2000/08/03・福島オフミ報告[4](2000/07/29-30)

第三章・寡黙な男の逆襲(07/30(日):競馬結果報告[1])

 平日よりも土日の方が睡眠時間が短く、遅寝早起きになるという日頃の習慣から、この朝も6時すぎに目覚めた。他の人はまだ寝ているのだろうか・・・見ると、チャーさんは寝に入った時の姿勢を保ったままに熟睡中、その奥には、豪快に布団を跳ね上げたのんくんが大の字で眠っていた。まだ早かったか・・・ん?・・・おっと、一番最後に布団についたはずのすえちゃんが、たばこをふかし、あぐらをかいて、新聞とにらめっこをしているではないか。はや!。寝起き声で挨拶し、「早いですね」と声をかけた。伊達に全レースの予想をしているわけではない。さすがだ。既に気合満点、臨戦態勢万全といった感じだ。私もしばし新聞をチェック。こうやって新聞をじーーっと見ていると、何やら答えらしきものが見えてくる・・・そんな気持ちになってくるから不思議だ。既に私の頭は「全勝もありじゃないか?」という妄想で詰まっていた。
 しばらくして、徐々に皆、起床し、朝食をとりにラウンジへ。ダイエット実施中の私、朝食なんて本当に久しぶりだ。のんくんに「しょざわさん、食べるの?」とチャチャを入れられたが、「せっかくだもん、そりゃ、食べるよ」であった。朝食を終え、部屋へと戻り、早速、出発の準備に入った。今日、何度目になるかわからない、鼻をかみながら・・・。実は、昨夜から兆候はあったが、朝になり、それが本格化してしまった。どうも、風邪をひいてしまったらしい。露天風呂で話し込んでいたのが失敗だったようだ。熱があるわけではなく、ただただ、鼻水が止まらない・・・これは辛い。しかし、そんなことに構っていられない。決戦の時は刻一刻と迫っているのだ。気合を入れ直し、宿を後にした。競馬場へはまたもややえちゃんの車へ。これにはやっぱり深い訳が・・・なかば他の仲間は呆れていた。駐車場へ到着し、いざ競馬場へ。歩きながらチャーさんに「昨日のリベンジをしなきゃね」と尋ねると、「まあ、そんな気合入れなくとも」とさっと交わされた。(何、スカしてんだー、このー)と心の中で思いつつ(笑)、昨日からのチャーさんの妙な落ち着きぶりが非常に不気味だった。9:30に競馬場に到着、さすがに昨日と違い、人の入りが多く、ようやく3Fの端っこ(シルバーシートのすぐ脇)に陣取ることができた(とはいえ、府中・中山ではこの時間で席を確保することは不可能だろう)。
 まずは1R。4歳未勝利のダ千。頭数は手頃ながら実力拮抗で、腕試しとしてはまずまずのメンバー構成。ここは休み明けもスピード一枚上と見て◎サンライトシャネルから。レースでは予定通り先行したものの、好位組に捕まり外れ。ここでとうとうチャーさんが福島初の的中!当然、すえちゃんも的中。両者は好スタートを切った。のんくんは惜しくも外し、やえちゃんは朝一のオッズを取ろうとパソコンと格闘中だった。2R、3R、4Rとすえちゃんが的中。これで4連勝。鋭い予想はこの日も健在。またもや一人舞台になってしまうのだろうか・・・。その4Rはやえちゃんも的中!。パソコンでのオッズ取得を諦め、オッズプリンターで印刷した内容から、手動で狙いを弾き出す方法に出たようだ。私も何とかこの4Rをタテ目ながら的中。こういうのを当ててしまうと後が続かないのは十分承知しているのだが、とりあえずタコが防げたというだけで、良しとしよう。
