2000/08/02・福島オフミ報告[3](2000/07/29-30)

第二章・影の主役登場(07/29(土):夜の部)

 地元勢の圧勝で初日の競馬も終わり、いよいよ本当のお楽しみの時間となった。今回の宿泊先は土湯温泉。競馬場から車で30分ほど、渓流の流れる山間にある立派な宿だ。すえちゃんは一足先に向かい、チャーさんはのんくんの、私はやえちゃんの車に乗り込んで、ちょっと遅れて宿へと向かった。何故、私がやえちゃんの車に乗り込んだのかということには、深い訳があるのだが、ここでは割愛する。宿に到着し、物腰の非常に低い若い兄ちゃんに案内されて部屋へと通された。さて、これからどうしよう。晩飯まで30分ほどある。とりあえず一風呂浴びますか・・・と、その前に・・・。と、「もう待ちきれんぞ!」とばかりに、のんくんがビールを取り出した。まあ、一杯やりましょうや。ということで、乾杯!。ひゃー、めっちゃ、うめー・・・。当たっても外れても、一杯目のビールは最高だ。これがあるから病み付きになる。お酒に弱い私は、基本的に逃げ一手。とりあえず、飲めるところまで一気に飲んでしまう。コップ2杯目あたりから既にほろ酔い気分へと移行した。とりあえずここでは、互いの素性など、まずはお互いを知ることからはじめた。すえちゃんとのんくんの関係が今、暴かれる!・・・なんて。一旦、エンジンに火が入ってしまったため、もう風呂のことは忘れていた。
 そんなこんなで気がつけば食事の時間。お膳の上の豪勢な料理に舌鼓を打ちながら、更に話題はヒートアップ。ネット上での想い出話などに華が咲いた。やはり我々のつながりを最も強くしているのは、チャーさんのところのRTだ。常連の方には蛇足と思うが、RTとはリアルタイム(Real Time)予想といって、掲示板にレース毎に予想を上げていくというものだ。「あの時のパーフェクトは凄かったよな」とか「函館で万馬券を連発するすえちゃんも凄いな」とか「チャーさんが突然現われて、万馬券を仕留めまくった今年の春頃は凄かったな」とか・・・。おおっ!チャーさん、赤くなってる、赤くなってる・・・ああ、これは酒のせいだな(笑)。とにかく、盛り上がった。
 食事もあらかた終わりに近づき、今度はそれぞれの競馬理論についての話に移った。こういった話になると、直感的予想に近い私よりも、膨大なデータを誇るサイン派・指数派に俄然注目が集まる。まずはやえちゃんが口火を切った。持参したPCを立ち上げ、愛用のソフトの説明をしてくれた。どこまでが企業秘密なのかわからないので、深くは言わないが、とにかくこのソフトは、オッズを基にある結果を導き出してくれる。それをやえちゃんが持つ独自の経験と直感と理論で、買い目を弾き出すらしい。なるほど、なるほど・・・そういう考えもあるのね。うーん、しかし・・・私はどうも・・・。となることは、やえちゃんも承知しており、前置きして、「しょざわさんは納得行かないでしょうけど」と言ってくれた。でも、面白い理論だとは思った。このやえちゃんの理論に最も興味を示したのは、のんくんだった。もう身を乗り出して、「へぇー」、「ほぉー」と感心しきり。ああ、のんくんもとうとうサイン派に変わってしまうのね・・・(笑)。
 続いてはすえちゃん。こちらも持参のPCを開き、こちらは膨大なデータを披露してくれた。EXCEL表に埋め尽くされた数字の嵐・・・。これらの解析から、出目予想、指数予想が展開されるのだ。そのなかには、過去の的中実績もあった。そのなかには何と、私が的中したレースのものもあった。どのレースかはわからなかったが(馬連の数字しかなかったため)、そこには燦然と「しょざわ」の文字がきらめいていた。なんか妙に嬉しい・・・。
 出目・サイン予想を嫌う私であるが、お二人のデータ/理論に直に触れると、思わず、何も言えなくなる。これら膨大なデータを眺めていれば、「競馬は数字が走る」という言葉に真実味・現実味が備わってくる。一見するとサイン・出目というのは、安易な予想だと取られやすい。馬のことなど考えずに、ただ、ある組み合わせを買うだけ、枠順を見ながら、右から何番目を買うだけ、そんな風に考えてしまうからである。しかし、重要なのは、結論ではなくそこに至るまでの過程だ。何故その出目が現われたのか、何故、その組み合わせを買うのか、彼らは、それを導き出すために、毎週、データを蓄積しているのだ。やえちゃんは私にこんなことを言った・・・「今日のデータは来年のためにある」・・・私には決して真似のできない根気と執念、そして、競馬への情熱をここに感じた。だからといって私がこの理論を完全に認めたというわけではない。しかし、完全に否定するだけの根拠もない。互いの予想に敬意を払いつつ、これからも競馬を楽しんでいきたい・・・そんな思いを持った。
