パラノイア 第2版 その1
Paranoia 2nd. / West End Games

一言で言えば‥‥

コンピューターが統治する誰もが幸せでなければならない閉鎖社会
その実、だれもが秘密結社に属し、禁断の存在ミュータントであるとすれば‥

Closed world controlled by Computer where everyone must be happy.
In fact, everyone belongs to secret society and has a forbidden mutant-power.

プレイ人数 コンピューター1人+市民4〜6人
プレイ時間 3時間〜
ルール難度 個性的RPG
デザイナー Gelber, Costikyan, Goldberg
入手状況 published in 1987

伝説的ブラックユーモアRPG

わたし自身、それほどRPGに強くないこともあって、これまで分科会ではRPGをほとんど紹介してきませんでした。とは言え、この「パラノイア」だけはいずれ紹介せねばなるまいてと思ってきました。
あまりにも強烈なブラックユーモアに彩られたディストピアRPGで、B級というテイストを究極のレベルまで突き詰めた作品と思われるからです。

「パラノイア」の舞台となるアルファコンプレックスは、コンピューターに支配されたユートピアです。そこでは全ての市民は幸せなのです。コンピューターはそのために奉仕し続けています。
と言うのは建前論で、実態は全ての市民は幸せである義務があり、コンピューターから「市民、貴方は幸せですか?」と問われたなら肯定するより他、生き残ることはできません。もし不幸なら貴方は不適格な市民としてレーザーで蒸発させられてしまい、かくて不幸せな市民はいなくなり全ての市民が幸せな状態が保たれるのです。

そんなコンピューターは実はタイトルの通り、究極のパラノイア状態にあります。コンピューターは一見、普通の市民の中にコンピューターが苦心して維持しているユートピアを破壊せんとする陰謀家たちが紛れ込んでいるのではないかと疑っているのです。また、人類の正常な遺伝子を阻害し、その特殊能力で社会に悪影響を及ぼすミュータントの存在も懸念されます。

そこでコンピューターは市民の中から役立ちそうなものを選んでトラブルシューターという職務に就けています。トラブルシューターは一般市民の中からこうした悪意を持つものを発見して処分することが使命です。プレイヤーはコンピューターから任務を与えられたトラブルシューターとなり、チームを編成してことに当たるのです。

とは言え、この任務のブリーフィングはチーム全体ではなく個人個人がコンピューター(ゲームマスター)に呼び出されて行います。そして、そこでは驚愕の真実が語られるのです。実は貴方自身も秘密結社の一員であり、しかもミュータントなのです。そしてチームの別のメンバーは、貴方の組織と敵対する別の秘密結社のメンバーらしいのです。貴方は任務の間に、敵の正体を暴いて先に敵を葬って自らの安全を確保せねばなりません。

ああ、なんというブラックな設定でしょう‥。

パラノイア第2版世界

今回はパラノイアの第2版世界でもエポックメイキングとなるクラッシュ期までの分を俯瞰してみることにしたいと思います。

前項の右上に最初に挙げたものがパラノイア第2版のメインテキストになります。プレイヤー向け(レッドクリアランス)のイントロ部分からゲームマスター専用(ウルトラバイオレットクリアランス)のルールや世界設定の説明に加え、「銃とカメラを持って屋外へ入ろう」というアドベンチャーが収録されています。ここで重要なことは、世界設定はゲームマスターしか読んではいけないということです。なぜなら、この世界はコンピューターが説明しているようなものではなく、実は×××が×××かけて×××××が××して、その×××××××が×××しまった世界なのです。
というわけで、どうして「屋外へ出よう」ではなく「屋外へ入ろう」なのかというと、実は×××××××が××を××して×××××××××××××の×××××を××××××××××からなのです。

二番目の左側の画像は、エクセッサリーパックです。アクセサリーに余分という意味のエクセスを掛けた語呂合わせですが、中身は余分どころか必需品のゲームマスタースクリーンが入っています(笑)。