 5Rは障害未勝利戦。頭数も7頭。全くやる気が起きない。もう見送ろうと思っていた。しかし、せっかくここまできてレースを見送るなんてもったいない。そこである提案を持ち出した。「ここは皆、一点勝負をしてみませんか?」。一気に皆、やる気を取り戻したようだ。何だかんだ言っても、やっぱこういった「対決」は好きなのだ。誰にも負けたくない・・・闘争本能を持っているからこそ、競馬が好きなのかもしれない。ここは前走3着のゼンノブレイブが圧倒的人気に推されている。確かにこのメンバーでは近走一番の成績の持ち主だ。しかし、前走の3着は勝ち馬に6秒8もぶっちぎられたものであり、事前チェックでも「消し」と判断していた。これで残り6頭。2頭は全くの圏外だったため、問題は4頭。うち2頭をピックアップすれば良い。悩んだ末、出した結論は、クラショウエースエドノマツカゼの行った行った馬券。これに全てを託すことにした。すえちゃんとのんくんは、ベストカホーエドノマツカゼ、やえちゃんはゼンノブレイブジャンボムテキ、チャーさんはベストカホージャンボムテキに決まった。さあ、注目のレースがスタート。あれ?エドノマツカゼ、逃げないじゃないの。ショック!。レースはジャンボムテキが逃げ、淡々と進み、向正面から一気にベストカホーが捲って出て、この2頭が抜け出した。「おおっ!いいぞ!」チャーさんが興奮してきた。後方からエドノマツカゼが懸命に追いかける。私のクラショウエースは離された4番手、ゼンノブレイブは早々と失速してしまっていた。そしていよいよ最後の障害、先行2頭が無難に飛越。ほぼ体勢決したか。3番手追走のエドノマツカゼが最後の障害へ。まさに我々のちょうど目の前だ。「ああああっ!」・・・飛越に失敗し、前のめりに倒れ込んでしまった。うずくまる三浦。そこへクラショウエースが・・・「危ない!」・・・クラショウの後脚が三浦の背中に触れた。大丈夫か・・・。レースはそのまま2頭がゴール。三浦も、担架に乗せられたものの、自ら起き上がり、事無きを得たようだ。ほっと一安心・・・。結果、見事にチャーさんが的中させた。やりますなー。皆の注目が集まった。しかし・・・これは怒涛の快進撃の前触れでしかなかった・・・。
 ここで昼休み。すえちゃんが皆にうなぎ弁当をふるまってくれた。実は土曜も全員、ごちそうにあずかっていた。何から何まで、本当に気を使ってもらい、申し訳ないほど。すえちゃん、本当にありがとうございました。
 さあ、気合を入れ直して午後の競馬へ。まずは6R。ここで私、まだ一度もスタンド前の表に出ていなかったので、パドックをチェックした後、一人、下へ降りていった。これには訳がある。勿論、馬場を間近で見たかったというのもあるのだが、実はこの6R、密かに勝負Rとしていたからだ。4歳未勝利戦という地味な競馬ながら、前走、素晴らしい末脚を見せた馬がいたからだ。これが正しい判断だったかどうかをまずパドックで確認。その抜群の仕上がりぶりに自信を持って◎に推した。その名はシャコーグラシアス。追い込み馬だけにここ福島ではかなり不利。しかしその分、人気もあまり無い。イチかバチか狙うならここしかない。そう決め込んでの狙い撃ち。単勝を厚めに、相手も、素晴らしい馬体を持つトーホウスペシャルと如何にも平坦が合いそうなパインアヤカへの2点流しに勝負を賭けた。前者との組み合わせが70倍、後者とが40倍、来れば一気に勝ち組に持ち込める。気合の入れ方が違っていた。だからこそ、近くで見たかったのだ。
 馬券を購入し、早速、外へ。府中の場合、建物からスタンド前に出る境目は緩やかなスロープになっているのだが、ここ福島は何と階段。しかもこれが意外と急。締切間際に購入し、急いでスタンドへ・・・なんてあせると、絶対に転がり落ちる・・・府中にこんなものを作ったら怪我人続出、苦情殺到、間違い無しだ。しかし、ここ福島は田舎特有ののんびりしたムードがあり、場内は驚くほど静かであるし、動きもゆったりとしている。我々が如何に浮いた存在だったか・・・。表に出ると、日差しは強かったものの、風があり、爽やかだった。柵に近づいて見ると、馬場が本当に近くにある。まさに目の前を競走馬が走り抜けるのだ。素晴らしいぞ。周囲を一望した後、スタンドの方を振り返った。