではありません。そういう意味では「DNA」は一番安心してプレイできるゲームでした。
 戦略的な要素もあって、なかなか良いゲームだと思います。