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ディスクウォーズ
Disc Wars / Fantasy Flight Games

一言で言えば‥‥

メンコのような厚紙ディスクで戦うアナログシステムのファンタジーウォーゲーム

ミニチュアフィギュア系ウォーゲームの魅力が誰にでも手軽に楽しめる傑作新機軸ゲーム

こんなゲーマーにお薦めしたい

ヘクス式のウォーゲームは、どうjも杓子定規でいけないとお思いの貴方に

ミニチュアフィギュア系ウォーゲームをやってみいけれど、塗装も保管空間も悩ましいという方に

プレイ人数 基本は2人対戦、シナリオによりマルチプレイものも
プレイ時間 1〜3時間
ルール難度 基本システムは簡単、ディスク毎の特殊能力は千変万化
デザイナー トム・ジョリー、クリスチャン・ピーターセン
入手状況 現在ブレーク中、輸入ゲームショップに散見、本気なら個人輸入か?

ディスクウォーズのシステム
ディスクウォーズのプレイ
1999年の暮れからアメリカでブレークし始めた、丸いメンコのようなディスクを使うファンタジーウォーゲームが、「ディスクウォーズ」です。
この原稿を書いている時点で、日本でもブレークしつつあるところです。

ファンタジーのキャラクターと、いくつかの数字が描かれたディスクで、一体、どんな風にゲームをするのか、簡単に説明しましょう。
基本的にディスクは、一体のファンタジーキャラを表しています。プレイヤーは、好きなキャラクターを集めて規定のポイント、規定の構成条件で自軍の部隊を編成します。この部隊を用いて他プレイヤーの部隊と戦うのです。
ディスクは、パタパタとひっくり返していくことで戦場を移動します。そして、相手のディスクの上に重なることで攻撃を実施します。基本的なルールは、これだけです。

ディスクはそれぞれ様々な能力を持っています。すべてのディスクに記載されている基本的なパラメータには、移動力、攻撃力、防御力、体力があります。もう一つ数字ではありませんが、ディスクそのもののサイズというのも基本的なパラメータです。
移動力は、ディスクを何回パタパタさせて移動させられるかです。ディスクのサイズと移動力を掛けたものが移動できる範囲ということになります。他のディスクに重なってしまうと、そこで停止になります。ただし、フライング(飛行)能力を持つディスクは、この限りではありません。また、他のディスクに乗られてしまうと、移動などの行動ができなくなり、否応なしに戦闘に巻き込まれてしまいます。
アンデッド対ドワーフ
相手のディスクに重なると攻撃したことになり、乗っかられた方のディスクは防御側になります。戦闘では、攻撃側のディスクが攻撃力を、防御側のディスクが防御力を同時に使って互いに戦闘を解決します。攻撃力や防御力が相手の体力を上回っていると、相手を負傷させることができます。複数のディスクで攻撃したり防御すれば、それらのディスクの数値を足し合わせます。

このゲームで面白いのは、1ターンに互いにすべてのディスクを動かすことができるのですが、交互に3ケずつを動かしていくことにあります。先攻のプレイヤーが敵の有力ディスクの上に乗って、その能力を封じ込める。これに対して、敵は反撃してさらに上に乗ってくる‥‥。というような具合に、1ターンの間に、互いの攻防が行き交い、ドラマチックな戦闘になります。

左の画像は、アンデッド軍とドワーフ軍の激闘で、幾重にもディスクが重なり合い、互いの波状攻撃で大激戦になっているのがわかります。ディスクに乗っている「A」のマーカーは、このターンのアクションを終えたという意味です。

この他に飛び道具のルールや魔法のルールがあります。
飛び道具のルールは強烈で、小さなディスクを目標の30センチ上から投下して攻撃します。場合によっては転がって自軍のキャラクターに当たることも。
魔法のルールは、魔法使いキャラを部隊に入れておき、このキャラのアクションとして移動の代わりに呪文を唱えます。呪文は予め選んでおきますが、使う瞬間まで相手に見せる必要はありません。呪文にはレベルがあり、高いレベルの呪文は、能力の高い魔法使いディスクにしか使えません。魔法は使い捨てで高価ですが、使いこなせれば十分にコスト以上の価値を示します。

