蘭の会10月号



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連載>サルレト



□蘭の会2005年10月号おてがみ里都潤弥さんより


蘭の会の皆様へ。


日ごろお世話になっております。今日はお手紙を読んでいただける、ということで、思い切り自己アピールです。こんな私でよろしければ、ぜひに呑みに行きましょう。

<プロフィール>
29歳・男・O型・会社員・温和な性格

<経歴書>
 詩を趣味にして十数年になる。はじめたときは、「これはお金のかからぬ趣味だわい」などと思っていたのだが、続けてみると、意外とそうではない。定量的にはおもわず本を自費出版したことによる数十万の出費があげられる。定性的に言えば、詩を書いていると仕事に差し障り、生涯賃金が下がりうる、というのがある。悔いはあまりないのだが、婚期は遅れたかもしれない。

 詩を趣味にして十数年になる。恋愛の詩を書くのはあんまし好きではない。別に「愛している」といったことは、普通の言葉で、声で、身体で、十二分に伝えることが出来ると思うからだ。とはいえ、さすがに29にもなると狡猾になってくるのであり、こっそりとラブを潜ませたりする、なんてことはありえるのである。

 詩を趣味にして十数年になる。今は詩の小物を作ったりしている。携帯のストラップなんかしたことないのに、小物をつくる自分はアホなのか、とちょっと思わないわけでも無いのだが、趣味なので、面白いかもなあ、と感じたことには飛びつくのである。体重のわりにフットワークは軽い。

 詩を趣味にして十数年になる。趣味だけど逃げ場にはしないつもり。愚痴はこぼせる人にきちんとこぼすよ。それでも、辛いとき、寂しいときに詩を没頭して書く快楽に関しては、十分理解できるし、自分もたまにはまってしまう。みんな寂しいんだよ、と思う。

 詩を趣味にして十数年になる。書く内容は、ずいぶん変わってきたなあ。発想力に衰えを感じる。だが、「自分の詩が、誰かの心を、社会を震わせられればいい」という想いは変わらない。内面を書きながら、エネルギーは外側に向けているつもり。

 詩を趣味にして十数年になる。私にとっての詩は趣味である。そのスタンスは変わらない。だから好きなように、思うがままに書いていく。貴方のための詩ってのは、多分あんまりないよ。でも、貴方がいるから、自分の心は震えて、足は地面を捕まえている。そしてそこから言葉を生む日が来るんだと思う。

<最後に>
 つい熱くなってしまいましたが、普段はのん気ににこにこ、ビールばっかり飲んでいます。



□里都潤弥さんの短歌を読んでみよう!!!


食育宣言(2005年10月版)



おでんにははんぺんだけよと寄りかかる眼鏡を割って泣くオカマたち

「長い旅路になりそうだわ、おそらく」淡口しょうゆ二本を前に

硬くなっただんごを2分素揚げして見知らぬ墓にお供えをする

手帳には読めない過去も必要で5月のページコロッケ挟む

2005年7月の虫歯そのままに泣き暮らそうよだんごを食べて

うどんにはあまり興味がわかなくてそこだけ二人喧嘩をしない

ハサミ、ビール、ハサミ。繰り返し捨てて今日の食事はクッキー一つ

おはようからおやすみまでの歯磨き粉 ふっくらとした饅頭にのせ

里芋の煮物の汁を寝室にこぼせばそこに葡萄の夜が

イキモノをほんとに好きになるために炊き込みご飯二人で作る


□里都潤弥さんってどんなひと??

<日々について>

働いて、詩を書いて、短歌を書いて、時には良いこともあったりして、ありがたいなあ、と思う暮らし。

☆2004年 第一詩集「空に身体の船、青く」(草原詩社)刊行
詳細はこちら:http://triptychproj.hp.infoseek.co.jp/sorakarainfo.html
☆サイト「文字式」にて自作の詩・短歌を発表中。
詳細はこちら:http://www.geocities.co.jp/Bookend-Shikibu/4028/
☆詩的小物製造プロジェクト「トリプティク」にも参加中。
詳細はこちら:http://triptychproj.hp.infoseek.co.jp/
主な活動:TOKYOポエケット、POEMバザール等で詩集・詩的小物を販売。
     文学フリマ(05.11.20)、まめまつり(06.1.29)にも参加します。

◎お問い合わせはこちらまで・・・ kanon38@hotmail.com


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