 おっと、話が哲学的になってしまったところで、元に戻そう。お膳も片付けられ、さてどうしようかとなった時、すえちゃんが、とりあえず、他のネット仲間の結果がどうだったか見てみようと言い出した。おおっ!早速、見てみよう!。じゃあ、まずは、岩ちゃんから・・・満場一致だった。すえちゃんの携帯の調子が思わしくなく、接続に手間取ったものの、何とか岩ちゃんのHPを開くことができた。さてさて、どんな予想をしているかと覗き込んでみると・・・「おおおおっ!」・・・一同、思わずのけぞった。何と岩ちゃんは、我々を意識し、午後の福島の全レースを予想していたのだ。いやー、なんとまー、粋なことを。こういった心遣いが胸を打つ。なんか妙に嬉しくなった。では早速、チェックさせていただきましょう。まずは6R・・・ムッフッフ、7R、あっちゃー、・・・8R、9R、10R・・・11R、ありゃりゃ、12R・・・、うわー、やっちまったー、タコってるぞーーーー!、ウッヒャッヒャー!(勿論、声には出さなかったが)。すえちゃん、のんくんに完全にやられた直後だっただけに、不謹慎ながら私にとって、何よりの救いとなった。続いて福島以外の結果をチェック。おおっ!函館・マリーンSが当たってるじゃないの!。しかもプリエミネンスに◎を打っての的中はさすがだ。私もこれを当てたものの、人気薄に◎を打った岩ちゃんの方が穴党としては勝ちに匹敵する。ちょっと悔しさが・・・。あと残るは函館の9・10R。福島競馬場ではこの2つを買うことが出来ず、結果を知らなかった。そこで、のんくんがi-modeで結果をチェックした。岩ちゃんの9Rの狙いは◎10.トウジンデンセツ。関東では馴染みの馬であるが、人気などは全然わからなかった。と、のんくんから情報が。「おいおい、9Rは大波乱だよ。単勝で90倍もついてるよ」。実は、チャーさんと新幹線のなかで「函館9・10R、面白そうだけど、買えるのかな?」などと話していたのだが、それが現実のものとなった。のんくんから続けて、「馬連は150倍だよ」の情報が。「馬番は?」の問いに、のんくんの答えは「10-11」・・・あれ?・・・何ーーーーーーー!当たってるじゃんか!・・・。単勝95.7倍の大穴をあけたのが何を隠そうトウジンデンセツだったのだ。馬連158.3倍。すっげーーーー!。思わず皆、顔を見合わせた。やるなー。更にのんくんが続ける。「ワイドも凄いよ。1着3着で184倍だってさ」。その馬番もチェックしてみると、何と岩ちゃんの買い目にあるではないか。ひょえーーーー。岩ちゃんはこの一発で話題の主役へと昇りつめてしまったのだった。
 「ちょっと待てよ。馬連で150倍だけど、これ、ワイドで買ってたら、53.5 + 184.9倍だから、ワイドの方が儲かってるじゃんか」「ウッヒャッヒャー(笑)」・・・特にこのネタがお気に入りだったのは、のんくんだった。繰り返し、ワイドの方が儲かった、儲かったと捲くし立てていた。酒量もかなり進んでおり、いい感じに出来上がっていたようだ。いやー、ほんと、岩ちゃんには参ってしまった。と、すえちゃん(あるいはのんくん?)から、一つの提案が。「こうなったら岩ちゃんを福島へ呼んじゃおう!」。福島の親父連はかなり本気だ。早速、メールで誘いをかけた。のんくんは「俺の友達は京都から日帰りでゴルフをやりにここまで来たんだ」「朝一の飛行機でくれば余裕だ」「今日、勝った分で来れるだろう」と饒舌に語り続けていた。果たしてほんとに来るのだろうか・・・期待と不安を抱きながら、掲示板へ祝福(!?)の書き込みをして、この話題を終了した。
 さて、ここでようやく風呂へと向かった。温泉なんて本当に久々だ。見ると、露天風呂まであるじゃないの。早速、そちらへ足を運んだ。やっぱ広いお風呂はいい。都会の狭いユニットバスに湯を張って入るとは雲泥の差だ。ここでものんくん、やえちゃんと思わず話し込んでしまった(すえちゃんは後からということで部屋に残っていたし、チャーさんはさっさと上がってしまった)。実はこれが失敗だった・・・。それにしても、のんくんは本当に面白い方だ。実は仕事の関係上、2日後にはオーストラリアに出かけなければならないにも関わらず、このオフミを企画し、参加してくれたのだった。しかし、そのことを全く表に出さず、純粋に楽しんでくれていた。露天風呂で話をしながら、そんなことを思っていた。のんくんは言った・・・「『心ひとつに』って名前、好きなんだな」・・・これからもHP運営を頑張らなきゃ!・・・そんな気持ちになっていた。
 部屋に戻ると、早々にチャーさん、やえちゃんとご就寝に。お疲れだったのだろうか、それとも、明日への英気を養うためなのか・・・。この日は意外と無口だったチャーさん・・・何か不気味ささえ感じつつ、皆、床に就いたのだった。

  −−− 続く(いよいよ次回は最終章・日曜結果報告) −−−