相談事例151の相談内容と回答(H13.12.25)

●相談文
 息子のことで相談です。生まれた時から左の陰嚢が右に比べて大きく、小児科医の「自然治癒することがあるので様子を見るように」との指示に従いましたが改善なく、5才の時に専門医に診せました。
その際は「陰嚢水腫で大きくなるようだったら、水を抜く必要あり。それ以外だったら放置して良い。」とのことで大きくならなかったため今日に至りました。
ところが、今般、海外に居住して学校の健康診断で指摘を受け再度専門医に見せたところ、「脱腸ヘルニア」で至急に手術の必要ありとの診断。
別の専門医に診せセカンドオピニオンを取ったところ、「腹腔(ABDOMEN)と陰嚢(Scrotum)の間の本来閉じてくるべき管が閉じていないため閉じる手術が必要」との回答でした。(これと陰嚢水腫との違いはよくわかりませんでした。)
次回、超音波エコーをする予定ですが、エコーをすれば原因(病名)は確定できるのでしょうか???
アドバイスください。


●回答文
 ヘルニアと陰嚢水腫(睾丸水瘤)、との鑑別は、触診、視診、聴診器で腸の音の有無を聴く、ふくれているところに光を当てて透光性をみる。エコーを行う、これらはほとんど同等の診断根拠で、エコーだけが特別にすぐれているとは言えません(念には念を入れてということでエコーを行うのでしょう)。脱腸は、腸が陰ノウのうちに入ってくる病気、陰嚢水腫は睾丸の周りに水がたまる病気です。ただし、たまに(まれに)両方が合併していることがあります 両者ともに通常は、至急手術をしなければならないケースは、痛みが強いときです。ヘルニア、ヘルニア+睾丸水瘤ならいずれ学校の休みでも利用して手術、睾丸水瘤(陰嚢水腫)なら2〜3回水を抜いてだめなら手術ということになります。 経過(診断の異なり)からして極めてご心配のようですので、泌尿器科、外科の両方のある病院で、治療を受けるのも一方かと思われます。


●お礼文
 早速ご回答いただきありがとうございます。エコーも触診等と同様の角度の検査とのご回答でしたが,それに関して1つ追加でお聞かせください。
いずれの医師(脱腸ヘルニア&陰嚢水腫的(?))も手術を勧めており、子供の(症状が小さい)うちに、エコーの結果を待って手術を受けようと思っております。ちなみに、いずれの医師も触診のみで判定しました。
エコーの確度が他の方法と同じであるとすると、2つの病気の可能性を念頭に手術を受けることになりますが、開腹後に診断が違っていた(例えばヘルニア)と分かった場合、そのままもう一つの手術(陰嚢水腫)に移行できるものなのでしょうか? それとも、全く手術方法が異なるため日を改めて再手術となるのでしょうか??
後者だとすると慎重に医師(病院)を選ばなくてはならないので・・・。