リフトオフ
Lift Off / Queen Games
ショートコメント
●宇宙開発をリアルタイムカードゲームとしてプレイする小品
●なんと「スピード」系のカードゲームでありながらマルチプレイヤーで遊ぶと言う新機軸
Real-time cardgame which covers space exploration.
Unique new type game while being a kind of "Speed" game but also being a multi-players game.
published designed players time
2000 Marcel-Andre Casasola Merkle 2-4 20-30 minutes
宇宙開発は早い者勝ち???

 「リフトオフ」というタイトルのゲームは2つあります。
 古いゲーマーなら、1989年にタスクフォースゲームズから発売された月への有人往復飛行を目指す宇宙開発ゲームの「リフトオフ」を思い出されるでしょう。
 ここで紹介するのは新しく2000年にドイツのファミリーゲームメーカーのクイーンゲームズから発売された方の「リフトオフ」です。
 このゲームは、トランプの「スピード」や、チーパスの「ブロウル」と同じ路線の、リアルタイムカードゲームです。つまり、スピードを早くカードをプレイすることを志向した即断即決系のカードアクションのゲームなのです。
ファイナル・コメント
 リアルタイムカードゲームとしては、ストリートファイトを描いた「ブロウル」の方が題材とのマッチングが良くて燃えると思います。あちらは個性豊かなデックがあり、それぞれに戦い方が違うところも面白いです。
 ただし、この「リフトオフ」には、これまた独特の要素があります。それは、同じデックが4つ用意されていて、同時に4人までプレイできるということです。「スピード」系のカードゲームで、マルチプレイヤーズというのは、わたしの知る限りではこのゲームが初めてではないかと思います。実際にプレイしていないのでなんとも言えませんが、ユニークな挑戦だと思います。
 アラン・ムーンの「アンドロメダ」もそうですが、このゲーム当りを見ていると、宇宙開発というのはアドリブと勢いでやっているのだろうか‥という疑問も感じてしまいます。
 それほど深みのあるゲームではないかと思いますが、一度、実物をプレイしてみて欲しい個性派カードゲームです。
関連ゲーム
●リフトオフ(タスクフォース)
●ブロウル
アンドロメダ
 左の画像が実際のプレイの風景です。
 中央にヨコ向きに置かれているのが、宇宙開発の目標となる諸惑星です。
 プレイヤーは各自同様の内容のデックを良くシャッフルして準備します。そして、ヨーイドンでデックを上から1枚ずつ順にめくり、どんどんプレイしてきます。一方のプレイヤーがデックを使い切ってストップを掛けると、そこでプレイは終了し、判定とスコアリングに移ります。
 プレイの要領は簡単で、めくったカードを以下のいずれかの処理をして、さらに次をどんどんめくっていきます。
 @ いずれかの惑星に対する宇宙計画としてプレイしていく
 A デックのいちばん下に回す
 B 捨て札としてゲームから取り除く
 ルール自体はこれだけです。
 プレイ画像の手前側を見てもらうとわかるのですが、各目的惑星に対してプレイするカードは順に並べていき、そのときには順序があります。先ず、打ち上げ前の準備段階のブルーカードをプレイします。次に打ち上げの黄色のリフトカードをプレイします。最後に打ち上げ後のミッションである赤のカードをプレイします。
 打ち上げ以前にミッションをプレイしても無効ですし、打ち上げてしまってから資源カードをプレイしても無効です。なにより、打ち上げを行わないと当然ながら目的惑星には付けませんので、そこの惑星にプレイしたカード全体が無効になります。
 ミッションを遂行するには打ち上げ前にきちんと必要な資源が準備されていなければなりません。
 また、惑星によっては殖民する以前にテラフォーミングが必要な場合もあり、そのためのテラフォーミングミッションを先ず達成しなければならないこともあります。
 最終的には無事にその惑星に殖民した殖民の規模が大きい側がその惑星の得点を得ることができます。
 ルールはこれだけですが、なにせ限られた時間でランダムに出てくるカードを最適なバランスで配置していくのは容易ではありません。
 当然ながら、相手の同じ惑星に対するミッションの達成度合いより少しでも勝っていれば良いわけで、相手の状態も見ているべきなのですが、果たしてそんな余裕があるかどうか。
 かなり殖民したつもりでも判定になってみたら、テラフォーミングに資源を使い切ってしまっていて殖民ができていなかったり、さらにカードの中に相手の資源を奪うようなカードがあって、痛いところで資源をネコババされたりもします。これに対する防御としてセキュリティカードもプレイできるのですが、そんなにいろんなことをどこまでリアルタイムで判断しきれるかです。
 早くプレイすることを志向するのか、適切にプレイすることを志向するのか、性格もでてきます。