『暴走』の梅サワー (2003/12/29)

●事の始まりは一つの書き込みから
 事の始まりは、予想大会(有馬記念)でのある方の書き込みでした。『明日は埼玉に帰省。・・・』。それは、常連さんのなかでは、ちょうど中堅クラスの付き合いと言える、さくともさんの書き込みでした。埼玉?、ここじゃん!。このチャンスを逃しちゃ行かん・・ということで、早速、メール、『浦和で会いませんか?・・・』。巷では『最後の大一番』有馬記念で盛り上がっているなか、関東では、翌日に『最後の最後の大勝負』大井の東京大章典があるのだ。JRAではないが、とりあえずこれに誘ってみようと考えたのだ。昨年はnoriさんと、あまりの大観衆に殺意を抱きながら、現場である大井で盛り上がったわけであるが、今年は浦和の場外で、一つ、楽しもうということで、誘ってみたのだ。
 普段、そう会える方ではないだけに、自分一人では寂しいと、駄目もとで掲示板に緊急告知を打ってみたところ、やはり『あの男』が速攻で反応してきた。言わずと知れた、うっきさんだ。奴は『来るな』と言っても来てくれるだろう(笑)。とにかく、一人でも参加してくれることに感謝し、有馬の興奮も覚めやらぬ、翌29日、浦和参戦とあいなった。

●結構、合うかも
 『夜には、います』ということで、とりあえず、明日の参戦に向けて、電話連絡を取ることに。ネット上では、ざっくばらんに話している仲でも、いざ、実際にTELするとなると、初対面なだけに、やはり緊張。鼓動のリズムがいつもよりテンポを速めるなか、携帯をプッシュ。数回のコールの後、接続を告げる低い破裂音が耳に入り、そして、「どうも・・・」、、明るい若い声が返ってきた。お互い、初対面にありがちな、軽い気の焦りで、言葉より気が先行し気味。それでも、昼過ぎあたりに現場で会おうという約束をした。そしてもう一つ、予想大会の結果についても。何気にさくともさん、朝日杯時点で3位をキープ。やはり最終結果が気になっていたのだ。この時点ではまだ、結果をHPにはUPしていなかったが、手元で集計は終わっており、残念ではあるが、4位に後退した事実を握っていた。しかし、そこは『エンタメのプロ(!?)』、もしくは完全なる『悪魔』、敢えて、その場で結果は伝えなかった。「自分の目で確かめて」、、サディステックな言葉を残し、TELを切った。声だけの印象、、『これは合うな』、、明日への期待が膨らみつつ、『総評』の続きを書き始めた。

●気がつけば1R
 理由は言えないが、どんなに遅く寝ても、今や『超早起き』の私。朝9時には既に全開バリバリ状態(表現、古っ!)。とりあえず先に行っとこうと思い、10時半に家を出た。我が街・蕨から、浦和競馬場の最寄駅である南浦和は隣。あっという間に到着し、無料送迎バスを、汚いオヤジ連たちに並び、しばし待ち、そして、競馬場へ突撃した。場内で、柏木集保氏いなくとも、地方版・日刊競馬を購入し、さて、今、何Rぐらいかな・・・と思ったら、何と1Rに間に合ってんじゃないの!。何もそんなに早く来なくても・・・。まあ、間に合っちゃったんだから、これはもう、さくともさんへのファースト・インパクトを強くすべく、高配当目指し、いざ、1Rから勝負!勝負!。

●さくともさん、登場!
 時間は淡々と進み、はや6R。ここまで、掠ったような掠らないような、そんな予想の連続で、気がつけばタコ。最初の勢いはどこへやら、パドックを見ても時計を分析しても、この日の大井の傾向が掴めないジレンマ。そんな時、携帯のバイブレーションが太ももを揺すった。さくともさんからだ。第7投票所にいるというさくともさん。第7投票所ってどこ?。聞けばパドック正面に出来た大画面の真下にある投票所、すぐ隣だ。携帯を繋げたまま、そこへ向かう。入り口付近にいるというので、携帯片手の男を探すと、、いました、いました、若い兄ちゃんが。「はじめまして」、軽く挨拶を交わす。昨日、TELで話した通りの明るい兄ちゃんだ。早速、この6Rから戦いの開始!。と、、出ました、出ました、ビックな馬券。3連単で100万馬券!。・・んなもん、取れるわけ無いじゃん!。さくともさん登場で、リズムが変わることを期待した浅はかな自分の思惑をあざ笑う現実が待っていた。

