2000/08/01・福島オフミ報告[2](2000/07/29-30)

第一章・見せ付ける地元勢(07/29(土):競馬結果報告)

 いよいよ6Rから全員揃い踏みしての競馬のはじまり。まずは、朝から参戦のすえちゃんとやえちゃんに、午前中の結果を聞いてみた。すると、1Rの万馬券抜けは痛かったものの、すえちゃんはここまでで既に3勝を挙げていた。さすがはすえちゃん、堅いところも荒れるところも狙い撃ちできる自在性はここでも健在だ。一方、やえちゃんは?と聞いてみると・・・ な・な・なんと、ほとんどのレースを見送っているというではないか。狙ったレースしかやらないこのストイックさ。競馬場まで来てこれが出来るなんて、並大抵の意志の強さではない。思わず一同、感心してしまった。そんな真似は私には出来ない・・・当然、買えるレースは全部やるぞ!の気合で、のんくんとともに、パドックへと向かった。
 福島デビュー戦となる6Rは3歳新馬戦。唯一のパドック派である私としてはここは願っても無いレース。とにかく一発目にどかんと仕留めればかなりのインパクトになる。ここは是が非でも当てたいところだ。このレースは前走のデビュー戦2着のロイヤルキャンサーが圧倒的人気に推されていた。しかし、パドックを見る限り、まだ太め残りで何やら怪しげなムード。単勝1.0倍で動かないこの状況に、のんくんと「これ、単勝が美味しそうだね」とほくそえむ。荒れ気配を感じると更に気合が入ってしまう私。思わずここから無口になってしまった。さすがののんくんも嫌気が差したのだろう。さっさとその場を後にしてしまった。「純粋にわいわい楽しもう!」という気持ちで乗り込んできたのんくんには申し訳無いことをしてしまった。このあたりがどろどろ人間の悲しい性か。
 なかなかの粒揃いのなか、ピックアップしたのは初出走となるウェディングキラリ。ぎゅっと詰まった馬体で仕上がりも上々。当然、単勝も購入し、レースに挑んだ。馬券を購入後、席に戻り、皆の印を見ようかなとするが、あまり手の内を見せたがらない。出だしだけに様子を窺っているようだ。総ガラス張りの3F自由席は絶好の眺めで、まるで府中のA指定席並みだ。これで入場料100円だけなんだから安すぎる。そしていよいよレーススタート。人気のロイヤルキャンサーは絶好位をキープ。早々と連確保の様相。対照的に我が◎は4コーナーあたりでずるずると後退してゲームオーバー。結局このレースは4角から捲ったセイウンユウカロイヤルキャンサーを捕えて勝利した。馬連は10倍そこそこだったが、単勝が32倍もついていた。さてさて、皆さんの結果は・・・ん?あまり元気が無いぞ・・・そりゃ、そうだな。皆、穴党だから。・・・と、やにわに、すえちゃんが胸ポケットを探り出した。あれ?この光景、どこかで見たような・・・。すると、そこから的中馬券が出てきたのだった。すえちゃん、いつも通りの好調ぶりだ。・・・そうだ!この光景、中山でのオフミで岩ちゃんがメインレースの的中馬券を見せた時と同じだ!。うーん、直感的にお二人が似ていると感じていたが、まさかこんな仕草まで同じとは・・・。
 気を取り直して7R。今度は古馬500万下のダート戦だ。頭数は手頃ながら、何やら不穏なムードが漂う。ここは乱ペースになると想定し、差し馬をピックアップ。狙いはチアズムーンシップだ。前走でも◎を打っていただけに、ここはその時の借りを返してもらわないといけない。自信を持って◎だ。すえちゃんはタヤスハマーに、チャーさんとやえちゃんはエーピートルファンに(あれ?やえちゃんはヒシゼファーだったかな?)、そして、のんくんはノボユウユウに、それぞれ◎を打っていた。のんくんは、オッズから面白そうな馬をピックアップして狙っているらしく、ここは複勝も押さえていた。そしてスタート。いきなりノボユウユウが出遅れた。「あっちゃー」、のんくん、苦笑い。しかし、差し競馬を想定していた私としては、非常に不気味に感じた。離れた最後方だったが、フットワークに力強さがみなぎっていたからだ。
