マジックマスター
Magic Master / 翔企画

一言で言えば‥‥

ファンタジーの王位継承権争いをカードゲームで
JAS企画カードの黎明期の野心作

Cardgame which descrives competence for the throne in fantasy world.
Ambitious work during dawn of JAS sized cardgames.

プレイ人数 3〜5人
プレイ時間 1時間
ルール難度 カードゲームとしては少し複雑
デザイナー 鈴木銀一朗
入手状況 published in 1989

モンスターメーカーの次にきたもの
マジックマスター
JAS企画カードゲームと言えば一世を風靡した細長い小箱の国産カードゲーム群です。
その草分けは翔企画の「モンスターメーカー」でした。そして、その次に同じ鈴木銀一朗デザイン、九月姫イラストで登場したのが、この「マジックマスター」でした。
モンスターメーカーは、カードゲームとして多くの後継者を生み出した定番「ミルボーン」の派生形の一つでした。距離を蓄積し互いに妨害しあうという基本構造を、ダンジョン探索に当て嵌めた手堅い一作でした。
これに対して「マジックマスター」は第2作と言うこともあって、かなり野心的な作りになっています。題材はファンタジーの王位継承戦争です。これをオリジナルの複雑目のシステムで再現しようとしました。
プレイヤーはキャラクターカードを出し、これに部隊を付け、アイテムを持たせて組織していきます。
こうしたグループを単位として、各プレイヤーは争い、敗れた部隊、さらにはそのリーダーであるキャラが脱落していきます。
重要なのは王位継承権で、生まれつき王家の血筋に付いているキャラはプレイヤー間に最初に分配されます。ゲーム終了時にもっとも高い王位継承権のキャラを展開しているプレイヤーが勝利します。また、プレイ中に王位継承権をもっているキャラをまったく展開できない状態になると、プレイヤー自体が脱落してしまいます。
血筋も重要ですが、アイテムなどにより継承権を付加することもできるので、エルフやドワーフ、あるいは魔法使いでさえ継承候補者にすることはできなくはありません。
カードには魔法や地形などもあり、ファンタジーのガジェットが色とりどりに盛り込まれています。



マジックマスターの難点

発売当時、人伝にデザイナーの鈴木先生が「今度のは自信作だから」とコメントしているという話しを聞き、かなり期待して手に取った記憶があります。残念ながら期待が大きすぎたせいもあってか、もう一つ関心しませんでした。
問題があるなと思ったのは、ウォーゲーム的ではあるのですが、防御側はスタック全体として‥ではなくグループ全体として防御することです。このため、十分に強力になったグループに対してはまともな攻撃が利かなくなります。このため、正攻法の攻撃手段の価値が非常に低くなって、特殊カードである魔法などに依存したプレイになってしまい、もう一つ戦術の幅に欠けます。
こうしたストーリー性のあるファンタジー勢力争いゲームで成功しているものとしては、先立って紹介した「モンスターメーカー5:ソフィア騎士団」を待つことになるように思います。

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JAS企画の草分けとして「モンスターメーカー」とは、いろいろな意味で組にして思い起こされます。
また、「モンスターメーカー5:ソフィア騎士団」とは、ストーリー性のある勢力争いという共通点があり、比較すると興味深いでしょう。