●いまだ、片目開かず
 7R、お互い、穴っぽいところから狙うも、軽く撃沈し、早くもメイン前となる8R。ここで再び携帯が。うっきさんの登場だ。まだ競馬場入り口にいるとのことで、こちらに向かうとのこと。うっきさんについては、探す必要は無い。いやでもその馬体が目に入るからだ(笑)。携帯を切り、入り口方向を見ていると、、やっぱり、すぐわかりました(爆)。うっきさんの登場です。普段は夜間勤務を終えた足でそのまま不眠不休で競馬場へやってくるうっきさんも、さすがに最近はそういうわけにもいかず、昼まで寝ていたらしい。いつもよりどこかすっきりした表情で現れたうっきさん。とりあえずこの8Rをさっと予想し、馬券購入に。ここまで、二人ともまだ、片目も開いてない状況だけに、「いきなり、うっきさんに決められたら嫌だな・・・」、などと嫌な予感があったものの、どうやらそれも杞憂に終わり、ほっ。しかし、我々のタコ状態もまた、継続となった。

●もう騙されないぞ
 そしていよいよ迎えた9R・東京大章典。パドック&近走チェック派と、基本理念が同じ私とさくともさんが、パドックに目を向ける前に、早くもうっきさんが先制攻撃、「これはトーシンブリザードだろう」。18ヶ月ぶりの前走のマイル戦を3着し、迎えた大井の怪物だ。一昨年のフェブラリーSでアグネスデジタルの2着に入ったことは記憶に新しい。この馬の『復活』というのは、ある意味、絵になる。名手・石崎に賭ける価値は十分ありそうだ。しかし、そんな言葉を軽く右脳の片隅に収めて、さくともさんとともにパドックに集中。ネームヴァリュー、ビワシンセイキあたりの出来は良さそう。一方、サイレントディールは今一つ、ピンと来ない。コアレスハンターも悪くないが、JBCクラシックの方が良かったような・・・。そんななか、スターキングマンの仕上がりがいい。元々、見せる馬体だけに過信は禁物であるが、有馬でお世話になったこともあり、ここは武豊を素直に信頼(いつからこんな男になってしまったんだ、俺は・・・)。スターキングマンからの馬連と、スターキングマン−ビワシンセイキの3連単で勝負に出た。相手にはカネツフルーヴ、ナチュラルナイン、トーシンブリザードを指名。前述の通り、サイレントディールは論外、コアレスハンターは前走の方が・・という理由で、ぶった切り。ペリエのおかげでサイレントに人気が集まっているだけに、これは美味しい。一方、さくともさんはコアレスハンターから。うっきさんはトーシンブリザードから狙ってきた。ここでまたもやうっきさん、「これが来れば今日はおごれるよ」と、函館2歳Sの強烈なスカシを忘れてしまったのか、またもや人に期待を抱かせる発言を飛ばしてきた。もう騙されないぞ(笑)。

