相談事例140の相談内容と回答(H13.11.21)

●相談文
 26歳男です。どこに相談すればいいのかわからないのですが。
 単純にアルコールに慣れていないだけなのかもしれないのですが、アルコールを口にすると、必ずといっていいほど、記憶がなくなり立てなくなるまで飲んでしまいます。「ほどほど」でやめることができません。特に、最初のうちは自制できるのですが、量が進むにつれて、自制できなくなり、つぶれるまで飲んでしまいやめることができません。自制できるときもないわけではないのですが、酔ったときの記憶が必ずといっていいほどなくなっていることもあって、翌日はそのような自分が嫌で腹が立ち、何もやる気が起きなくなります。飲まなければ済むのですが、職場の人間関係を考えるとそうもいきません。


●回答文
 酩酊時の記憶喪失をブラックアウトといいますが、これはアルコール依存症の初期症状の一つです。毎日飲まなければいられない(精神依存)と言う訳でもなさそうなので、現在アルコール依存症とはいえないのかもしれませんが、ブラックアウトが重なると罪悪感、不安感を強め、飲酒が頻回となり、飲酒量もふえ、耐性も強まり、身体依存(禁断症状)もできて、アルコール依存症になる確率が高くなります。今ならまだ、依存症への道から引き返えせると思います(飲酒の多い環境が変わるとか精神依存をもたらすストレスが減れば適正飲酒にもどれると思います)。
 職場の人間関係を深めるため飲酒が必要(飲酒を通じて人間関係を深めるわが国の風習は困ったものですが)とすれば、ブレーキが効かずブラックアウトになりやすい体質ということを職場の人にも理解してもらい飲まずに付き合うか、一定量でとめてもらうしかないでしょう。
 アルコール依存で相談するところと言えば精神科になりますが、断酒会、AA(アルコーリークアノニママ)、アルコール問題を考える市民の会(ASK)等もあり、また、保健所によっては酒害相談もやっていますのでどこに相談すればよいかは、最寄りの保健所に問い合わせるのがよいでしょう。