鈎を飲まれたときの対処方法
鈎を飲まれてしまった経験は誰にでもあると思います。しかし、その対処方法によっては魚は致命的な傷を負います。特に捕って来て飼育する場合などは傷を最小限にしなくてなりません。そこで、できるだけ魚に優しい飲まれた時の対処法を書きます。ただ、これは今まで管理人がやってきて、最も生存率が高い方法(飼育環境下)を述べるのであって、もっと良い対処法があるかもしれない事をご理解願います。
基本的には無理に外そうとしないということです。よく、鈎外しや先の細い鉗子などで鈎を外しているのを見ますが、これは魚にしてみると致命的な障害が残ります。外し辛いのを無理クリ外すのですから、その傷はとても大きくなってしまうのです。そうするとそこから細菌感染などを引き起こし、命を落としてしまいます。また、傷は大きくならなくとも、外そうとして長時間魚を握っているだけでも魚の皮膚はボロボロになってしまいます。
ではどうしたら良いかと言いますと、鈎はそのままにして外さない事です。そして、できましたらその魚の体長よりチョット長くハリスを付けたまま切ってしまってそのままにします。たったこれだけのことです。
なぜ体長より長いハリスを付けておくかと言いますと、魚が泳ぐ事により、鈎は糸と水の摩擦で常に弱い力で引かれています。そうする事により、糸を飲んでしまうことが防げますし、時には何かの拍子にポロって取れます。もっとも、刺さった鈎はトゲと一緒ですから、魚の体も拒否反応を起しているので、異物除去作用が働いているものと思われます。通常ですと一ヶ月以内には取れます。
時々糸を飲んでしまう魚もいます。でも、そのまま放置してください。段々と肛門から出てきますので。最初は糸が出てきて、最後は鈎も出されてしまいます。魚の体って実に上手くできてます。糸を飲んでしまうと外れるまでに時間が掛かります。半年位掛かる事もありますが、魚に問題はありません。
注意しなくてはならない事が一つあります。それは、付けているハリスが水槽のレストレーナーに吸い込まれてしまったり、水槽のデコレーション(流木とか水草)に絡んでしまうことです。こうなると、魚は全身の力を使って外そうとしますので、傷が大きくなってしまいます。もしも外そうとしなくても、その場から動けないので、当然餌を取り辛くなります。よって、数日で死んでしまいます。チョクチョク見て上げて、そのようなことがないように注意してあげて下さい。
リリースする時も同様にして上げると生存率がUPすると思います。出来ましたら、このようにしてリリースしてあげて下さい。