ほぅ、良く見える、良く見える。仲間の姿を容易に捉えることが出来た。すると手を振ってきたので、こちらも振り返した。しかしね・・・あちらは私しか見ていないからいいけど、こちらはスタンドにいる他の人からも注目されているような錯覚に陥っているわけで、妙に恥ずかしい。歳も歳だしね・・・。そこで、早々に皆に背を向け、煙草に火をつけた。すぐ近くに灰皿があるから大丈夫、ポイ捨てなどしないのだ。ぼぅーーっとターフを眺めていると、信じられないほど静かなことに気付く。ほんとにここは競馬場なのだろうか・・・久々に味わう何も考えない、何も耳に入ってこない時間・・・田舎に住んでいた頃はよくあったよな・・・思わず郷愁に浸っていた。
 そんな私のそばに、のんくんがやってきた。恐らく、一人背を向けて佇む私の姿が寂しく映ったのだろう。その気遣いがまた嬉しい。一緒にゴール板方向へ歩きながら、互いの狙いなどを話した。そしていよいよ注目のスタート。予想通り我が◎は後方待機。というか、道中、スピードについていけないようだ。前はそれほど速くなさそう。これは大ピンチ!。迎えた直線、逃げる△タイキメビウスが二の脚を使い、セーフティリードを築く。そこへ好位から▲パインアヤカが追ってきた。ほぼこの2頭で決まりそうな勢い。しかし・・・来ました、来ました、大外から豪快に◎シャコーグラシアスが追い込んできた。「差せー、差せー」と本日最初の絶叫開始!。しかし、福島の直線は短い。「ああ〜・・・」直線半ばで絶叫が溜息へと変わった。良く追い込んだもののクビ差届かず結果は3着。勝負Rがここで終わってしまった。のんくん◎のトウホースペシャルも一瞬、内から抜け出るかという見せ場は作ったものの伸び切れずに差の無い5着。馬連42倍の決着に終わった。がっくり肩を落として席に戻る途中、のんくんから情報が・・・「チャーさん、パインアヤカからだから獲ってるよ。すえちゃんもタイキメビウスからだって言ってたし・・・」ひぇーーー、獲ってるんかい。はぁ、席に戻りたくないな(笑)。案の定、席に戻ると、何やら談笑していた。チャーさん、連勝かい・・・。
 続いては7R。古馬500万下のダート戦。ここは圧倒的人気に降級馬・ホクトブルーバードが推されている。確かに格的には一枚上だ。ただ、この馬、断然人気で勝てるような馬じゃない。どちらかといえば人気薄好走の穴馬タイプだ。波乱ムード漂う。そこでブレスマイスターズを狙ってみた。すえちゃんはリュウシュンに◎。実は私も当初、この馬に◎を打っていたのだが、穴馬が目に入った以上、そちらへ印を移行した。果たしてこの決断は吉と出るか凶と出るか。チャーさんはエンプレスロマン総流しで一発狙い。確かにこの馬、怪しい・・・ここにきて好調のチャーさんだけに恐ろしい。そして、その予感は現実のものに。何とエンプレスロマンが直線一気を決め、2着にもキネティックアートが入って万馬券。とうとうチャーさんが目の前で仕留めてしまった。いやー、やられたー。ここで決めるなんて、かっこいい!。しかも馬券は3連勝。凄すぎる・・・。やはり、昨夜からの寡黙さはこういうことを狙っていたんだな・・・そう感じざるを得なかった。
 7Rまで終了し、何とここまでオフミメンバーの誰かが必ず当てている。つまり7戦全勝なのだ。実は4Rぐらいから既に意識しはじめたのだが、万馬券までクリアしただけに、パーフェクトの期待が一気に膨らんできた。そして迎えた8R。ここは有力馬が何頭かおり、簡単そうで難しそうな一戦。予想を確認しあうと、何と皆の狙いが似通っている。人気のなかではケンセツクィーンピュアブライティア、穴っぽいところではマイネルアンコールエバーゴールドに注目が集まる。買い目もかなり被っている。唯一、やえちゃんがスマイリングアワーで少し毛色が違う。うーん、嫌な予感が・・・ここが試金石になりそうな雰囲気があった。そして、その不安も現実のものに・・・。ピュアブライティアヤマニンプラシードで決まったこのレース、馬連12倍と平穏に収まったにも関わらず、誰も的中できなかった。「いやー、抜けたー」とはピュアから流したすえちゃんの弁。野球でもノーヒットノーランを意識した途端にヒットを打たれるように、意識した直後が一番恐い。パーフェクトの夢がここで途絶えた