●塵も積もれば・・・
 15:45、大井競馬場に、浦和の場外に、全国の大空に、高らかにファンファーレが鳴り響く。16頭のスターホース達が続々とゲートに収まってゆく。衆目の視線が、それぞれの信じる馬に注がれる。そして、ゲート・オープン!。14番枠のスターキングマンを中心に捉えていた私の視界の片隅で、何かが躓いた。トーシンブリザードだ!。一完歩、出遅れる。思わず焦点がトーシンにロックオンする。その直後、今度は外ラチへ向かい、まるで逸走するかのように突進する。血迷った。そして、、、思わず、うっきさんの方を振り返った。「終わった・・・」。大外枠の不利に出遅れのオマケ付き。地方競馬ファンの夢が早くもついえた瞬間だった。1コーナー、大方の予想通り、カネツフルーヴが先頭で廻る。しかし、サイレントディールも譲らない構えでぴったりとマーク。淀み無い流れだ。「これは嵌まる」、、自信が確信に変わりつつあるのを感じる。3コーナー手前、早くもサイレントディールがカネツを潰して先頭に。絶対に速い。「有馬で武豊が引っ張ってくれたから、今度は逆の立場で恩返しか?」、そんな考えが脳裏を掠める。ビワシンセイキとスターキングマンも、敵はペリエとばかりに早めに進出。そして迎えた直線、ペリエを捕まえた2頭が早々と抜け出す。これで馬連は確定!・・・と思った瞬間、1頭、後ろから追随してきた、コアレスハンターだ!。言葉には出せない心の絶叫、「お前は来るなーー!」。抜け出したスターキングマンは快勝も、2着にはきっちり、ビワシンセイキを捕らえたコアレスハンターが入った。馬連16.2倍。馬連、3連複ともに、きれいに抜けた私に対して、コアレスハンターから馬連12-14、そして、ワイド12-14(4.7倍)と堅実に行った、さくともさんが見事に的中!。いつもの時計チェックでの判断が難しいさくともさんは、あまり『大魚』を狙わず、的確に、馬連、ワイドの併用で攻めてきていた。このあたりは、関東オフミ勢には無い戦法だ。配当は決して大きいものではなかったが、これがうちらの初的中!。とりあえず、全員タコを免れて、ほっ。・・・すると、さくともさんから思わぬ言葉が。「あっ、もう1個のワイドも当たってる」。そう、コアレスハンター−ビワシンセイキのワイドも、きっちり持っているのだ。3-12で8.1倍。16.2+4.7+8.1=29倍!。『ちりつも』というのは表現は悪いが、この配当はかなり美味しいかも。さくともさん、この一撃で、見事、本日プラスを決定させた。

●最終R?
 メインも終わり、さて、最終Rと行くか、、と思ったところで、うっきさんから忠告が。「最終じゃないよ」。げーー!、まだ3Rも残ってんじゃん!。恐るべし、大井。しかし、メインが終わって『早く酒飲みたいモード』のうっきさん、さくともさんに、『次が最終R』と決めつけていた脳みそを転換できない私だけに、次だけやって、退却しようということになった。で、その最終R、いや、10Rの結果はというと・・・聞かないで(笑)。

●ダービーネタで大盛り上がり!
 普段の中山や府中のオフミでも、南浦和まで戻ってきたらココ!、、という駅前からちょっと中へ入った『魚民』へ突撃!。早速、まずは中生で、乾杯!。とりあえず結果はどうあれ、一杯目はやっぱり上手い!。こうなりゃ競馬談義に華が咲くというもの。さくともさんの馬券戦略の話や、予想大会の話、ネット仲間の話などで、多いに盛り上がった。歳も近いこともあり、見てきた競馬、記憶に残る競馬も近いわけであり、それなりに歳を重ね、以前ほどは競馬に、のめり込んでいられない現状と、境遇が近いだけに、そんな自分たちの記憶力を試す、『ここ10年のダービー馬を思い出そう』、なんてところは、かなり盛り上がった。不思議だね、、ついこの間のことなのに、すぐにダービー馬が思い出せないんだから・・・。増しては牝馬に至っては尚更・・・。果たして桜花賞でワンダーパヒュームの2着に入ったのはダンスパートナーで良かったのか・・・。その年のチューリップ賞を勝ったのは果たして何だったのか・・・。

●意外な共通点
 実はこの3人には、ある共通点がある。それは、以前、同じ雑誌(別冊系)にそれぞれのHPが紹介されていたことである。さくともさんの『逃げねばり』、うっきさんの『秘密結社しろくま』、そしてこの『どろどろ競馬』(同じ雑誌にはふじげんのHPも紹介されている)。よくよく考えれば、すごいことだね・・・3人で自画自賛(笑)。

