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ビッグアイデア
Big Idea / Cheapass Games

一言で言えば‥‥

次のヒット商品はコレだぜ! 奇怪なアイテム続出のベンチャービジネスゲーム

チープなコンポ、シンプルなアイデア、でも投資回転率の意識も必要な佳作

こんなゲーマーにお薦めしたい

チーパスのチープコンポのワンショットゲームを好きな人に

プレイヤー同士のノリでプレイするゲームが盛り上がる面子で是非!

プレイ人数 3−6人
プレイ時間 1時間
ルール難度 カードゲーム
デザイナー ジェームス・アーネスト
入手状況 発売中

チーパスゲームズの衝撃


チーパスゲームズは、90年代後半に登場した新興メーカーです。その打ち出したコンセプトは衝撃的でした。
いわく、「最近のゲームは高すぎる、必要もないのに木製のコマを専用に作ったり、美麗なマップアートに凝ったりして、その価値以上の高額の商品にしてしまっている」。
そのアンチテーゼとして、チーパスゲームズはシンプルなコンポーネントに徹し、多くのゲーマーの家にはゴロゴロしているダイスやチップやコマは付けずに他のものを流用してプレイしてもらうというところまでやっています。カードやボードは、もちろん単色印刷です。
bigidea_play
で、問題はゲームの内容ということになるのですが、率直に言うとコンセプト通りというところでしょうか。シンプルなアイデアを、出したまま手を掛けずに素直にゲームにしたという感じです。デベロップメントやテストプレイで練り込んだという感じではありません。もっとも、「キルドクターラッキー」が後に「セーブドクターラッキー」になって再登場したように、マーケットのデベロップに応じて作り直しをするというケースも出てきました。
ただ、誤解してはいけないのは、「シンプルなアイデアを素直にゲームにした」だけでも、その中にはキラリと光るものが少なからずあることです。

ビッグアイデアのシステム

ビッグアイデアは、ベンチャービジネスを題材にしたゲームです。プレイヤーはベンチャービジネスのインキュベーターとして、怪しげな新商品を発掘してきて売り込みます。その一方、他のプレイヤーのベンチャーの内、スジの良さそうなものに投資してキャピタリストとしても働きます。
最終的には、そのアイデアに投資した人数に応じてヒットの確率が上がっていき、サイコロ勝負でビジネスとしてのペイバックが決まります。非常にシンプルなアイデアですが、上手く機能しています。他のプレイヤーに乗ってもらえないと成功率が上がらないため、いつまでも事業化段階でくすぶってしまいます。このときに問題なのは、各プレイヤーの資金を表すチップが一人5枚しかないことです。このため、くすぶっているビジネスにいつまでもチップを無駄にしておくと遅れをとってしまいます。
他プレイヤーのビジネスに乗ると、そのプレイヤーに稼がせてしまうことになるのですが、それはお互い様ですので、どんどん資金を回転させて行った方が良いのです。ここらへんは投資回転率の考え方が必要なゲームになっています。

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ビッグアイデアの実例
ビッグアイデアのカード
ビッグアイデアの新製品は、配られたカードの中から2枚を任意に組み合わせることで作ります。
カードは、形容詞カードと、名詞カードがあって、これを一枚ずつ使います。
左が実例で、まず最初が先日のプレイで焦点になった「アクセレレーテッド・キャット」です。加速したネコって、どういうネコなんでしょうね。この怪しげな商品はスポンサーが付かなかったのですが、無理無理創業者がものになるまで育て上げたのでした。
次は、「サイバー禅」です。なんとなくバリントン・ベイリーのような感じで、なるほどコレは売れそうです。
最後は、「エロチック・アンブレラ」です。とかく、このゲームでは、「やっぱりエロは売れまっせ!」と言いながらプレイされる「エロチック」カードですが、雨傘ではね。
カードには優劣はないので、どうでもいいのですが、このゲームの醍醐味は、この商品をもっともらしく説明することにあります。そして、その商品説明を判断基準に他のプレイヤーは投資するかどうかを決めるのです。ここらへんのゲームシステムと関連のないガジェットに意味があるあたりが独特です。
出てくる商品には奇抜なものがたくさんで、そこらへんSFマインドをくすぐるものがあります。ある意味、近未来の消費社会を予見するSFゲームと言っても良いでしょう???

関連ゲーム / 類似ゲーム

チーパスのゲームと言うと、大きなチーズを取ってきて名を上げようと言うネズミたちのカードゲーム「ビッグチーズ」、奇跡的な悪運の持ち主ドクターラッキーを殺そうと皆で付け狙う「キルドクターラッキー」、死体パーツを集めフランケンシュタインズモンスターを作ろうとする「パーツアンノウン」など、いろいろとあります。

玉石混淆のメーカーですが、なにせ価格が安いので腹が立つことはないでしょう。
最近の同社の新作では、スチームトンネルが面白いです。

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