この項の右上の画像はDOAセクタートラベローグです。アルファコンプレックスの中のDOAセクターの詳細なガイドブックになっています。「コンピューター、なぜDOAセクターを取り上げたのですか? そのセクターは他より大きいのですか? それとも他より幸せなのですか?」、いいえそうではなくDOAセクターは一般的なごくフツーのセクターだから代表的なものとして取り上げられたのです。それはこの世界のフツーの幸せな日常生活を示すためにあるサプリメントなのです。

四番目の画像は、アルファコンプレキシティーズです。典型的なパラノイア第2版アドベンチャーです。「典型的な」パラノイアアドベンチャーというものがあるとしてですが‥。

五番目の画像はフォームパックです。アルファコンプレックスの市民生活で必要な書式集で、まず書式を入手するための書式があります。この書式を使って書式を入手するための書式を申請するのです。ではその書式を最初に申請するにはどうすればいいのかというと‥???

六番目の画像は、初版アドベンチャー二点を二版用にアップグレードしてダブル収録した「コンピューターはいつも二回撃つ」です。収録されているのは、ディメンジョンXから闖入してきた魔法使いをめぐる「オークバスター」と、下水道へと捜索に赴く「センドインザクローンズ」です。

7番目の画像は、秘密結社戦争三部作の第1部となる人民の輝かしい革命です。
この作品は歪んだ世界であるパラノイアの枠組をさらに歪ませています。なんとプレイヤーたちは今回はいつものトラブルシューターではなく×××なのです。当然ながらその使命も異なっており××××××××××を×××することが目標になるのです。ああ、なんて恐ろしいことでしょう。

8番目の画像は「リサイクルパック」です。名前の通り回収品を集めて作ったらしいのですが、結構な人気アイテムになりました。フォームパックの愚かなフォーム群、カードボードコミー、そしてプラスチック製の各色のトラブルシューターたちのフィギュアのセットです。ことに最後のプラスチックフィギュアの人気が高かったようです。

秘密結社戦争はエスカレートしているようですが、9番目の画像のモアソングス・アバウトフードヴァットは、いつもの通りトラブルシューターとなってフードヴァットを巡るサボタージュを防ぐために赴くオーソドックスなアドベンチャーですのでご安心ください。って言ってもパラノイアの世界に安心できるような話しがあるとは思えないのですが。

10番目の画像は秘密結社戦争の決着がついに着く‥らしい、冷凍人間の帰還です。フリーズドライされた過去の××××××××が発見されて解凍されて甦るというアルファコンプレックス史上最大の問題に立ち向かうことになります。繰り返します、これは史上最悪の問題なのです‥???

11番目の画像は秘密結社三部作も終わって、異色の幕間劇とも言うべきドーントテイクユアレーザー・トゥタウンです。ちょっと映画のウェストワールドを思わせる開拓時代西部を技術を駆使して再現したような表紙が気に掛かります。

12番目の画像からは、いよいよ未曾有の大事件が起こります。なんと×××××××が×××××してしまったのです。これを未然に解決するためトラブルシューターチーム、ヴァルチャーウォリアーズはディメンジョンXへと突入していきます。ディメンジョンXのヴァルチャーウォリアーズ三部作の開幕です。

なにせ異次元に突入するとあって、なんでもありになっています。最初のアリス・スルーザミラーシェイドは、サイバーパンクRPGとのクロスオーヴァーになっています。次のトワイライトサイクル2000は、トワイライト2000とのクロスオーヴァーになっています。

14番目の画像は、ヴァルチャーウォリアーズの完結編「ドクターフームとアルファコンプレックスのパラノイドたち」を収録し、同時にヴァルチャーウォリアーズのセッティングでのキャンペーンをやるためのマニュアルを併録しているヴァルチャーウォリアーズオブディメンジョンXです。
事態はついに決着を迎えるらしいのですが、それは一体どんな決着なのでしょうか???

大雑把に言ってパラノイア第2版は、典型的なパラノイアの時代、そして未曾有の大事件が起こって激動した時代、×××××××が復活を遂げて歴史が××××されてしまった後の時代の3期に分かれるようです。

ここでは第2期のアイテムを紹介しました。

パラノイア第2版その2