ワンダーボーグ
Wonder Borg / BANDAI
一言で言えば‥‥
ロボットプログラムゲームが,ついにコンシューマーゲームレベルに
ロボットコンテストの世界は,もう特別な世界ではない‥‥
こんなゲーマーにお薦めしたい
かつて工作少年だった頃のワクワクを思い出したい同世代のゲーマーに
ついに自分用のロボットを持てる日がやってきたと思う方々に
プレイ人数
1人と一匹〜
プレイ時間
1時間〜
ルール難度
ごく簡単な工作,ごく簡単なブロック式のプログラミング
デザイナー
BANDAI
入手状況
インターネット通販中
ワンダーボーグのシステム
「ワンダーボーグ」の話しを友人が教えてくれたとき,「なんと,もうそんな時代が来てしまったか‥‥」と思いました。
ワンダーボーグは,携帯ゲーム機「ワンダースワン」の本体よりずっと高価な拡張機器です。一言で言えば,掌から少しはみ出すくらいの昆虫型ロボットです。
そして,その行動パターンは,「ワンダースワン」のソフトである「ロボットワークス」で簡単にプログラムすることができるようになっています。
とは言え,その仕様は侮れません。ワンダーボーグには,なんと8個のセンサーが搭載されており,前方の障害物の有無,他のワンダーボーグや,ワンダースワン本体との交信を始め,床面の状態,時間経過の測定など,ベーシックな行動の基礎になる情報をすべて検知できるのです。
プログラミングもブロック式のユーザーフレンドリーなものながら,ブロック単位でジャンプすることなどもでき,一工夫したものを作ってやろうと思わせるに十分なキャパシティがあります。
こうしたプログラミングのオモシロさと,それを実際に運用してその有効性を確かめる醍醐味は,思えばアートディンクのパソコンゲームソフト「地球防衛軍」が個人的には最初でした。その頃はまだコンシューマーゲームマシンも初代のファミコンでしたし,パソコンもNECの88や98の時代でした。その頃は,こうしたヴァーチャルのロボットプログラミングのオモシロさが,誰にでも手軽にリアルのロボットでできるようになる日というのは想像が付きませんでした。
しかし,その後,ロボットコンテストが盛んになり,昨年あたりからレゴの「マインドストーム」が登場してきました。ロボット工作とプログラミングは手の届かないものではなくなり,近い将来,そうしたものが出て来そうだという予感が強くなりました。
そして,ついにバンダイさんがやってくれたのです。
実売3000円ほどのワンダースワンの拡張機器としては,12000円のワンダーボーグのセットは,いかにもアンバランスに高価です。でも,たった12000円で,各種センサーを搭載,自分で組んだプログラムで動いてくれるロボットが手に入り,これにはプログラミングのためのツールもすべて付属しているのです。そう考えると,15年前にはとても予想もできなかったことだと改めて痛感します。
まだいじり始めたばかりですが‥‥
まだいじり始めたばかりですが,第一印象を書いておきましょう。
センサーの内,前方の非接触障害物センサーの検知感度には少々くせがあるようです。これと合わせて接触式のセンサーである触覚が外れやすいという問題もあります。
このため,前方障害物を認識して回避するプログラミングにはコツが要るようで,ちょっと苦戦しています。このためワンダーボーグが障害物に乗り上げてモガきっぱなしになりやすいのです。
歩行脚の対地角度を変えることで車高(?)と速度を変えることができるのですが,この角度設定を決めるセットボタンが甘くて,簡単にズレてしまうのもちょっと気になります。
また,数ブロックを切りかえるようなプログラムを初見で書き下ろすと,やはりいろいろとトラブルが起こってきて苦戦します。もっともこの試行錯誤の苦労こそは,プログラミングロボットの醍醐味かも知れません。あと遊ぶのには,やはり一体では寂しいので,友人も誘って数体まとめて遊べる体制を築き上げるのが良いでしょう。
いじっていくと,他のワンダーボーグや外部障害物に対して,なにかもっと積極的な行動が取れた方が嬉しいという気もしてきます。障害物を回避するだけでは,芸がありませんから。ここらへんは今後のオプションの追加発売や,後継機種の発展を期待したいところです。
関連ゲーム / 類似ゲーム
そもそも「ワンダーボーグ」は,本分科会の枠の外側のものかも知れませんが,あまりに嬉しかったのでつい紹介してしまいました。
関連するボードゲームとしては,
ゲームスミスの
「ロボタンク」
がいちばん近いでしょう。与えられたプログラミングで動きつづけるという点で,毎ターン,プログラムし直す他のロボットプログラミングゲームよりも近いでしょう。後者としては,
WotCの
「ロボラリー」
,FULL-NELSONブランドの
「ロボファイト」
などがあります。