 レースは予想通り速くなった。直線に入ったところで先行馬が一気に失速。好位から一気にフジゼファーが抜け出した。そこで外からのっさのっさと◎チアズムーンシップが上がってきた。ここで福島初の絶叫、「よし、差せー、差せー」。隣ののんくんも応援に廻ってくれた。「4、来い、4、来い」。ところが、そこへ最内から猛然と一頭突っ込んできた。最後方待機のノボユウユウだ。「うわっちゃー」・・・最初の絶叫は虚しく終わった・・・。落胆している私に、のんくんが「4、惜しかったね」と励ましの言葉をかけてきた。「いやいや、そんなことより、やりましたね!」と逆に祝いの言葉をかけた。すると・・・「えっ?」・・・なんと、のんくんは、自分の馬券が的中していることに気付いていなかったのだ。のんくん曰く、「いや、俺の馬は後方にいたから、もう駄目だと思ってさ、そしたら、みんなが4を応援してるから、俺もこうなりゃ4来い、4来い、ってなったわけよ」・・・。そうこうしているところに場内に配当が流れた。馬連64倍、おおっ!高配当じゃないの!。皆の祝福の言葉が飛びかった。そこでのんくん、先ほどの言葉を何度となく繰り返していた。「4、来い、4、来い、って」・・・。「こらー、自分の◎を最後まで応援せー!(笑)」・・・突っ込んだのは言うまでもない。
 続いては8R。障害OPの福島ジャンプS。密かにエーピーランドの参戦を期待していたが、残念ながら出てこなかった。代わって狙いを立てたのが久々も好仕上がりを見せる◎ミナミノゴージャス。実はこの馬もかなりのお気に入りの馬で、3年前の3歳函館・クローバー賞で挟まれながら3着に入った当時から要チェックしていた馬だ。昨年も新潟で一つ美味しい思いをさせてもらっていた。エーピーランドの代役としては十分だった。そんな気持ちを知ってか知らずか、なんとここでチャーさんとの被り。本人、かなりショックを受けたようだ。しかも「自信あり!」と豪語していただけに尚更だろう。結果は人気薄スチュードベーカーの大駆けで万馬券決着。残念ながら誰も的中できなかった。
 気を取り直して9R。ここは今一つぱっとしないメンバーで結果もそこそこ無難に収まった。こういうのをすえちゃんが外すわけもなく当然のGET。私も恥ずかしながらタテ目でちょこっと当ててしまった。とりあえずタコだけは免れたことでほっとした。小倉では◎キクノアペックスの粘りに2度目の絶叫をかましたものの、またもや3着・・・エイシンモモタローの馬鹿野郎・・・。
 10Rは安達太良特別。ここでいよいよ、やえちゃんが登場。朝からこのレースが勝負Rだと公言していただけに、気合の勝負!。ところがここで衝撃の事実が・・・。何と私と◎ミッドナイトボイスが被ってしまったのだ。実は内心、嫌な予感がしていた・・・被りそうな予感が。私もこの馬、右回りで一変すると睨んでここまで待っていたのだ。そしてその不安は現実のものとなってしまった。ゆるやかな流れを後方で進めたこの馬に福島の小回りは短すぎた。やえちゃんに平謝りするしかない。「いいよ、いいよ」と気にしていない風を装うやえちゃんであったが、その顔の奥に怒りを隠していたことは明らかであった。
 小倉の10Rは多頭数の短距離戦。穴の匂いがプンプンする。ここは◎ジョーディッカーから攻めの多点買い。しかし終わってみれば人気のノボリユキオーが勝利し、2着に人気薄のホットパーシュートが突っ込んだ。50倍は美味しい配当。これも見事にすえちゃんが仕留めていた。いやー、ほんと、見事な予想ぶりだ。アウェー軍団はホームチームに押されっぱなしだった。ちなみに、やえちゃんにここでの狙いを聞いてみたが、「まあ、当たったら言うね」と断られたことを付記しておく。うっ!やっぱ根に持ってる(爆)。
