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スペースハルク
Space Hulk / Games Workshop


一言で言えば‥‥

銀河の深淵から侵略生物ジーンスチーラーを迎え撃て!

敵のスペースハルクに乗船して任務を達成せよ!

こんなゲーマーにお薦めしたい

Warhammer 40,000 をやってみたいが,いきなりは‥‥という方に

シンプルでヴィジュアルなSF戦闘ゲームを求めている方に

プレイ人数 2人
プレイ時間 1任務:1〜2時間
ルール難度 初級ウォーゲーム
デザイナー ジャービス ジョンソン,アンディ チャンバース,
アンディ ジョーンズ
入手状況 改定新版待ち

スペースハルクの設定
スペースハルクのボックス
「スペースハルク」は,ゲームズワークショップ社の一連のミニチュアフィギュア系のゲームの一つです。その中でも,Warhammer 40,000 と時代を共有しており,同じフィギュアを使用しています。

「Warhammer 40,000」において,人類文明は幾多の敵と抗戦中です。その中でも未知な部分が多く潜在的な脅威として恐れられているのがティラニッドです。ティラニッドは銀河の外側から侵入してきたと見られる昆虫と爬虫類を合わせたようなエイリアンです。その性質は極めて強暴で,進路にあるすべての生命を駆逐することだけが彼らの目的としか思えません。まったく何の妥協の余地もなく,ただいずれかが存在を止めるまで戦うしかない相手なのです。

このティラニッドの前衛部隊として銀河に侵入してきているのがジーンスチーラーという凶悪な白兵戦エイリアンで,その進出路にあたったのが,われらが人類文明を守るエリートたちスペースマリーンの中でも古くからある伝統のチャプターであるブラッドエンジェルでした。

スペースマリーンプレイヤーの使命は,ブラッドエンジェル部隊を率いて敵の前衛部隊との遭遇戦で任務をクリアすることにあります。一方,貴方がジーンスチーラープレイヤーなら何も考える必要はありません。前に立ちはだかるものはすべて敵であり,切り刻んで前に進むのみです。

ティラニッド侵攻の歴史

ティラニッドが銀河にいつから浸透し始めたのかについては,さだかではありません。大規模なティラニッドのハイブフリートの侵攻は近年になってからのことです。けれどもジーンスチーラーは以前から銀河の一角に住んでいたことが知られており,恐らく記録に残らぬ過去にティラニッドのハイブフリートの来襲があったに違いありません。

ここで紹介しているのはスペースハルクの第2版のようです。初版はオリジン賞を受賞したものと考えられるので,89年の発売だったと考えられます。この初版には2つの拡張キットがあったそうです。90年のオリジン賞を取った「ジーンスチーラー」が最初の拡張キットだったようです。このあとさらに「デスウィング」という拡張キットが出たようで,そこでスペースマリーンのサイキック能力者ライブラリアンや,ジーンスチーラーのハイブリッドなども導入されたという話しです。

ここで紹介した第2版は,印象からすると初版の最初の2つを合わせた内容なのではないかと思います。ただし,これは推測の域を出ません。

また,この第2版もGWのサイトから落ちたようです。ただ,オリジン賞の受賞作でもあり,フィギュアを共用している「Warhammer 40,000」の第3版が順調に定着していることから見て,いずれ再版されるのではないでしょうか。その時には,こちらも第3版になることでしょう。

初版についての情報は,Yさんからメールでいただきました。この場でお礼を申し上げます。ありがとうございました。

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スペースハルクのシステム
スペースハルクの戦闘
「スペースハルク」は,とてもシンプルなゲームです。ゲームは,スペースマリーンとジーンスチーラーが交互に行動を繰り返して進行します。自分の番にできることは,自分のすべてのユニットを一つずつ順に行動させることです。

スペースマリーンの場合は,それぞれのユニットは4アクションポイントを持っています。これを使って,移動,射撃,白兵戦を実施します。スペースマリーンは射撃に長けているのが大きな特徴で,接近してくる敵を近づく前に射撃で撃破する力があります。その一方で重装備のために動きが鈍く,方向転換にもアクションポイントを使う必要があります。

