2001 THE CINEMA REVIEW(リハビリ中)
2000年度レビューは、ありません(爆)
 

最近見た映画(★★★★…お勧めです!★★★…見ても後悔はしないでしょう。★★…つまらなかった!)の感想です。あくまで、私の個人的な判断ですので、参考にして下さい。

9月 増村保造 レトロスペクティブ  REVIEW COMING SOON!
 


・足にさわった女
・暖流
・偽大学生
・恋に命を
AND MORE

・NO NUKES  ★★★         REVIEW COMING SOON!

・猿の惑星 ★★    新宿歌舞伎町の某映画館にて

これ、つまらなかったなあ。ほんと、凡庸な最近のハリウッド製お手軽SF映画という
感じ。ティムバートンらしさが全然出ていない。ラストのどんでん返しも拍子抜け。
ゴシックっぽい猿の惑星を期待していたのだが。正直、なんで、これがヒットになってる
のかよく判らない。オリジナルにあった頭にこびりつく不気味さ皆無。
演技が凡庸というか、シナリオが良く練られていないんだよなあ。バートン、これから大丈夫かなあ?
スリーピーホローはよかったのに…。ジョニーディップの出るという次回作に期待することにする。
今度、じっくりオリジナル版を見直たくなったのは収穫だが。
スピルバーグのAIを見るべきだったなあ。
帰りに、近くのラーメン屋さんで冷麺を食す。実にまずかった。横の人が食べてた皿うどんにすればよかった。
なぜに、博多冷麺なの?

・キスオブザドラゴン ★★  新宿シネカリテ
  
気がつくと、新宿武蔵野館(ジャニスの伝記映画とか、ヘンリーとかいう連続殺人エドゲインの映画など
をここで見た)の下にお洒落な映画館が出来ていた。銀座のシネスイッチみたいで、結構いい映画館
である。ミニアシターのコンプレックスで、2つ映画館が入ってます。
アベック向きかなあ。ただ、気取ったハンバーガー屋さんはちょっとねえ。コーラが300円近くするのは
困ったもんだ。
リュックベンソンは、「レオン」「グレートブルー」両方とも、映画館で見て泣けてしまったので、期待大だった。
だって、叩き文句が「レオンより切なく、アサシンより強く」である。でも、僕はしらけてしまった。
これ、フランスの潜伏した中国の警察官とフランスの悪徳警察官の対決の話なんだけど、あまりにも、ジェットリーが強すぎるのと、ナイナイの岡村に似すぎているので減点。これじゃあ、ダイハードだ。
でも、針をツボにさして相手を倒す技は面白いけど、あんなにうまくツボを探せるのであろうか?
唯一、ブリジットフォンダは汚れ役が嵌ってきていい感じ。タランティーノの「ジャッキーブラウン」でも好演だったしね。次回作が楽しみである。

8月 テルミン REVIEW COMING SOON!
お勧め!まだ恵比寿ガーデンシネマで上映中(10/5現在)なので
是非みてください
 

7月  カラビニエ   REVIEW COMING SOON!

7月  バロウズの妻     ★★…おまけ★ 渋谷ユーロスペース
 

創造のMUSEとして君臨するコートニーラブの為の青春映画
 
 


久々に渋谷ユーロスペースで新作の洋画を見た。去年見た、「白い花びら」以来である。

隣のユーロスペース2では勅使河原監督の前衛映画を上映しており、大入り満員。昔の日本映画が注目されるのは、よいことだ。「砂の女」スクリーンで見たら気持ちいいだろうなあ、大好きな安部公房だしなあ。などと思いながら、映画館に入るとこれまた結構な入り。これまたいいことである。
大宮の映画館でトラフィックを見た時みたいに、閑古鳥が鳴いていると淋しくてしょうがないから。
 

ストーリーなど、予備知識はまったくなく見た。ただ、「裸のランチ」で知ったバロウズとその妻の惨劇…
妻の頭の上のコップを実弾で撃つ、という悪ふざけのつもりが、本当に妻を射殺してしまった。そして、それがバロウズが作家になる直接のきっかけになったという、余りにも有名な逸話。そのウイリアム・テルごっこに至らざるを得なかった夫婦の葛藤の描写を期待していた。また、コートニーラブがバロウズの妻を演じるというのも興味はあった。これまた、ホールというロックバンドを率いながらも、夫カートコバーンの自殺以降、ロックシンガーとしても女優としても、吹っ切れた活動を開始した彼女が演じるのがなにか意味深なものを感じたからだ。また、ビートニク作家達の交流、その表現を描いた映画としても期待していた。

で、ストーリーは最初にビートニク・ゼネレーシュンの友好を描き、その中心的存在であるバロウズの妻ショーンを描く。ギンスバーク、ケラワック夫婦に囲まれてその中心的な存在としている、コートニーの姿。そして、密かにショーンを愛する青年。その青年は自分に言い寄る青年を衝動的に殺害してしまう。

そして、時は流れ、舞台はメキシコ・シティに移る。この間の状況説明が一切なく、いきなり舞台が飛んでしまうのでよく判らない。そして、メキシコに移住しているバロウズ一家を尋ねて、ギンスバーグと主人公がやってくる。しかし、当のバロウズはホモの青年と出かけていて不在。そして、ショーンと主人公は一緒に出かけた湖で関係を持つ。この湖でコートニーが下着姿で泳ぐシーン、3人で戯れるシーンが淡々と続く。けれども、特に叙情的というわけでも、神秘的というわけでもない。

その後に帰宅したバロウズが泥酔し、ウイリアムテルごっこを始める。バロウズは何故か、撃つのをためらっているがショーンの「早くして」という催促で引き金を引いてしまう。予定調和のように、頭を打ち抜かれて倒れるショーン。その後のキャプチャーには、この事件がバロウズが作家になったきっかけだという説明が入る。そのシーンもやけに淡々としている。

見終わった後の感想としては、これだったらクローネンバーグの「裸のランチ」の方が数段面白かったし、バロウズの苦悩を描けていたと思う。(余談になるが、ザッパもバロウズの裸のランチを映画化?したシナリオを書き上げていたらしい。)この映画を見た人が、バロウズの作品に興味を持つとも思えないし、ビートニク文学に対しての興味もあまり湧かないのではないだろうか。

私の感想としては、これは結局バロウズ、ギンスバーグ、主人公(新聞記者)の創造のミューズとしてのバロウズの妻ショーンを描きたかったのではないかという事だ。死を賭けてまで、3人の創造活動のイマジネーションの源であり続けた女性、そして、自身は一作も作品を発表していないが、優れた表現者としてのショーン。(余談だがフェッツジェラルドも奥さんの作品の方が面白そうだ。)
しかし、この映画のコートニーラブはやたら堂々としていて、ちょっとミスキャストかも。また、描き方も深さがない。結論としては、青春映画の小品として見るのが一番しっくりくる。
この監督は「ディックの奇妙な日々」という映画を撮った監督らしいので、こうした作家関係の映画ばかり撮っているのだろうか?
とにかく、コートニーラブのファンの方は見る価値はあるだろう。

帰りに、近くの坂を登った所にあるラーメン屋で冷やしラーメンを食す。
美味でした。
 

(2001.10.5)

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