 9Rはダ千の羽鳥湖特別。私は一発先行粘り込みに期待して◎エスケーロイヤル。饒舌にこの馬の狙いを語る私の術中に嵌まったわけではないだろうが、すえちゃんが何度も新聞をチェックしながら、「うん、うん、なんか怪しい、怪しい」と呟きだし、とうとう買い足しまでしてしまった。また一人ここに犠牲者が・・・。そんなすえちゃんの狙いは久々もスピード上位のハミウケリョウコ。何とチャーさんとの被り◎だ。しかし、絶好調のチャーさんだけに、昨日の私との被り当時とは態度が違う。・・・そりゃ、そうだわな(笑)。やえちゃんは印刷されたオッズからこれが狙い!と早い段階に見出していたアズーロで勝負。レースは予想通り、ハミウケリョウコが一気に逃げ、追走組を見事にぶっつぶした。問題は2着争い。何とか粘り込む人気のグロンシャールを、嘲笑うかのように大外からファインルナラックが突っ込んできた。チャーさん、絶好、「差せー、差せー」。いやー、もう、チャーさんには参りました。馬連89倍GET!。すえちゃんは惜しくも抜け・・・チャーさんの逆襲は凄まじいものがあった。
 小倉9Rは皆、外れ(おっと、影の参加者・岩ちゃんが当ててたな(笑))、気を取り直して10R。ハタノアドニスから勝負を賭けるも伸び切れず、人気2頭で決まった。これは確実にすえちゃんが押さえていた。
 さあ、いよいよメインR。まずは函館3歳Sだ。とにかく大好きな3歳戦だけに、これが私の最後の勝負R!と気合を入れた。狙いは想定版通り◎マイネカプリース。牝馬らしからぬ力強いフットワークが気に入った。○にはゲイリームーチョ、▲にはタカラサイレンスを置き、ここへ勝負を賭けた。絶好調のチャーさんの狙いはベストタイクーンだった。レースは◎マイネカプリースが好位を進むものの、4コーナーで早くも手応えに余裕がなくなり失速。マイネルジャパンゲイリームーチョと無難に収まった。はぁ・・・とうとう終わってしまったか・・・。あれだけ気合いを入れて臨んだはずなのに、ここまで来て当たったのは安いタテ目一つ。勝負Rも終わり、気が付けば遠くを眺めていた。そんな私にのんくんが「勝負はこれからだよ!」と励ましてくれた。そんな彼に私は、「私は終わりました。ありがとう福島・・・」と返していた・・・。
 しかし、せっかくの励まし、無に出来るか!とばかりに、もう一発、福島・吾妻小富士OPに賭けてみたくなった。ぱっと見て、59kgだろうがこのメンバーではアンブラスモアの連軸は堅いと読み、一発嵌まればの期待を込めて◎ハヤカゼジョーとの本線にどかんと突っ込んだ。これが来れば今日の負けはチャラに出来る。気合が戻ってきた。福島参戦の企画が持ち上がった時から、私は常々、今回のオフミのテーマは「対決」だと言ってきた。しかしその実際は、土曜がすえちゃんの、日曜がチャーさんの一人舞台となり、今一つ、「対決」という意味合いからすれば外れていた。しかしその分、根源的なテーマである「楽しむ」という目的は十分、達成していた。しかし、この日のチャーさんの快進撃に、皆、かなり触発されていたことは間違いなく、昨日と比べると、明らかに口数が減っていた。勿論、疲労が蓄積してきたこともあるだろうが・・・。そんななかで迎えたのがこのレースだった・・・。



意外と長くなってしまったため、今日はここまで。

  −−− 続く(次回は今度こそ最終章・日曜結果報告[2] & 総括) −−−