 いよいよメイン競馬のスタート。まずは函館・マリーンS。ここでようやく一矢報いることができた。人気でもここは鉄板と踏んで◎に推したシンコウスプレンダが直線、外からじわじわと前を追いつめる。ここで3度目の絶叫。「差せー、差せー」。見事に差し切ってくれた。2着にプリエミネンスが入って馬連48倍。たなぼたの中穴、ラッキー!。この勢いで福島もいただこうと、狙ったのは◎アルファーリバー。久々も実力は一枚上と判断したことと、意外と人気が無かったことで狙った。そんな時、後ろの席に座ったすえちゃんとチャーさんとやえちゃんのそれぞれの狙いが耳に入ってきた。・・・「すえちゃん、ちょっと不吉なものを」・・・と、スローモーションで、印を書き込んだ新聞を皆の前に差し出した。「うわっ」・・・見事にすえちゃんと被ったのだった。ここまで、チャーさん、やえちゃんと連発で被りドボンをかました私は、早くも疫病神と化していた。果たしてすえちゃんの勢いはこの窮地をも抜け出すことが出来るのか・・・。いやー、ほんと、すえちゃんの勢いは凄い。何とこの逆境をも跳ね返し、見事、アルファーリバーが2着に入った。馬連18倍。便乗できた私はこれでメイン連勝。とりあえず、見せ場が作れたことで満足、満足。
 さあ3連勝をかけての小倉の勝負。実はこのレース、チャーさん、やえちゃんと◎被りドボンをやらかしたことで意気消沈していた私を気遣い、10R終了時点で、のんくんがこのレースについては、私の予想に乗ってきたのだ。なんて優しい方なんだ・・・。こうなりゃ何としても当てたい。そんな私の◎はピープルヒーローだった。しかし・・・3コーナーで既に手応え怪しく、直線も伸びきれずに外れてしまった。ああ、これで4名中3名に被りドボンを炸裂させてしまった。何という罪作り。私の予想が嫌われる理由がここにあることは間違い無かった。
 早いもので、あっというまに最終Rを迎えてしまった。メインでそこそこ奮闘したものの、結局ここまで、すえちゃんの一人舞台といった感じだ。何とか最後は意地を見せようと新聞を広げ、馬柱を確認。・・・なんで最終Rが芝やねん!しかも少頭数なんや!・・・。半分やけで、3走前に福島で未勝利戦を勝っているツクバペガサスに白羽の矢を立てたものの、今一つ盛り上がりに欠けていた。そんな我々の度肝を抜いたのは、すえちゃんだった。席に戻ってきたすえちゃんが、さっと我々の前に一枚の馬券を見せた。一同、「おおおおおおおっ!」。それはなんと、馬連3−8一点一万円の勝負馬券だった。この時点でこの組み合わせは24倍はある。ということは、何と当たれば24万円だ!。すっげー・・・。「来たら豪遊だな」「寿司どころじゃないぞ」・・・一同、既に当たったような気分。自分の馬券なんてどうでもいい。とにかくこれさえ当たれば・・・。さっきまでの雰囲気はどこへやら、大いに盛り上がった。そして注目のレース。予想通り、逃げたのは3.マルターズリリー。いい感じだ。3コーナーあたりで後続が迫ってくるものの、まだ手応えに余裕がある。この時点で私の馬は圏外にいたため、もう、すえちゃん馬券だけに注目する。迎えた直線、マルターズリリーの連は間違い無い。あとは2着争いだ。うー、8.ナスケンリーダーの伸びが一息。ああ、ここで終わってしまうのか。ゴール前、4.スナークハンターがマルターズを交わして先頭にたち、そのままゴール。マルターズが2着に粘り込み、人気馬総崩れ。馬連72倍の決着となった。「ああ〜」・・・一同、がっくり・・・。
 しかし、これで終わったわけではなかった。すえちゃんの動きが怪しい。内ポケットを探り、別の馬券を我々の前に差し出した。「あああああああっ!」・・・これまた一同びっくり。なんと3−4を500円も買っていたのだ。これで36、000円の払戻し。見事にプラスに持っていったのだ。「てっきり一点勝負と思っていたよ」「何でこんなの、持ってるんだー」・・・湯水の如く言葉が溢れ出した。いやー、参りました。
 とにかくこの初日は、すえちゃんに完全に翻弄された一日であった。のんくんにも大穴一発カマシを食らっただけに、この日は地元勢の底力を見せ付けられたのだった。

  −−− 続く(次回は土曜の夜の部) −−−