<朝>



  今日と明日のはざまで
  潰れる夢を見たら

  記憶の底をなぞって
  息を続けてみる
  ふたりで迎えた朝
  
  地表が君の体温で
  温められていく

  目覚めるごとに世界は
  新しいのだと気付けた


  ひとりの夜に足許が
  ぼろぼろと崩れても
  絡まるための
  指に繋がれる

  貴金属は
  ただの飾りじゃない
  付ける人をその輝きに
  引き寄せるものだという

  はにかみ屋の君が
  差し出したのは
  どこまでもやさしく
  うねる光の輪

  いずれ旅立つ
  それでも届きたいと
  はやる私を
  静かに閉じ込める

  呼吸を整えて

  もうこんな時間に
  白むようになった
  東の空を見て

  あたらしい陽が
  昇り始めるよ

    

















































 photo:迦楼羅  蘭の会  NIVEAU DE COEUR