手紙といったら、大体はラブレターです。友達への親愛の手紙なんて余計に照れくさくって書くことができないのだし、蘭の会は女流詩人の場であるのだから、これはどうしたってラブレターにしかならないはず。ですからもし、これを受け取ったときに手から溢れ出し持て余してしまうようなものであったなら、これは自由に捨ててしまって頂いて構わないのです。
男と女の関係は潔いのが望みで、長い間の切ない感情はごくわずかな人たちとの間だけに起これば良い。ラブレターというのは、そのために捨てられる覚悟のある手紙のことです。 最近、恋をしています。それものっぴきならない恋、初めて経験するような激しい恋です。月明かりの夜道を当てもなく散歩してゆくように、どこまで続くのか想像も出来ない恋です。
女性は、強い感情の生き物だと随分勝手に思っています。けれど生物学的に(?)男が襲う性であるとしたら、女性はいつも決定する性であるような気がします。正確な意味で、女性が頷いてくれなければ男は何もすることができないという思いがあるから、僕にとっていつも鍵を握っているのは女性のほうであって、行動を許してくれたときに、いつもはじめてそれが成り立ったりするのです。ふたりの間の行動は、一人で起こしてもそれだけで成り立つものではありませんよね。 詩は、飛んだり跳ねたり、時に枠から飛び出してゆく言葉の様々なアクションではあるけれど、その狭間を横切るたとえようもない行間のエモーションが本質だと思います。女性の行動はとても詩的なことが多くて、だからといって女性が皆詩人ではないのだろうけれど、僕のような男にとってみれば、そのせいでこうした場にもラヴレターを書いてしまうより他に仕方ないのです。 先月のことになりますが、名古屋でPoetryReadingのライブイベントに出演しました。80人ほどの来場があって盛況でしたが、その大半が女性客であったと記憶しています。
女性の反応は男性のそれよりもよっぽど複雑で、ある知り合いの朗読詩人には、舞台のあと随分そっけない態度をされてしまいました。その後の打ち上げでは徐々にいつものように話をしてくれたけれど、あれはいったい何だったのか。僕のステージが気に入らなかったのかなんなのか、あの不機嫌の理由は未だによく分かりません。けれど少し笑い合うことがあればそれで済んでしまうことも多いのだから、女性に多くの決定権があって、しかもそれがとても詩的な理由によるのだというこのは、こういうことであるのかもしれません。自ら行間を刻んでゆく詩人になれるということは、なんて素敵なことなのでしょう。 オンラインで拝見できる好きな詩人には、特に女性がたくさんいらっしゃいます。もちろんその中には蘭の会のメンバーも幾人か。
たおやかで、くせがあって、つかみどころがなくって、不埒で、ときにさわやかであったりする皆様に、僕はこれからも恋をしてゆくことでしょう。 |
+はづきっく情報
葉月之寛
1976年生まれ 北海道出身・愛知県在住
2000年春頃からネット上で作詩、公開。個人サイトの他、
投稿サイト「群青」などを手がける。 2001年夏頃からはPoetryReadingにも取り組み、「PoeticFree」 「PO-E-DA-SHI」などに出演、現在は名古屋市昭和区八事にて 毎月第四木曜にオープンマイク「詩のあるくちびる」を主宰中。 【Verse-Verge】http://www.verse-verge.net/
【LipLine】http://www.verse-verge.net/lipline/ 【シュラフWeb】http://www.verse-verge.net/chhh/ 近日、サイトにて小説風テキスト「花散る音、水の音」を連載開始されるそうです。ますます、はづきっくから目が離せない! |
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◆蘭の会会員の出版物についてのお知らせ
佐々宝砂
『仮想地下海の物語』 1800円(税別)
詩の出版社ミッドナイト・プレスから発売されました
上記についてのお問い合わせはこちらへ
http://www.midnightpress.co.jp/
◆3月号のコンテンツ
+詩集[耳」
耳を澄ませば、ほら、そこに。
ずっと、聞こえていた世界がある。
+Web女流詩人コラム
好花 「リズム」
Thinking about Poetry Reading
第6回= 「息、声 」 沼谷香澄(略称 ぬ
+まな板の上にコイ!突然やってきたぞ、最終回!
どうしてみゆきちゃんは転勤しちゃったのだろう - ひろっちさん
流星雨2001 - 山田せばすちゃんさん
無題I〜IV - 王もしくは王殺しさん
製造過程 - ロコの畔さん
丸みを失い 消えないように - シモジマトーチカさん
ワルキューレの騎行 - 浅葱凸さん
(総投稿数 10)
◆5号のお知らせ
+詩集「耳」
耳を研ぎ澄ませ
聞こえない音を聞こう
+Web女流詩人コラム
未定
+まな板の上にコイ♪は終了いたしました
一年以上ご愛顧いただいたまな板のうえのコイ♪は
4月号を持ちまして終了いたしました。
ご投稿は受け付けておりません。
投稿いただいた皆様、ありがとうございました。
秋ごろ、新企画がスタートいたしますので
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