ショートコメント
●オレの名はデューク･スプリンガー、オーナーパイロットだが、その船の借金に追われる身だ。
●ボードを併用するパラグラフブック形式のゲームの野心作、到底返済不可能に見える借金を君は返せるか？
I am Duke Springer, owner pilot, but chased by huge amount of the ship's debt.
In this paragraph type board game, can you complete returning the impossible loan payment ?

借金に追われる日々

　オレの名はデューク･スプリンガー。
　アンテロープ級の宇宙船を操るオーナー･パイロットだ。
　とは言うもののいつまでオーナーでいられるかは怪しいものだ。借金のローンは１２０００ゼックス、手持ちの現金は２５０ゼックス、宇宙船のカーゴは空っぽと来ている。来週には次の支払い期限がやってきて、少なくとも３００ゼックスの利子だけでも払わなければならない。そして、その次の週にはまた新しい支払期限が来る。元本を返しきらない限り、毎週３００ゼックスの利子が膨れ上がっていく。夢のような話しだ。ただし、悪夢の方だが。
　そんな訳で、ともかくもオレは金になる話しを求めてインペリア星系へとハイパージャンプしてみることにした。星系外空間にワープアウトしてみると、いきなり巨大な軍艦に停船命令を食ってしまった。逃げ切ることもできそうな気もしたが、他にどこへ行くというアテがあるわけでもない。ボーディングパーティーの連中はロクな代物じゃなかった。航海料として１隻あたり８０ゼックス、ヴィサの発給で１人あたり１０ゼックス、入系税と称してさらに２５ゼックスを請求された。こっちは初めての星系だから、これが本当に必要な手続きなのかどうかもわかりはしない。
　とは言え軍艦とドンパチを構えてしまえば、二度とこの星系では真っ当な方法では上陸もできなくなる。なけなしの現金から支払ったが、捨てる神あれば踏みつける神あり‥とでも言いたいくらいだ。
　都市エリアに着陸して、早速、面白そうな話しを探しに歩いて回ることにする。少しはツキが巡ってきてくれても良さそうなものだが‥。

ファイナル・コメント
　ゲームの内容についてあまり書くとネタバレになってしまうので深入りは避けておきます。ただ、世の中の仕組が複雑になると、銀行の取立てやら、警察やら、役所やら、ブラックマーケットやら、いろいろとややこしい話しが多いものです。ブックキーピング作業は、「バーバリアンプリンス」より複雑になります。
　その一方で、複雑ないろいろなものごとを裁くための全ての仕組が定義されているという訳には行っていません。このためいろいろと不都合があるような気がするのですが、イベントブックを捲って隅から隅まで調べる‥という訳にもいかないので結構、困ってしまいます。
　確かに、「金の卵を産む鵞鳥」がいるようなのですが、なかなかそれに遭遇するのは容易でない気がします。その意味では難易度的にも「バーバリアンプリンス」より難しいでしょう。

関連ゲーム
●バーバリアンプリンス
●ＢＳＭパンドラ号の航海
●ステンレススチールラットの帰還
●チェインソーウォリアー

　「スタースマッグラー」は、ボードを併用するタイプのパラグラフブックタイプの一人用ゲームです。このドワーフスターゲームズの小箱のシリーズには、この形態のゲームが二つあります。もう一つは、ファンタジーの初心者向け「バーバリアンプリンス」です。
　「スタースマッグラー」は、中級者向けのＳＦもので、冒頭に述べたような設定からスタートします。
　借金を返すために、借金の原因となる宇宙船を駆って様々な星系を渡り歩き、合法、非合法を問わず金になりそうな話しに首を突っ込むのです。

　ゲームのプレイは、パラグラフブックのイベント１番を読むことでスタートします。そして、自分の行動の指針を立てて、目的地へ向けて移動します。
　星系の各惑星は、組合せ式のマップで表され、惑星に着陸すると、今度は地図上をランドマークに従って移動していきます。新しいエリアに入ると、進入チェックがあり、発見されると冒頭のように警察や徴税人と顔を逢わせたりすることになります。
　首尾よく目的地に着いたら、そのエリアに応じたコンタクト表で様々なチャンスを捜し求めます。一日の行動時間は１０時間で、使い切ると一日が終わり、１０日間で一週間が終わると借金の支払いになります。
　惑星ごとに、大気の状態や、貧富の程度、技術の程度などが設定されています。
　また、宇宙船まわりのルールは、この時代のＳＦゲームにありがちなのですが、妙に緻密だったりします。