相談事例149の相談内容と回答(H13.12.25)

●相談文
 27歳女です。今年の2月に動悸を感じ、循環器科を受診したところ低カリウム血症と言われ、その半年後くらいに脈が飛ぶような感じがして再度受診したところ、心室性期外収縮と診断されました。動悸を感じ始めた頃から鎖骨の左下あたりに痛みを感じ、心臓神経症だとも言われました。軽い過換気のような症状もあり、ときどき息苦しくなり手足がしびれたりもします。プライベートな部分で悩みを抱えており、そのことを考えると息苦しくなるようです。もともと寝つきはよくないほうだったのですが、最近になって、夜なかなか寝付けないと色々と考え込んでしまい、辛くてたまらなくなります。そんなときに自分の腕を剃刀等で傷をつけるようになり、痛みで辛さが忘れられるので、それを繰り返すようになってしまいました。傷がひとつからふたつ、みっつになり、自分でもよく分からなくなっている感じです。家族と同居していますが、病院へいくほどの傷でもないので、誰も気づかないようです。病院へ行こうとも思ったのですが、大きい病院は人がたくさん居るので抵抗があり、近くに心療内科などの小さな病院もありません。また、自分の悩みを先生にこと細かくお話しなければならないのかと思うと、それも抵抗があります。あまり人に話す性格ではないので…。やはり遠くても病院へ行った方がよいのでしょうか?なにかアドバイスが頂ければと思います。 よろしくお願いいたします。


●回答文
 まず循環器系に完全に異常が無いか、あっても治療の必要がないかということです。異常がないとすれば、悩むと苦しくなるとか、過換気症状ができるときがあるということで、不安神経症あるいはパニック障害の疑いが濃いと考えられます。おそらく最初の動悸がきっかけとなって、予期不安(また起こるのでは?という不安)が生じ、ときどき動悸、息苦しさなどの不安発作が起こるようになったのだと思います。パニック障害不安発作は薬物でおさえることができるので、是非精神科か神経科(精神科的な)を受診されることをおすすめします。
 夜ねつけないのも問題です。最近の睡眠薬は、昔の睡眠薬と違って、睡眠導入剤と称し抗不安薬のグループの一部で、副作用や習慣性も少ないので、眠れなくて考え込んで苦しく、またそれをのがれるために腕に傷つけるよりは、睡眠導入剤を飲んで、ぐっすり寝た方が健康的です。ただこういった薬は、市販しておらず、それをもらう意味でも精神科あるいは神経科(場合によっては内科でもくれます)を受診されるのがよいと思います。ストレスを忘れる苦しさを忘れるために腕に傷をつけていると、リストカットの依存症のようになってしまいよくありません。
 悩みを細かに話すことに抵抗がおありのようですが、精神科医なら無理に話させることはなく、聞かれたことに応える(あるいは答えない)だけでいいと思います。また、第三者(特に専門医)に悩みを話すだけで気持ちが楽になるということも多いのです。
以上です。お大事にして下さい。