珍しい魚

無斑ヤマメ

関東のある渓で釣れた無斑ヤマメ。これは雌

この日は3匹が釣れた。
3匹の無斑ヤマメが生きたまま撮影されたのはこれだけと思う。

釣れたとき。これは雄

【分類】
    
無斑ヤマメって、実に解りづらいです。
    まずアマゴにも無斑型がいて、それを無斑アマゴとかイワメって呼んだりします。でも、よーーーく考えてみると、そもそもヤマメとアマゴって朱点の有無で判別してるんですよね。(『朱点のないアマゴ』などというとんでもないことを書いている人もいますが、訳ワカラン。朱点のあるヤマメはどうなんだろ?)まったく無いのがヤマメで一個でもあればアマゴだってことだったと思います。ところが、無斑ヤマメと無斑アマゴは朱点や黒点さえもありませんので、判別不可能です。捕れた場所がヤマメの渓かアマゴの渓か?で判別するしかありません。よって、魚だけ見て『これは無斑ヤマメだ』とか『無斑アマゴ』だとか言えないと思います。僕が考えるには分ける必要がないのです。何故人は色々な物を分けたがるのでしょうか?新種を見つけると学名に自分の名前を入れられるとか?いずれにしても学者さんの欲がちらついている気がしてなりません。基本的にヤマメとアマゴは亜種だという事らしいので、少なくとも無斑になってしまえば同種ですね。

【呼称】
 もう一つ言わせてもらうと、イワメという呼び名。無斑ヤマメや無斑アマゴをイワメと呼ぶことがある。特に無斑アマゴについて呼ぶことが多いが、誰が付けた名前なのかのは知らないが、イワメという言葉にはイワナとヤマメの交配によって出来上がった魚であるというイメージが付いて廻る。イワナとヤマメの交配種はムラムラの斑紋をもった魚であって、決して無斑ではない(もしかして無斑も出るのかなぁ?)。よって非常に混同しやすい呼び名なので、是非やめて欲しい。そもそも標準和名(一般的に呼ばれている呼称)はその魚の特徴を表しているものです。
 ある人から聞いたのですが、その人が故意にしている養殖業者さんから聞いた話だと、無斑ヤマメは養殖では高確率で(と言っても低いでしょうが、あくまでも天然孵化に比べての話です)出現するのですが、卵の選別をするときに無精卵として除かれてしまうのだそうです。一般的に有精卵は数日後に色が付いてくるのですが、無斑やアルビノなどの色素欠乏の固体は無精卵として省かれてしまうらしいのです。多分卵の時点から無斑みたいです。
 僕は無斑ヤマメと無斑アマゴは総称して無斑ヤマメと呼んでいいのではないかと思います。そもそも、アマゴはヤマメの亜種なのですから。そして誤解を招く“イワメ”などという呼び名は決して使わないで欲しいと思います。“イワメ”は上記したムラムラの斑紋をもったイワナとヤマメの交配種の呼び名にするべきだと思います。

【中央構造線と一致?】
 どこかの先生が、無斑ヤマメと無斑アマゴの生息地は中央構造線と一致していて一直線に並び・・・とあたかも不思議な魚であるように言われたようですが、そもそもヤマメ・アマゴの棲息地は中央構造線に一致しているのであって、無斑が特別一致しているとは思えません。ちなみに写真の無斑ヤマメは中央構造線からかなりかけ離れた場所で採取しました。