ライダーズレジョンド
Rider's Legend / BANDAI

一言で言えば‥‥

少年時代の夢が叶う、正義の戦士として、悪の組織の大幹部として

あまりにもメジャーな仮面ライダーがいまトレカとして甦る

Boys' and Girls' dreams come true. As a hero of justice or as a great villain.
Popular hero "Masked Rider" revives as a trading card-game.


プレイ人数 2人
プレイ時間 1時間
ルール難度 中級カードゲーム(トレカ)
デザイナー 河嶋 陶一郎
入手状況 published in 2001

少年時代の夢が叶う「ライダーズレジョンド」
ライダーズレジョンド第一弾ディスプレイ
「ライダーズレジョンド」は、バンダイのカードダスマスターズの新作として満を持して登場しました。
題材はもちろん「仮面ライダー」です。第1弾では、歴代ライダーの中から「初代仮面ライダーとショッカー」、「仮面ライダーブラックとゴルゴム」、「仮面ライダークウガとグロンギ」が登場します。
トレーディングカードゲームという形態は、多くのガジェットと多くのファンを持つ仮面ライダーにはふさわしい舞台と言えましょう。幾多のライダーや怪人たちのカードは、コレクションアイテムとしてだけでも魅力的です。このことは往年の仮面ライダースナックの例を引くまでもないでしょう。

そして、トレーディングカードゲームとして、ライダーライダーや怪人を実際に運用して戦うことができるのですから、これはもう溜まりません。
ゲームの内容も、怪人を展開して任務の達成や戦闘を通じて相手を倒していくというもので、番組の内容を良く反映しています。
まさに、少年の時代の夢が叶う一作です。正義の戦士、仮面ライダーとして、あるいは悪の組織の大幹部として己の技の限りと作戦の粋を尽くして戦えるのです。

いつかやってみたかった仕事、ショッカーの大幹部
ショッカーの面々
人として生まれたからには一度はやってみたい仕事と言えば、プロ野球の監督とオーケストラの指揮者、そしてショッカーの大幹部です。様々な能力を持つ怪人たちを運用し、幾多の悪の任務に送り出して、世界の征服を目指すのです。
初代「仮面ライダー」に登場するショッカーは、こうした組織の原型であり、自らの手先として改造したはずの仮面ライダーに裏切られ、最後までそれに悩まされて崩壊していきます。このショッカーの運命を、「オレなら仮面ライダーごときに足を掬われず、世界をこの手にできたものを」と思った少年(と一部少女)は少なくなかったことでしょう。かくいうわたしもその一人でした。
「ライダーズレジョンド」の華は、やはり幾多の登場人物を表すキャラクターカードです。その中でも特に第1弾のショッカーに焦点を当てて見ました。
いちばん左は第1話に登場した蜘蛛男です。次が第2話に登場した人間蝙蝠です。この「最初はクモとコウモリから」というのは仮面ライダーの伝統として受け継がれ、アマゾン、ブラック、クウガなどで同じパターンのオープニングメンバーが再現されました。
蜘蛛と蝙蝠というのは、怪奇色の強かった初代ライダーにふさわしいセレクションであり、粘着糸の巣を張って敵を絡め取る能力と、闇夜を密かに滑空する能力は正に暗躍する悪の組織向きだと言えます。
カードの下側に左から順に3つの数字が書かれているのがわかるでしょうか? 左から作戦力/攻撃力/防御力です。作戦力は任務の遂行に役立ちます。攻撃力や防御力は実際に戦闘になったときに使います。蜘蛛男はそれほど強くないのですが、数字の列の上にあるテキストボックスに、ちょっとイヤらしい特殊能力が書かれています。相手の前線のキャラを後列に下げてしまうのです。クモの巣による妨害工作をイメージしているのでしょう。
人間蝙蝠は飛行能力を持っています。飛行しているキャラクターは、飛行しているキャラクターからしか攻撃を受けないと言う大きな利点を持っています。それと同時に暗躍する人間蝙蝠は作戦力が3と高いのが長所です。
3番目の怪人はアルマジロングです。本編でもその強力さは非常に印象的でした。ただし、頭が良いとはおよそ言えなかったので作戦力0はいたしかたないところでしょう。それでも防御力5に加えて弱い攻撃は跳ね返す特殊能力と相まって凄まじいデフェンスを見せてくれます。最後のカードはお馴染みの戦闘員です。「イー」という意味不明の奇声を挙げてライダーに群がり、次々とアクロバティックな動きでやられていく連中です。このカードは非常に弱いのですが、通常のキャラと異なり同時に何枚でもインプレイに置けるという利点があります。まぁ正に戦闘員といったところです。



