てんから


『てんから』って変な名前ですね。語源は定かではありませんが、和式毛鉤釣りを総称して『てんから』と呼んでいます。最初は単に『毛鉤釣り』と言っていたのですが、(故)山本素石氏の影響だと思いますが、同じように毛鉤を使うフライフィッシング(西洋式毛鉤釣り)と区別するために、敢えてこのように呼んでいるようです。必要な物は竿と糸と毛鈎のみです。とてもシンプルです。でも、敢えてもう一つ言わせてもらえば・・・根性でしょうか?(笑。

 他の釣りに比べると、竿も安価で毛鉤も自分で作ってしまえば安価(?。気合が入ってしまうと高価な羽を買ってしまうので一概には言えませんが)、いずれにしても安上がりの釣りです。

テンカラとよく似た釣りとして比較対比されるのがフライフィッシングです。しかし、フライフィッシングとは似て否なる物です。僕が考えるフライフィッシングとテンカラの違いをそのうちにリンクさせますので、興味のある方はまたどうぞ。

毛鉤

まずは鈎の部分名称を知らないと解かってもらえないので一応掲載します。


ちなみにテンカラ毛鈎に『ミミ』はなく環(アイ)です。


テンカラ毛鉤には大きく分けて3種類があります。蓑毛(ハックル)の向きによって普通毛鈎、順毛鉤、逆さ毛鈎です。普通毛鈎は軸(シャンク)から蓑毛が直角に出ている毛鈎、順毛鉤は蓑毛が後ろに傾いた毛鈎、逆さ毛鈎はその逆に蓑毛が前側に傾いた毛鈎です。

    
左から普通毛鈎、順毛鉤、逆さ毛鈎です。

順毛鉤は『花笠』とか『沈み花笠』等の別名があります。逆さ毛鈎は『逆さ花笠』とも言われます。

また、これは毛鉤の種類ではないのですが『当り毛鉤』という毛鈎があります。これは良く釣れる毛鉤の事。思い入れってやつでしょうか。何故かこの毛鉤を使うと魚が釣れる・・・・というような個人的嗜好に合う毛鉤を『当り毛鉤』とか『自信毛鉤』などと呼んでいます。テンカラは毛鈎を操作して釣る釣りなので、その人の体形、腕の長さ、腕力などの違いや、その人が好むポイント(たるみとか瀬とか)によって決まって来るものだと思います。よって、これは当たり毛鉤だと言って貰ったとしても、果たして釣れるかどうかは???です。
 僕の場合の当り毛鉤は何といっても『ピロちゃん毛鉤』です。


ピロちゃん毛鈎

この毛鉤こそ、僕の最終チョイス。みの毛(ハックル)は元は黄色でしたが、今は色が抜けてしまってほぼ白になっています。使い使ってもうボロボロになっているのですが、ボロくなればなるほど魚が出てくるみたい。どうしてなんだろう?いずれにしても釣れない時にこの一本って感じ。

次が『ヨラちゃん毛鉤』


ヨラちゃん毛鈎

『ピロちゃん』だ『ヨラちゃん』だと言っても皆様には分からないでしょうが、これは以前に我が家で飼育していたインコの名前です。『ピロちゃん』はルチノーと呼ばれる種類で、全身が黄色(目が赤かったので、多分アルビノ?)『ヨラちゃん』は子桜インコという中型のインコ。この羽をみの毛に使ったのでその名前がついているだけ。イエイエ、無理に抜いたのではありません。自然に抜けたのを使ってます。


そして次が、いつもコンスタントに釣れる逆さ毛鉤


逆さ毛鈎

いつもまずはこれから始めます。色々な使い方ができるので、とても重宝する毛鉤です。胴は赤と黒がありますが、そんなに変わらないような気がします。




毛鈎はテンカラは毛鉤にはそれほど頓着しない釣り方ですから、自分で作ってみましょう。作り方のベーシックな物は沢山のWebで紹介されているので、そちらを参考にして下さい。ここでは大きな羽を使った毛鈎巻きについて書いてみました。

大きな羽を使っての毛鈎巻き


竿(ロッド)
 竿は一番良く使うのがスズミの渓愚スペシャル。理由はこの竿を開発した本人(堀江氏)と海釣りに行って、見事にテンカラで、しかもこの竿でカンパチを釣り上げたからです。しかもその前に4号のハリスが飛ばされたのに、竿は大丈夫だった事。つまりはメチャクチャ強い竿だと思うからです。勿論、あの人は達人ですので、僕らのいい加減な竿サバキとはダンチです。それでも、この事件は魅力的に感じ、いまでも色濃く脳裏に焼き付いています。他にはD社・N社・S社だとか和竿だとか。気分次第で色々と使っています。和竿は結構シンドいっす。

道糸(ライン)
昔は馬素(ばす)と言って、馬の尻尾の毛を先に行くにしたがって細くなるように撚って使っていたらしいです。現在ではナイロン糸を撚ったテーパーラインと、フロロカーボンの単糸を使ったレベルラインが主に使われています。ナイロンの撚り糸は馬素同様に、先に行くにしたがって段々と細くなっているものです。レベルラインはフロロカーボンの3.5〜4号くらいが標準です。僕が使っているのははフロロカーボンの3.5号〜4号。もしくはナイロンの6号。いわゆるモノフィラです。ちゃんとしたテーパーの付いた糸も持ってはいますが、モノフィラで不都合を感じたことがないので、もっとも安価で取り付きやすい物を使用してます。昔は糸を撚って徐々に本数を減らしてテーパーの付いた糸を作ったりもしましたが、フロロは適当に重いので、撚る必要が無く、買って来てそのまま使えるので好きです。ですから、今ではズボラな性格も手伝って、そういう格好の良い物(テーパーライン)は使わなくなってしまいました。フロロの単糸は見え辛いのが欠点ですが、マジック(ハイマッキー)で着色してしまえばそれも克服できるそうです(僕はしませんが)。また、最近では色のついたフロロカーボンも売られていますが、色が付いたとはいえ半透明ですからやはり見にくいです。

ハリス(リーダー)                                                                   フロロカーボンの0.8号が標準だとか。僕が使っているのはナイロンの1号か1.5号です。魚が急に出たとき、慌てて合わすと僕の場合は超ビックリ合わせとなるので、細いと合わせ切れが起こります。なので、これ以上細いハリスは使いません。技術のある人は細いハリスを使うと、特に喰い渋りや解禁当初の低水温の時に役に立つと思います。