ジーンスチーラーの場合は機敏で獰猛なため6アクションポイントを持っています。方向転換も他の行動と同時に90度ずつフリーで実施でき,その動きの速さはアクションポイントが多いだけではありません。その代わり,彼らは白兵戦闘しかできず,スペースマリーンに接近するまでは一方的に撃たれることになってしまいます。物陰に隠れたり,背後を襲ったりすることになります。もう一つ,彼らの大きな利点は,少数精鋭のスペースマリーンに対して,不特定多数の増援が湧いて出てくることです。これによりスペースマリーン側を過負荷状態に追いこんで殺到していけば,白兵戦ではジーンスチーラーはスペースマリーンの3倍の攻撃力を持っているので勝利できることでしょう。

スペースハルクでは,RPGのフロアタイルのようなボードを組み立てて使います。フロアはきっちりとスクエアで規定されており,移動や戦闘はきちんとスクエアで定義されたルールで明解に解決されます。この点で,多分にプレイヤーの常識的解釈に依存している「Warhammer 40,000」よりも,ゲームとしてクリアであると言えます。

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ワレ,最初の任務に成功セリ,次ノ命令ヲ待ツ!
スペースハルク任務完了
前項の写真は,最初の任務「スーサイド」のクライマックスです。

この最初の任務では,ジーンスチーラーの潜むスペースハルクに乗りこんだスペースマリーンは,ジーンスチーラーの脱出ポッドでの脱出を防ぐためコントロールルームの破壊を試みます。

写真では,先頭を進んでいたいスペースマリーンサージャントがジーンスチーラーとの白兵戦に倒れたところです。サージャントの後ろから進んでいた兵が,空かさずオーバーウォッチ射撃でジーンスチーラーを撃破して仇を取っています。

右の写真はさらにゲームが進行して,いよいよ最後の場面です。左下側のコントロールルームの扉を開けた重火器(火炎放射器)装備のスペースマリーンがコントロールルームを一気に焼き払っています。これで任務完了です。後方では支援にまわった友兵がジーンスチーラーと格闘しているのが見えます。

「スペースハルク」はルールが簡単なことと,一度に登場するユニット数がそれほど多くない(スペースマリーンは最大10体,ジーンスチーラーは20体が用意されているが同時にすべてが登場することはなかなかない)こともあって,とてもプレイしやすいゲームです。

このため,複数の任務をプレイしたり,攻守ところを変えてみたり,あるいは連続したキャンペーンをプレイしたりということが容易にできます。

スペースハルクの難点

「スペースハルク」は,シンプル,プレイアブル,ヴィジュアルインプレッシブ,スピーディー,エキサイティングと,万人向けの良いSFボードゲームとしての条件をほぼ満たしています。

唯一の難点は,ミニチュアフィギュアを使うということでしょう。これはヴィジュアルインプレッションとトレードオフなので難しいところですが,組み立てや塗装の手間は万人向けとは言えないでしょう。もし貴方がフィギュアを扱うのが辛いようなら,フィギュア好きの友人を誘惑するのが良いでしょう。

また,やったことがないから不安だが,やってみても良いという程度であるなら,「スペースハルク」は十分にお薦めです。「Warhammer 40,000」とは異なり,ボックスに準備されている30体を塗れば良いだけですので,ミニチュアゲーム入門編としては適当だと思います。

あと問題点としては,この版の「スペースハルク」は,第三版の「Warhammer 40,000」とのアナロジーが強いのですが,第四版の「Warhammer 40,000」では,かなりルールが変更になり,部隊の能力も変わってしまいました。そのため,以前は,「Warhammer 40,000」との能力などの対応が良く,両方をプレイするときにスムーズに移行できたのですが,少し融通が効かなくなってしまいました。

ここらへんは,次に「スペースハルク」が再版されるときに,改定されるのでは‥‥という推測を生みます。

関連ゲーム / 類似ゲーム

同じ世界を共有し,同じフィギュアを流用できる本編「Warhammer 40,000」が関連ゲームです。この紀元40,000年の世界を題材にしたゲームは他にもたくさんあります。詳しくはゲームズワークショップのサイトへ行くのが良いでしょう。

このゲーム自体のプレイ感としては,AH社の「スターシップトルーパーズ プリペアーフォーバトル」が近いかも知れません。ヴィジュアルを強く意識したシンプルなルールのボードゲーム同士です。シチュエーションとしても少数精鋭の地球側と,強暴で数の多いエイリアンというところが共通しています。

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