ライダーズレジョンドのプレイ
ライダーズレジョンドのプレイ
左の図が「ライダーズレジョンド」のプレイの画像です。アドヴァンスドルールでの専用マットを使ったプレイです。その中でも自分の側の半分だけを撮影してあります。
プレイフィールドは戦闘の最前線である戦闘フィールド、その後列に任務カードを配置するボックスがあり、いちばん手元側に任務を遂行するための作戦フィールドがあります。
戦闘フィールドに配置されたキャラクターは、敵のキャラクターを攻撃することができ、作戦フィールドに配置されたキャラは任務の遂行ができます。

「ライダーズレジョンド」の基本システムは「マジックザギャザリング」あたりより少し複雑で、これらのフィールドがさらに日本の東西5エリアに分割されています。このため、エリアやフィールド間の移動の概念などもあります。とは言ってもルールは仮面ライダーのゲームとしては妥当なものなので、知っている人に手にとって教えてもらえれば特別に難しくはありません。
後はトレカ特有の難点として、個々のカードの特殊能力が豊富なので、これを理解して運用するのが課題になります。そうしてカードをコレクションして、その中からセレクトして自分のデックを組めば、貴方ももう悪の大幹部(または正義の味方)になれるのです。

ゲームとしての「ライダーズレジョンド」

あの仮面ライダーのヒーローと怪人たちが実際にプレイの場で暴れ回るとあっては、単なるコレクションカードでも魅力的なのに、もう溜まりません。けれども、冷静に見てカードゲームとしての面白さはどうなのでしょうか?

この答えを個人的に言わせていただくなら、「グー!」です。
前項でも書きましたがゲームの基本システムはトレカとしては少し難しめです。ですが、ルールが題材の表現として妥当なのでスムーズに理解できプレイにも違和感がありません。
また、各勢力の特徴やガジェットの能力も、一部に解せないところはあるものの概ね納得の行く方向で設定されているように思います。
実はこの原稿を書いている段階で既に第2弾が発売され、その記念ミニ大会にも参戦してきました。そこでは、予想以上に多様なデック、見通し以上にシリアスなプレイを志向した強力なデックを見ることができました。単に仮面ライダーのガジェットの賑わいを楽しむプレイはもちろん、ある程度、競技志向でプレイしても十分に鑑賞に耐えると思います。後は第3弾以降でサポートされ、システム自体のチューンナップまでされていくかどうかですが、そこまでの期待は現時点では荷が重いかも知れません。ただ、そうあって欲しいと思いますし、そうなることもあり得そうな出来映えの第1、第2弾ではあります。



関連ゲーム / 類似ゲーム

自宅のコレクションを見渡しても意外なことに仮面ライダーのゲームというのは、創作ゲームの「ショッカーとゲルショッカー、そして仮面ライダー」くらいしか見当たりません。恐らく放映時にファミリーゲーム的にいくつか出ていると思うのですが、生憎と入手の機会がなかったようです。
逆に言えば、その意味でもこの「ライダーズレジョンド」は貴重な作品だと言えます。
国産トレカで個人的に好きなもので、同じカードダスマスターズの「エヴァンゲリオンカードゲーム」があります。基本システムの難易度などはエヴァの方がさらに上で、セリフカードの運用などマニア垂涎である一方、初心者の気軽な入門を拒むような印象もある問題作です。

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