●絶好調!、そして、暴走・・・
 17時頃から始まった今回の飲み会も、トークが弾んだせいか、飲みのペースがいつもより早め。なかでも、うっきさんの勢いが止まらない。既にお馴染みの、同じジョッキでの『梅サワー』追加攻撃が炸裂。しかし、店側も、サワーだけ足して梅を入れないという形で密かに応戦。3杯目を飲み干す頃にこの事実にようやく気づいたうっきさん。次からは『梅も入れて』と店員のお姉ちゃんに念を押し、ようやく、梅干しがジョッキのなかで沈殿し、層を形成するように。4杯、5杯、6杯、、止まらない。しかしそれ以上に止まらないのが、うっきさんのトーク。いやー、しゃべる、しゃべる。これに興味津々の様子で、さくともさんがうなずく。一口馬主の話題で超盛り上がり!。困った、、一口馬主にはあまり興味の無い私、、だんだん、ついていけなくなる、置いてかれる、、。時計の針はそろそろ20時、、実はさくともさん、この後、無謀にも『徹マン』が待ち受けているらしく、「ならばそんなに飲むなよ」とツッコみつつも、とりあえずそんなタイムリミットがあったため、その時間を気にし始めた。そして、もうすぐ20時というときに、うっきさんのジョッキも空いた。ちょうどいいタイミングだ・・・そう思った瞬間、予想外の展開が待っていた。もう完全に勢いづいたうっきさんは、まだまだいけるという感じ。でもさくともさんが・・・ところが、さくともさんも「もう少し大丈夫ですよ」と、まさかの流れに・・・。この時点で、私の中では『ノーホイッスル』が鳴っていた・・・。この後、うっきさんとさくともさんのトークは、競馬から仕事、更には人生観への展開していったが、私にこの話についていく気力はもう無かった。
 チャーさん、覚えてるかな、、一番最初に3人で飲んだ時のことを、、。俺も寝たかったよ、、(内輪ネタでごめんなさい)。
 時計が21時近くなったあたりで、さすがにお開きにしてくれと懇願、しかし意気投合した二人は『二次会、行こう!』と誘ってきた。なかば半キレ状態の私は、「二人で行けよ!」。結局、二次会は無く、それぞれの帰途へと着いたのだった。まあ、正直言って、しばらく『オフミはやんない』と思ったのだが、それはその時の一時の感情、今はまたやりたいと思っている。

●奇妙な一致
 相変わらず、感情を押さえられない私のせいで、お二人に不快な思いをさせてしまったとしたら、ごめんなさい。まだまだ俺も青いな〜(笑)。特に、オフミ自体も初参加だったというさくともさんが、どのように感じてくれたかが、ちょっと心配。一応、帰り際、「楽しかった!」と言ってくれたものの、ちょっと気がかり。それでも、さくともさんの気さくな性格に、競馬に対する考えなどがわかったことは収穫だったし、さくともさんが、ある種、異常なほど、我がHPの隅々まで見てくれていること、そしてそれを覚えていることが、とても嬉しかった(あのマニアぶりは凄すぎ(笑))。
 思えば、お互いのHPが載った雑誌を見て、さくともさんからメールをもらったのが、ネット仲間となったきっかけ。それから、あっという間に親しくなったのは、馬券戦略が近いことや、競馬に対する考えが近いなどがあったからだろう。しかも、初めて万馬券を当てたレースが、同じメイショウマリーン−リワードプランダーで決まった94年の小倉大章典というのも奇妙な一致だ。でも、実はもっと私としては驚きの一致が。最後にさくともさんが『ぼそっ』と言った瞬間、実は『ドキッ』としたことが・・・。昨年のnoriさんとの初対面でお互い、『メタルブルーのライターを持っている』というのも奇妙な一致だったが、今回も驚いた。
 まさかお互い、『梅が嫌い』とは・・・(爆)。

 また、埼玉に戻ってきたら、ぜひ、やりましょう!。