相談事例495相談内容と回答(H19.3.31)
●相談文
年齢:23才 性別=女
2年前に、ナットクラッカー症候群と診断されました。
自覚症状は全くなく、尿検査で潜血反応がある以外には特に問題ありません。肉眼的血尿も今までありません。既往歴はありません。
12月末からなにか左背部に違和感があり、1月にはいると左のわき腹に鈍い痛みを感じるようになりました。我慢できない痛みではなく、日によってまちまちです。
あいにく実家に帰省していたのでいつもかかっていた病院にはかからずに、実家の近くの病院を受診しました。エコーで、左の腎臓が腫れている、と言われ、血液検査・尿検査で炎症反応は見られませんでした。
医師からは「腎臓からの血液の戻りが悪くなっている」と言われました。
今までこんなことはなかったので驚き、何か最近変わった事がないか考え、12月から低用量ピルを飲み始めた事に気付きました。
婦人科では特になにも言われなかったのですが、ナットクラッカーではピルを飲んではいけないのか不安になりました。
この痛みは一時的なものなのでしょうか?
●回答文
ナットクラッカー症候群というのは 腸間膜動脈と腹部大動脈とに左の腎臓の静脈が挟まれて、その部位の腎臓の静脈が狭くなり、そのため左の腎臓の静脈の流れが悪くなります。これによってその狭くなった部位から腎臓側の静脈が拡張して太くなってきます。このことによって起こる種々の症状のうち主なものは血尿と痛みです。この病気の診断はCT又はMRAなどでないとできません。従って、2年前に診断された病院を受診することをおすすめします。2年前と現在の症状も比較出来るはずです。
低用量のピルの服用と今回の症状は関係ありません。
この痛みは一時的とはいいきれません。
根本的な治療は手術ですが、あなた程度の症状ではまだ手術の必要はありません。歩行のがしにくいような痛み、貧血になるような高度の血尿が続くようになったときは手術の適応という事になります。
現在あなたに出来ることは激しい運動を避ける。立っている時間、歩いている時間をなるべく短くする。痛みの強いときは横になる。などです。