仮面舞踏会
Masquerade / 遊宝堂
ショートコメント
●「紋章使い」の中村氏が再び傑作を世に問う!
●階層的に様々な要素が絡み合った現代的なテイストを持ち、華麗なガジェットに彩られた近年国産カードゲームの白眉
Mr. Nakamura, designer of "Emblem Master" publishes his great
work again to the gamers.
Excellent domestic cardgame having both entangled game systems and faburous
gadgets.
published |
designed |
players |
time |
2003 |
中村 聡 |
3-5 |
1-2 hours |
「紋章使い」の中村氏の傑作再び
「マジック」に先立って発表された国産傑作カードゲーム「紋章使い」。そのデザイナーの中村氏が再び傑作をものにしました。
「仮面舞踏会」は、世界の覇権を争う超存在たちが自らの代わりに英雄を戦わせる代理戦争のゲームです。
近年のカードゲームの進化の様々な要素を取り入れた、複合的なゲームシステムと、「仮面舞踏会」の名にふさわしい華麗なガジェットを併せ持つ新しい傑作です。
ゲームシステムは複合的なシステムになっていて少し複雑です。まずシークエンスの大雑把な説明をしてイメージを描き出しましょう。
ファイナル・コメント
レビューを書いていて改めて思うのですが、カードゲームとしてはやや複雑目のシステムです。しかも、それぞれの要素に相互作用があるので最初は全体像がつかみにくいでしょう。なにを狙ってどうするべきか‥という視界が拓けてくるまでに少し掛かると思います。
けれども、視界が拓けてくると、そのために利用できる小道具が随所に散りばめられているので戦術を駆使することを楽しめるプレイヤーはこのゲームの魅力に取り付かれるのではないかと思います。
それにしても改めて「紋章使い」と比べて見ると、この期間でのゲーム界全体のゲームシステムの進化というものを感じます。この「仮面舞踏会」と比較すると「紋章使い」はずっと単純で相互作用も階層が浅いように思います。
いずれにせよ近年の国産カードゲームの白眉だと思います。
●オーダーフェイズではプレイの順番を選択していきます。前のターンに担当した順番に従って、前のターンに担当した以外の順番を選んでいきます。
●ステージフェイズでは選んだオーダー順に自分のダンサーをどこのステージに送り込むかを選択していきます。ステージによってこのターンにできる行動が決まってきます。
●スペルフェイズでは手札の中の呪文を使うことができます。
●チャレンジフェイズでは「塔」のステージに送り込まれたダンサーがガーディアンに挑戦し、「競技場」のステージに送り込まれたダンサー同士が対決します。
●イベントフェイズでは「礼拝堂」のステージに送り込まれたダンサーがイベントを起こすことができます。
上記の説明で分かる通りゲームシステムの要はステージの選択です。これによって、そのターンにできることが変わる訳ですから。
左がステージカードです。
左上から「塔」、「闘技場」、「礼拝堂」です。
「塔」にいるガーディアンを倒すことでそのガーディアンが守っている財宝を手に入れることができます。
「闘技場」で他のプレイヤーのダンサーを倒せばスペルを得たり勝利得点を得たりできます。
「礼拝堂」ではイベントを起こすことができます。
「図書室」ではスペルを堅実な方法で得ることができます。
「魔方陣」では体力と引き換えにより多くのスペルを得ることができます。
「泉」では体力を回復することができます。
ステージという形になっていますが、そのターンにやりたいことを選択するという点、順番に選んでいくので後になると選べるもの限られてくるという点でドイツゲームの「操り人形」とテイストが似ています。
ただし、このゲームが一筋縄で行かないのは、ステージだけでなく他のあらゆる要素に個性を持つガジェットが割り付けられていることです。
左上のカードから、オーダーカード、ダンサーカード、ガーディアンカードです。
毎ターン選ぶオーダーカードは、単にプレイする順番だけではなく順番によって特殊効果が付いているのです。早い方が一般的に有利ですが、特殊効果を狙って選ぶ場面も多々あります。ただし、前のターンに選んだものは選べないこと、既に選ばれてしまったものは選べないことは重要なポイントになっています。
ダンサーカードはゲーム開始時に選択します。これにも個性があり、大きく分けて戦闘が強いものと、スペルが得意なものとがいます。
ガーディアンは「塔」にいる宝物を持つモンスターというべき存在ですが、これも一枚ごとに異なっています。後のものほど手強く、持っている宝物は価値が高い傾向になっています。
下の列は左からイベントカード、スペルカード、最後にマスクカードです。イベントカードは「礼拝堂」に行くことで発動させることができます。トリッキーなものが多く使うタイミングによっては非常に大きな効果を発揮します。このためか、2ターン連続しては起こせないようになっています。
スペルカードは戦闘や「図書室」などで手に入れられるちょっとした手妻です。戦闘の修整値を得たり、スペルの再利用をしたりといった具合です。
マスクはプレイヤーそのもの超存在の個性に当り、固有の勝利条件を表しています。これによってプレイヤーの戦略は変わり、その結果として毎ターンの作戦も変わってくるのです。