この他にトレーディングカードゲームと同様に、ディスクの一つ一つが多彩な能力を持っています。これを説明し始めるとキリがありません。ファンタジーキャラクター総出演の賑やかなウォーゲームなのです。

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サンプルアーミー:我が家のアコライト軍
アコライトのアーミー
どんなディスクがあるのか説明すると枚挙に暇がありません。そこで、一つの例として、我が家のアコライト軍を紹介しましょう。
ディスクウォーズの世界には、様々なファンタジー種族がいて、大きく8つに分かれています。最近は、さらに増えて10になっています。

アコライトはその一つで僧兵集団といったところでしょうか。実は、このアコライト各種族の中でも、少々、コマ不足です。なので、我が家のアコライト部隊は、どの種族にも属さない中立キャラクターの力を大いに借りています。
上の二つの大きなディスクは、俗に「良い巨人」、「悪い巨人」と言われている2人の強力な中立巨人たちです。これらは非常に強力なので、部隊に1枚までしか入れられない「ユニーク」キャラクターです。
この2人の巨人をフルに活用するために、戦線の後方から念を送って彼らの移動を補助しているのが、中央の緑のディスク「メンタリスト」です。メンタリストは、他のディスクを移動させてしまうという念動力のような力を持っています。この能力の凄さは実際にプレイしてもらわないとわかりにくいかも知れませんが、アコライトの最有力メンバーです。
下の二つは、アコライトの本陣を敵の魔法と飛び道具から守るためのキャラクターです。左側のアイアンゴーレムは、周囲のディスクを魔法から守ります。右側のスモークスクリーンキャリアーは煙幕を張って周囲のディスクを飛び道具攻撃から守ります。

強力な巨人を念動力で補助してフルに働かせ、本体は魔法も飛び道具も受け付けないというのが、この部隊の特徴になります。
これは一例で、数を頼みにワラワラと攻撃してくるオークの部隊や、質実剛健タフネスに自信ありのドワーフの部隊、少数ながらも空を自在に舞い火を吹き魔法も良くするドラゴンの部隊など、ファンタジーキャラの魅力満載のゲームです。

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ディスクウォーズの販売形態と難点

ディスクウォーズは、トレーディングカードゲームと同様にランダムに構成されたパッケージを買い足していく形になっています。種族ごとのスターターセットが最初に発売になりましたが、これにはその種族の基本となるディスクが半数と、様々な種族の特殊キャラがランダムに入っているディスクが半数組み合わせてありました。
その後、拡張キットが順次、発売になっていますが、一度、ウェイストランドマというキットですべてランダムという構成を取った他は、比率は異なるものの上記のように種族固有ディスクとランダムディスクの組み合わせとなっています。
また、レギオンという二つの種族の編成済みの部隊を組み合わせて、すぐにプレイできるようにしてあるパックも発売になっています。このレギオンにしか入っていないディスクもあるので、他のパッケージを買って部隊編成に十分なディスクを持っているプレイヤーにも買いたくなるようになっています。

ディスクには、種族のパッケージを買えば確実に手に入るもの、ランダムではあるものの良く見かけるもの、ランダムでなかなか見かけにくいものがあります。どこまで揃えるかにもよりますが、自分のアイデアのベストを組むためのディスクを妥協なく欲すると結構な出費を強いられそうです。

また、ディスクのコストパフォーマンスの設定について、まだ多少、甘いところがあり、一部、突出したディスクがあるように思います。これも含めて種族間のバランスなども、まだ調整途上というところでしょう。

ただ、そうした問題点を考えてみても、ゲームの内容自体はとても面白く、ボードゲーム「サンダーズエッジ」ともども、ここのところのFFGの連続ヒットには勢いを感じます。

関連ゲーム / 類似ゲーム

ミニチュアを使ったファンタジーウォーゲーム「ウォーハンマー・ファンタジーバトル」とは、いろいろな意味で比較されているようです。
ファンタジーフライトゲームズ社のファンタジーウォーゲームとしては、
「バトルミスト」があります。
様々なファンタジーキャラ、小道具をデックに組んで戦うというトレーディングカードゲーム
「マジック・ザ・ギャザリング」とは形態は大きく違うものの底流で通じるものがあるでしょう。

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